<環境> 全国環境セミナー2015 開催報告

全国大学生協連学生委員会 環境課題担当

概要

日程・会場

開催日時

2015年6月27日(土)13:30〜28日(日)15:00

会場 

大阪大学豊中キャンパス(大阪府豊中市待兼山町)

セミナーの趣旨(「全国環境セミナー2015開催要項」より抜粋)

全国の大学生協では、リサイクル容器回収の活動やレジ袋削減の取り組みなど、環境負荷を軽減する取り組みや、リユース市、清掃活動など地域に貢献する環境活動が実施されています。また、環境問題への関心をさらに高めるため、組合員に対して情報を発信するなどの工夫も見られます。しかし、環境活動の取り組み内容には、地域や大学生協によって差があります。特に多くの会員生協で、事業体として環境負荷軽減の取り組みが行われている一方、学生が関わる大学生協らしい環境活動にはまだまだ広げていける余地があります。現状に満足することなく、さらに多くの組合員と共に環境について考え、行動することの意義を広げていく必要があります。

 学内に目を向けると、環境活動を行っている団体やサークルがあり、その活動として、放置自転車回収や省エネ活動、学園祭等での取り組みなど様々な活動が挙げられます。このような取り組みを行っている学内の構成員とともに、環境問題・環境活動について考えていくことが、「持続可能な社会」につながっていくと考えられます。

以上のことをふまえて、全国環境セミナー2015は、主に実践交流を中心とした持ち寄り型のセミナーとします。さらに、私たちの生活から環境問題を考えられるような学習会も設ける予定です。また、開催地である大阪大学の公認団体である環境サークルや大阪大学生協学生委員会との交流を行い、環境活動の可能性を広げるなど、大阪大学で行う意義のある企画を盛り込むよう計画します。

環境セミナー2015のテーマ

人と地球にやさしい持続可能な社会の実現をめざして
〜きづく・つたえる・ひろげる〜

主催者・後援者

主催

全国大学生活協同組合連合会・JUON(樹恩) NETWORK

後援 

環境省、経産省、大阪大学、大阪府、大阪府連

参加実績

合計202名

  • 大学生協連会員生協からの参加:計45会員2ブロック139名

    北海道大学2名 北見工業大学4名 札幌学院大学1名 
    東北学院大学2名 尚絅学院大学2名 東北大学4名 岩手大学1名 弘前大学3名 
    東京高専1名 東京農工大学2名 白梅学園1名 東京薬科大学3名 埼玉大学4名 信州大学3名 
    東京学芸1名 芝浦工業大学2名 
    中京大学(豊田)1名 愛知県立1名 三重大学5名 
    富山大学5名
    龍谷大3名 同志社大2名 滋賀県立12名 滋賀大彦根1名 奈良県立3名 京都橘学園2名 
    京滋奈良BK2 
    関西学院大学4名 甲南女子大学3名 近畿大学7名 阪南大学1名 神戸大学3名 大阪教育大学3名 
    大阪大学15名 大兵和BK4名 
    広島大学2名 島根大学2名 下関市立2名 松山大学1名 岡山大学5名 
    南九州学園1名 インカレ福岡(筑紫女学園)1名 宮崎大学1名 長崎県立大学佐世保校2名 
    長崎県立大学シーボルト校2名 琉球大学2名 九州大学3名

  • JUON NETWORKからの参加:51名

  • 関係団体からの参加:4名

    式会社秀英1名、株式会社ヨコタ東北1名、独立行政法人 環境再生保全機構2名

  • セミナー実行委員及び事務局、環境活動委員としての参加:35名

プログラム

■獲得目標

  1. 自分たちの生活から今の社会を見つめ直し、環境との関わりに気付こう
  2. 環境について共に考え、行動する意義を考え、自分の言葉で伝えられるようになろう
  3. これからできる環境の取り組みを仲間と共に広げられるようになろう

プログラム 1日目(6月27日)

  • 開会式

    実行委員長峰田専務理事の挨拶に始まり、大阪大学馬場副学長、JUON(樹恩)NETWORK生源寺副会長、企画局長の岡田よりそれぞれ挨拶がありセミナーの幕開けとなりました。

    開会式

    開会式

  • 企画1「自分の生活を見直す時間」

    自分の生活と環境ってどういう繋がりがあるのだろうということについて考える時間となりました。まずは自分の生活を見直し、「環境に配慮した生活を送ることができているか」を振り返りました。私たちが気づかぬ間に二酸化炭素をたくさん排出していることをクイズ形式で学び、「自分の生活と環境問題」が身近にあることを実感しました。

    企画1

  • 企画2「今の社会を見直す時間」

    「ひとりひとりの行動が積み重なると社会にどのような影響を及ぼすのか」についての学習会を行いました。今回は地球温暖化に対象を絞り、地球温暖化の影響を受けて、自分たちの身近なところでどんな実害が発生するかということを中心に学びました。

    企画2

    企画2

  • 企画3「環境について共に考え、行動する意義を見つける時間」

    基調講演として大阪大学3回生、生協学生委員会環境局の嶋田さん、同じく大阪大学3回生、公認サークルGECSの百合本さんに「大学生が環境活動に関わる意味」についてお話していただきました。「大学生であることの強み」や「活動の軸」、「環境問題を自分事化する」ことや「環境活動を暮らし化する」といった新たな視点からの講演は参加者に大きな刺激を与えました。

    企画3

    企画3

  • 展示ブース

    展示ブースでは、「埼玉大生協、関西学院大学生協、近畿大学生協、奈良県立大学生協、福岡インターカレッジコープ、JUON NETWORK、環境再生保全機構、ヨコタ東北、秀英、グリーンツーリズムとやま」の計10団体が、それぞれの環境活動に関する取り組みを紹介しました。普段関わりのない企業の方々とも交流ができ、「リ・リパック*1」や「ホッかる*2」を回収したその先のことを初めて知ることができたと感想を抱いた参加者もいました。

    *1 株式会社 ヨコタ東北が製造する再生・再資源化が可能な食品容器のこと

    *2 株式会社 秀英が製造する再生可能な弁当容器のこと

    展示ブース

    展示ブース

  • テーマセッション

    参加者からセッションテーマを募集し、テーマごとに自由にセッションしてもらいました。

  1. 環境意識・環境活動を広める・興味を持ってもらうためには?
  2. 経済と環境
  3. 生物多様性保全について
  4. リサイクルについて考えよう
  5. リ・リパック(リサイクル弁当容器)回収の取り組み
  6. 環境学習のあり方と課題
  7. 環境活動の交流
  8. 里山(過疎地域)の取り組みについて
  9. ゴミを削減する方法
  10. 環境ってなんだろう?

テーマセッション

プログラム 2日目(6月28日)

  • 分科会

分科会1ターム目

  1. 京都橘大学生協「エコweeeek・エコランド」
  2. 南九州学園大学生協「リ・リパック回収」
  3. 大阪大学環境サークルGECS「SHERRY班活動」
  4. 愛知県立大学生協「クリーンキャンパス」
  5. JUON(樹恩) NETWORK「森林の楽校」「樹恩割り箸」
  6. 大阪大学生協「リユースマーケット」
  7. JUON(樹恩) NETWORK「未来塾」(2ターム連続)

分科会2ターム目

  1. 奈良県立大学生協「夏祭り前座企画」
  2. 広島大学生協「エコプロジェクト」
  3. 大阪大学環境サークルGECS「R班活動」
  4. 三重大学生協「レジ袋の削減」
  5. 東京農工大学佐藤准教授「企画の作り方」
  6. 岩手大学生協「昨年度の環境セミナーの学びを受けて」
  7. JUON(樹恩)NETWORK「活動紹介」(2ターム連続)

分科会

  • 企画4「地域別の時間」

    各地域に分かれて「今までの自分たちは想いを持って活動できていたか」を振り返りました。その後、セミナーで学んだことをどのように自大学で広げていくのかを考え「行動宣言」を行いました。

  • 閉会式

    全体でセミナーを通しての感想交流を行いました。参加者からは、「2日間で学んだことを、今後自大学での活動に活かしていきたい」という意気込みも聞くことができました。その後、企画局長より2日間の簡単なまとめと挨拶があり、無事にセミナーを閉会しました。

    閉会式

    閉会式

成果

■主な成果

  • 学生参加者は所属団体に関わらず、「大学生として環境活動に関わる意味」について、基調講演や分科会をはじめセミナー全体を通して考え、深めることができました。
  • 生協学生委員会、生協役職員、環境サークル、JUON NETWORK、団体・企業が交流し合い、様々な環境の分野から意見交換をすることができ、今後にも活かせる繋がりができました。
  • 全体講演で学生2名から報告を受け、今まで持っていた環境活動へのイメージが変化するなど、今後の自大学での活動に新たな視点を持った活動の広がりに期待できます。

■参加者の感想(参加者アンケートより抜粋)

  • 「ただやらされているのではなく、軸や強みをしっかりもってやることが大事と聞いてまさにそうだと思った。また、企画を動かしながら軸を見つけていきたいと思った。」(芝浦工業大学1年・学生委員・女)
  • 「大学生が環境活動に興味を持ってもらうためには身近なところから始めるという話が分かりやすかった。自分たちが主体となり運営を行い、サークルという場があることでまとまった活動を自由に行うことができ、且つ利益が第一優先ではない。この恵まれた環境をもっと有効活用したいと思った。」(東京農工大学2年・学生委員・男)
  • 「学生が自分たちがどういう社会を作りたいかを考えることはとても大事。活動としてやっていておもしろいという視点はどんなジャンルでも忘れてはいけない。」(松山大学・生協職員・男)
  • 「セミナー全体を通して改めて環境に関することに気付き、知ることができたと思う。環境以外のことも知ることができた。今回のセミナ―をきっかけに今後環境等を考えながら生活していこうと思う。」(近畿大学2年・学生委員・男)

今後の課題

  • セミナー全般に関するアンケートの設問中“セミナーに参加した理由"について、「環境問題に興味を持っているから」とした回答が最も多かった。今回は誰もが知っているであろう、地球温暖化についての学習会を設けたが、さらに参加者の関心事を探り、興味が湧く学習会の工夫を行いたい。
  • 大阪大学生協学生委員会、大阪大学公認サークルGECSの講演が好評であった。講演の視点がはっきりしていた点や、学生の目線で学内団体として活動している「想い」の話などが参加者に響き、大学生として環境活動に取り組む意義などについて共感が広がったのではないかと思う。セミナー開催校固有の環境活動の実践事例をうまくセミナーの趣旨にリンクでき、それが参加者の共感をよんだ例として、さらに発展させた形で今後につなげていきたい。
  • テーマセッションについては、ジャンル分けをし、興味分野での「想い」の交流などにスポットを当てながら、テーマに基づく環境に関する議論が活発に行えるよう工夫した一方で、参加者には「活動そのもの」に対する興味、関心が強くあり、従来通りの「活動」交流会になってしまった様子も見えた。今後さらに、環境についての深めた議論ができるような運営の工夫を行いたい。
  • 「企画の作り方について」の分科会には多くの参加者がり、学びのある分科会となり参加者の興味を惹いた。今回の経験を生かし、分科会の内容を「事例交流」をメインとするだけでなく、何か参加者同士が作り上げていくような、ワークショップ的要素も加えて環境問題について考える機会を設けることも検討したい。
  • セミナー参加会員を中心に、本セミナーの終了を出発点とした各会員での今後の環境活動の広がりに注視していく必要がある。各ブロックの会員の環境活動支援についても課題としたい。
  • 環境セミナーでのJUON NETWORKとの連携のあり方についてもさらに検討していく。

集合写真

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