未来と向き合い平和について考える~大学生協の戦後70年特別企画~

Book Review #02


全国大学生協連 会員支援部
石井愛

戦後歴程―平和憲法を持つ国の経済人として
著:品川正治
出版社:岩波書店

品川さんは2013年に惜しまれつつも89歳で亡くなりました。亡くなる前に書いた最後の著書です(他に「遺言」という対談もあります)。戦後も戦後、まったく知らない世代が70年も続いたことは喜ぶべきことですが、未来からみて、今が戦前何年になるかは誰も知りません。こういう時代に、この本は、我々の知らないこと、知るべきことが満載です。鮮烈なエピソードをひとつ紹介します。旧制三高(京都大学の前身)の生徒のとき、軍の前で「軍人勅諭」の暗誦をするときに親友が口にしたのは「我国の天皇は世々軍隊の統率し給う所にぞある」。さて、なにが問題かわかりますか?「天皇」と「軍隊」を入れ替えてしまったのです。70年以上前の雰囲気を理解することは到底不可能ですが、この親友は直後に轢死します。真相は不明。生徒総代の品川さんは、自ら退学し、一兵卒として最前線配属を願い出ます。なぜと思われても、そのような理不尽な時代だったのです。九死に一生を得て帰国する復員船で新しい憲法に出会います。9条を読んで感動のあまり、皆で号泣するところも忘れがたい光景です。今を生きる私たちは、知るべきことを知り、考え続けなければなりません。思ったことを口から出した親友はなんのために死んだのか、考え続けなければなりません。

全国大学生協連 石井愛

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