未来と向き合い平和について考える~大学生協の戦後70年特別企画~

Book Review #14


長崎県立大学シーボルト校国際情報学部
笠原綾乃さん

「戦争ができる国」の真実

著:田母神俊雄
出版社:ベスト新書

 2015年7月現在、安保改定が一歩近づき、平和について、戦争について考えさせられる機会が増えた。
 私は今まで戦力を持つことがイコール戦争に巻き込まれる可能性が上がるのではと考えていた。だから、安保条約改正や集団的自衛権にもどちらかと言えば反対の意見しか持っていなかった。なぜ政府は改定を進めたいのか、よくわからなかった。メディアで報道されるのは「日本を戦争ができる国にするな!」というデモの言葉ばかりである。政府の考えを知る機会のほうが少ない。
 この本を読んで、日本の安全保障についての考え方が広がった。例えば、「戦争ができる国」ほど戦争に巻き込まれない、という考え方があることである。現代の軍事力はというものは、実は戦争をやるためのものではない。軍事力、すなわち発言力を持っている方が国は安全だということだ。要するに、戦力を持つことで抑止力となるのである。
 私は、だからといって戦力を増やすべきだとは思っているわけではない。世界中の国が戦力を持ちたがっていて、だから紛争はなくならないし、対立は続いていくことはひとつの大きな事実である。戦力を持つことで、例えば集団的自衛権を行使することで負うリスクはもちろんとても大きいだろう。しかし、この本を読んで、今の政府が憲法の改正や安保条約の改正を進めている理由も理解することができるようになった。
 そして、両方の視点を身につけた今だからこそ考えることのできる平和もあると思う。日本はこれからどういう国になっていきたいのか、どういう外交を目指すのか。私たちが考えなければならないことは沢山ある。
 これからも様々な知識と考え方を身につけ、日本のこれからの平和を考えていきたい。

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