会長理事からのご挨拶

学生中心の大学生協のさらなる発展を

私が大学に入学したのは1968年、学生運動が最も激しく展開された年でした。それから40年近くたった2004年から07年にかけて、私は東京大学で学生担当の副学長をつとめました。学生としての大学への関わり、教員としての―特に管理者としての大学への関わりでは、立場が大きく異なるのですが、1968年から現在に至るまで変わっていない私の信念は、学生が大学の能動的な参加者にならないかぎり、大学はよくならないということです。

これは、私の個人的な信念ではなく、近年、あらためて広く強調されるようになっている考え方だと思います。現在、多くの大学で実施されている教育改革で、学生を授業の受動的な受講者としてではなく、主体的な学習者として位置づける、いわゆるactive learningということが強調されているのも、その一つの現れです。

この能動的参加者としての学生ということからすると、日本の大学生協が学生中心に組織されており、学生が自分自身の手で大学生活の基盤づくりに関わっているということは、たいへんすばらしいことです。これは、第二次世界大戦後のきわめて困難な時代の大学で、食事や教科書や文房具を学生に供給するために、学生自身が協同組合を結成したという歴史に由来する、日本の大学生協の特徴で、学生を中心に150万を超える組合員を擁する生協の存在は、国際的にも注目されるものになっています。庄司前会長は、この日本の大学生協のあり方を、学生を、人類社会の明日を担う「主権者」として育てるという意味で、きわめて意義あるものになっていると、繰り返し強調されてきました。

教職員の大学生協への関わりも、この学生参加をよりいっそう強化するための不可欠の課題として重視されるべきことだと思います。このような意味で、大学生協連の2015年度の総会が、「つながる元気、ときめきキャンパス―階層を超えた組合員参加を広める」という活動テーマを掲げたのは、きわめて時機にかなった提起だと思います。

2015年は、2011年にはじまった全世界的な「協同組合の10年」の5年目の年であり、世界の協同組合の同盟ICAが掲げるブループリントや、私たち大学生協連が掲げる「アクションプラン」の実現にとって大切な年です。このような年に、学生中心の大学生協という、日本の大学生協のよさを大いに発揮するとともに、その活動を世界に向けて発信していくことは、たいへん重要だと思います。

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