未来と向き合い平和について考える~大学生協の戦後70年特別企画~

Book Review #04


全国留学生委員会
京都大学工学部4年生
潘棟さん

君のためなら千回でも
著:カーレド・ホッセイニ
翻訳:佐藤耕士
出版社:ハヤカワepi文庫

 「君のためなら千回でも」、ハッサンがアミールによく言っていた。アフガニスタンで生まれてからの仲良しだったが、人種の差別により、そう言わざるを得なかった。更に、アミールが主人としてのプライドに駆使され、ハッサンを保護もできずに距離感ができたまま、ひどい目に合わせた。だが、40年後、その「下男」が実際、自分の兄弟だったと、アメリカに亡命したアミールがわかった。タリバン独裁統治をよそに、アミールが罪を償うために故郷に帰った。ハッサン夫婦が暴徒に殺され、この兄弟の子供を幸せにすることが唯一の希望になった。最後に、ハッサンの息子ソラーブをアメリカに連れ、戦争の影を拭いながら、のんきな生活を過ごさせた。
 同じく人類ですが、種族や肌色の違うところはいつもある。世界のあちこちで生まれ、それぞれ違う文化背景で育てられた人たちに、同一な価値観や論点を持たせることも不可能だ。そのために、同じ国でも、違う国でも、種族間の戦争が絶っていない。だが、戦争になっていない地域が多数を占めている。おとなしく差異を認め、積極的に共存を求める態度を持つかどうかはその違いの理由だと思う。いわゆる「求同存異」ということ。もし、恨みを持って、もっと恨みを巻き起こしたら、自分や子孫に幸せをもたらすことはできない。

全国留学生委員会 京都大学工学部4年生 潘 棟

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