大学生協のボランティア活動報告

2011年3月11日に発生した東日本大震災から5年の月日が経ちました。被災された方々や未だ避難されている方々には心よりお見舞い申し上げます。
全国大学生協連は、震災発生から1ヶ月後の2011年4月にボランティアセンターを立ち上げて以来、継続して復興支援活動に取り組んでいます。ボランティア活動には、2016年3月に実施した46タームまでに全国各地から延べ1,190名の学生が、東松島・七ヶ浜・名取にてがれき撤去や現地災害ボランティアセンターの運営・サロン活動・学習支援・農地再生作業など様々な活動を行ってきました。また、各大学生協においては、募金活動に取り組まれたり救援物資を提供したりするなどしてきました。

ボランティア活動に参加した学生は、「現地にまた足を運びます」「戻ったらまずは友だちに伝えることから始めてみます」「これからニュースで震災のことがやっていたら意識して見るようにしてみます」など、活動を通して東日本大震災に向き合い、震災を風化させないように自分ができる小さなアクションを起こしています。東日本大震災に関して、メディアで取り上げられる機会は減ってきているかもしれませんが、現地の様子を見たり、現地の方のお話を聞いたりすることを通して、「震災を風化させない・させてはならない」ということを痛感しています。
私たちは、宮城・福島などこれからも東北の復興に少しでも寄り添えるように活動に取り組んでいき、現地の方と“ともに"ありたいと考えています。同時に、全国の学生・院生・留学生・教職員組合員がこれから起こりうる災害に備えられるよう、情報提供にも取り組んでいきます。

大学生協ボランティアセンターがこれまで取り組んできた活動報告、並びに参加した学生の様子をご覧いただき、これからもご一緒に東日本大震災復興支援活動に取り組んでいきましょう!

 

2016年3月22日
全国大学生協連 2016年度副学生委員長/6代目大学生協ボランティアセンター長
荒木 翔太


ボランティアで得たコト(1)〜大学生協ボランティアに参加して〜


大学生のチカラ-東日本大震災復興ボランティア活動を通じて-

横田 昌宏
早稲田大学大学院 修士2年

はじめに

早稲田大学大学院修士2年の横田昌宏と申します。私は、東日本大震災の復興支援ボランティア活動に2011年のゴールデンウィークから継続的に取り組んでいます。震災から二年半を迎えた今年9月11日も大学生協ボランティア34タームに参加し、宮城県南三陸町でボランティア活動をさせていただきました。現在メディア等ではあまり取り上げられなくなりましたが、東北にはいまだ復旧・復興への道なかばの場所やボランティアの手を必要としている所があります。ここでは、私の今までのボランティア活動を振り返りつつ、そこで感じたことなどを書かせていただきたいと思います。

ボランティア活動に参加したきっかけ

私自身は旅行好きなこともあり、以前より東北地方や三陸沿岸などへは何度か観光で訪れたことがありました。2011年3月11日は旅行先の栃木県日光市におり、そこで東日本大震災の揺れを体感しました。震災当日は帰宅難民となり、翌日なんとか帰宅した東京の自宅では棚の荷物や本などが床に落下したものの、幸いにもケガや被害はありませんでした。一方、テレビ等の報道で訪れたことのある東北各地や原発の様子を知り、一週間ほどは頭の中がもやもやして何をするにも手に付かないような状況でした。計画停電が実施され、大学は4月一杯授業がなくなり、「自分も何かしたい」と思って探したのが大学生協の震災復興ボランティアでした。

ボランティア活動に参加して

初めてのボランティア参加は、2011年4月30日からの大学生協ボランティア4タームで、宮城県東松島市で活動しました。実際に自分で足を運んでみて、五感を使って感じることが本当に多くありました。そして、「復興とは何なのか?」「私たちには何ができるのか?」を参加した大学生同士で考える機会にもなりました。たった5日間でしたが自分の中で確実な変化がありました。
以来、宮城県東松島市・七ヶ浜町・山元町・南三陸市といった場所で活動を継続しています。ボランティアを行うだけであれば他にも多くの団体が活動されていて、私も個人で活動したことがありますが、大学生同士が協力し、話し合い、学び、成長できるのは大学生協ならではだと感じています。

ボランティア活動を通して

ボランティア活動では本当に多くの経験をさせていただきました。 外作業をはじめとして、学習支援、集会所サロン、ニーズ調査、ボランティアセンタースタッフ、WEB作業、イベントスタッフ…とさまざまな活動をさせていただきました。そして、活動を通じて多くの方々と出会い、学ぶことが出来ました。一緒に活動した全国各地の大学生とは今でも交流が続いています。
また、いつも優しく接して下さるボランティアセンターのスタッフの方々のおかげで活動がしやすくなると同時に、「また来たい!」と感じるきっかけにもなりました。地元の為にボランティア活動をしている同世代の大学生を見て刺激を受け、私自身の地元について興味を持ち直すきっかけにもなりました。仕事もボランティアも家族サービスも両立している社会人の方々や定年後に活動されている方々を見て、こんな大人になりたいなと憧れました。被害にあわれた方々と話す中で、家族や友人の大切さや日ごろから震災に備えることの重要性を改めて実感しました。元気に走り回る子どもたちの心の中にも決して忘れられないあの日からの記憶があることに気づかされました。
時には、いろいろ悩むこともありました。自分の行っていることが本当に現地の方々ためになっているのか自問自答することもありました。もっと良い活動のかたちがあるのでは、と考えることもありました。でも、現地の方々や子どもたちの笑顔、ボランティアセンターのお言葉に助けられ、励まされて今まで続けることができました。 たくさんの思い出が詰まっている東北のことはいつまでも大好きであり、決して忘れませんし、忘れられません。そして、ボランティアで学んだことをできるだけこれからの人生の中で活かしていきたいす。もちろん、これからもできる範囲でこれからもボランティア活動を続けていくつもりです。

おわりに

東北の復旧・復興にはまだまだ多くの人手と時間が必要です。復興の主体は地元の方々であり、ボランティアはあくまでそれをサポートする立場ですが、誰にでもできることはあると思います。一人ひとりのチカラは小さくても、それが集まれば大きなチカラになります。そこに行くと必ず新しい発見があり、得られるものがあります。今こそ、大学生のチカラを合わせてみませんか。みなさん、ぜひ東北に足を運んでください。


ボランティアで得たコト(1)〜大学生協ボランティアに参加して〜