大学を元気にする生協の活動

北見工業大学生協「『そだねー』商標登録に当たって〜『何もない街 北見』で大学や地域と協力して〜」

平昌五輪で銅メダルに輝いた「LS北見」。チームの明るいキャラクターは日本中に愛され、カーリングという競技は一気に注目を集めました。北見工業大学生協(以下、北見工大生協)の、産学連携のとりくみから「そだねー」商標登録に至るまでのお話を、白岩研治専務理事からご紹介いただきました。

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 平昌オリンピック女子カーリングに「LS北見」が出場し、銅メダルを獲得致しました。「LS北見」のメンバーは全員北見市出身で、鈴木夕湖選手は北見工業大学の卒業生。吉田知那美選手、藤澤五月選手も北見市の企業で働いています。本橋麻里選手は私と同じ町内で、お子様は北見工大生協職員の子どもと同じ保育園に通っています。北見市で生活しているといつでも選手達に会えるような環境が、吉田選手が話していた「何もない街 北見」の良いところです。

大学や地元と連携したとりくみ

 今回、商標登録のお話をさせていただく前に、私が北見工大生協の専務理事に着任した2年前から大学と取り組んできたことをご紹介致します。
 毎年、新学期に保護者から問い合わせの多い「生命共済と学研災のどちらに加入すればいいのか」との質問に対して、少しでも保護者にわかりやすく比較していただこうということで、大学から合格者に発送される資料に生協加入関係の資料を同梱させていただける事になりました。しかも両方の保険の比較表まで大学で作成していただきました。
 また、昨年2月に大学とオホーツク地区のJAが連携協定を結んだことから、生協でも何か協力できないかと大学から相談を受け、11月にJAコラボ企画を行いました。地元の農産物をJAから提供していただき、とても安価に組合員にご利用いただいたほか、「親孝行宅急便」と銘打ってジャガイモと玉葱の詰め合わせを千円で販売し、親元へ送ろうという企画を行い、道東地区では大きな話題となりました。

地元の農産物がいっぱいの生協メニュー

JAコラボ企画の「親孝行宅急便」チラシ

「そだねーTシャツ」始動から商標登録まで


人気の「そだねーTシャツ」
背中にカーリングのストーンの
イラストがプリントされています

「そだねーTシャツ」の話になりますが、LS北見がテレビで話題になり、「そだねー」も注目されてきたときに、産学連携担当の職員の方から「生協でTシャツを作りませんか」という相談がありました。売上の一部をカーリング振興に役立てたいという目的で、3月16日の卒業式販売開始を目標にTシャツ作りが始まりました。
 そんな中、今年2月に、「LS北見」が平昌オリンピックで銅メダルを取り、日本中の話題となりました。「折角作ったTシャツが、誰かに商標を取られて独占されては」との懸念から、「そだねー」を商標登録しようということになったのが、2月末の年度末。新学期業務で多忙な日々を送っていましたので、「〇〇さん、商標登録は賛成ですが、年度末に新学期で手が回りません…」と伝えると〇〇さん(大学関係者)からは「専務は忙しいからいいから! まずは私が個人で商標登録しておくから」との回答をいただきました。
 その後、六花亭の商標登録がニュースになり、その2日前に登録していたところがあると話題になったのが北見工大生協です。読売新聞の取材を受け、記事になりました。

大学や市民の方からの温かい言葉が励みに


寄附金贈呈式。左より三上修一生協理事長、
北見カーリング協会 安齋秀一会長、白岩専務理事

 その翌日からマスコミ各社からの取材が殺到し、全国各地の一般の方からの「そだねーTシャツ」の問い合わせ、商標登録を良く思わない方からのクレーム電話など、今までに経験をしたことがない仕事で心身ともに疲れ切っていました。
 しかし、その疲れを吹き飛ばしてくれたのが、北見工業大学の教職員や北見市民からの温かいお言葉でした。私が店舗に立っていると多くの先生方から「テレビ見ましたよ!」「専務、商標登録よくやった!」、外国の先生からは「専務、TVスターになりましたね!」、北見市民からは「北見の企業が商標登録を取ってくれて良かった」など、大変でしたが商標登録を行って良かったと思えました。
 3月25日に北見工大で売上の一部を北見カーリング協会に寄附致しました。もちろん今後も寄附を継続していきます。

 現在は「そだねーTシャツ」のみの販売となっておりますが、もぐもぐタイムで有名になりました「赤いサイロ」の会社、清月さんにご協力いただき、カーリングのストーンをイメージできるストーンに似せた洋菓子を検討しています。

「そだねーTシャツ」の横には、大学と共同開発した
結月ゆかり限定カード入りのオニオンラスク


北見工業大学生協外観

 今回の商標登録の件では、大学からの信頼で一緒に商標登録を進められたことと、何より北見工大生協よりも北見工業大学が大きな話題となり、全国放送でテレビ知名度を上げたことが幸いです。これからも「そだねー」という、北見では当たり前のように使われている方言を大事に、「田舎で何もない街」ですがまた光が当たるように、今後も大学と地域と協力し、より良い北見工大生協を作り上げたいと思います。

(専務理事 白岩 研治)

カーリング男子でSC軽井沢にリザーバーとして参加した平田洸介選手も北見工大のOBで北見市出身です。平田選手凱旋の折に、卒業生から新入生へのメッセージを書いていただきました

『Campus Life vol.55』より転載