未来と向き合い平和について考える~大学生協の戦後70年特別企画~

楢原泰一さんインタビュー

◎ピースボランティアや伝承講話でのエピソード〜すごく大切な人に出会えました〜

楢原泰一さんインタビュー

菊池
実際に活動されている中でのエピソードを教えていただけますか。

楢原
そうですね、2つお話します。
一つは、私が〝広島の父〟と呼んでいる人の話です。私がピースボランティアをやろうと思って研修に参加したときに、市民として参加していた方とコミュニケーションをちょっと図りました。お互い名前と顔ぐらいしか知らない程度のときに、たまたま私がちょっと早く来てしまったのでお茶を飲んでいたら、その人が座ってきて、「あなた、東京から来ている方ですね」と話しかけてくれたのです。
そこからのご縁で、広島へ行くといつも食事したりお酒を飲んだりするようになって、一緒にいろいろな勉強会に行ったりするようになりました。

その方がすごいのは、『中国新聞』の半月分の新聞を切り抜いて私に送ってくれるのです。『中国新聞』には広島のいろいろなことが載っていますので、私はそれで情報を知ることができています。広島へ行くと、いろいろなかたちでケアをしてくれる。すごく大切な人に出会えました。

もう一つは、伝承者としての活動を始めてから、被爆体験の伝承をやっているということで東京新聞の取材を受け、夕刊の一面に記事が載りました。それを見た読者の方が、東京新聞にはがきを送ってきてくださって、ぜひ私にプレゼントしたいものがあるとおっしゃったのです。関東の方で、平和運動を独自にされている方です。その方がガリ版で印刷して発行した『広島通信』というのをまとめた冊子を送りたいのでぜひ読んでほしいと言われ、読みましたら、当時平和運動を一生懸命にやっていたときのことが頭に浮かぶようなすごくいい資料で、とてもいいものをいただいたなあと思っています。
そのあと、ちょっと贈り物をしたらお手紙が来て、「すごく良い方と出会えました」と書いていただいて。自分の想いが少しでも伝わったのかなと、すごく良かったなと思いました。

楢原泰一さんインタビュー

菊池
やっぱり活動されている中で、節目節目のところで出会われて、接点があって、いろいろご自身でも学ばれて、感じられて、ということですかね。

楢原
そうですね、やっぱり人から学ぶことがすごく多いです。

伝承講話をやっていてすごく感じるのですが、被爆者の人たちからいろいろな話を教えていただかなければいけないのです。でも、それって、質問してすぐに答えがくるのならいいのですが、やはり被爆者は思い出したくないのですよね。私たちだって、嫌な事は思い出したくないですよね。でも、嫌なことでも思い出してもらわないと、私たちは伝承できないです。そういうときに何が一番必要かといったら、何だと思います?

菊池
その人と近くなって、語り合えるような関係をつくることだと思います。

楢原
そうですね、信頼関係をつくることですよね。そのために被爆者に寄り添うこと。「この人に本当に話していいのだろうか」と思わせたらだめなのです。そのためにはやはり、信頼を得るために必死になって寄り添ったり想いをお聞きしたり、それから広島に一生懸命通ったりということをして、信頼を得られたのだと思います。今の活動ができるバックボーンにあるのは、そういう信頼関係だと思います。

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