大学生協の震災復興支援

東日本大震災 大学生協復興支援 2016年度 春季ボランティア報告

2011年3月11日の東日本大震災から5年以上の月日が経過しました。
大学生協ボランティアセンターでは、2011年4月より継続的にボランティア活動を行っており、全国各地から参加した組合員(大学生・教職員など)は述べ約1200名となりました。46ターム目となる今回の春季ボランティアは、3月10日〜14日の期間で実施し、33名の組合員の参加がありました。

震災から5年が経過した現地の様子

今回訪れた場所は宮城県の七ヶ浜町と名取市閖上地区の2カ所です。震災当時はどちらも津波により、壊滅的な被害を受けました。私たちがまず訪れたのは七ヶ浜町です。現地の方に案内してもらいながら、町内を1周。町には多くの公営住宅や集会所が新たに建てられており、道路もきれいに整備されていました。また、震災当時は荒れ果てていた砂浜もきれいになっており、砂浜の手前では大きな防潮堤の工事が着々と進められていました。震災から5年が経過した今でも、七ヶ浜町のすべての砂浜が遊泳禁止のままだそうです。

次に訪れたのは名取市閖上地区です。閖上地区一帯を見渡せる「日和山」、震災の出来事を後世にまで伝える場所として建てられた「閖上の記憶」などを見て回り、私たちは七ヶ浜町とのあまりの違いに驚きを隠せませんでした。見渡す限りの更地と、ほとんど人が戻ってきていない現状を目の当たりにしたからです。「同じ『被災地』でも、復興の進み具合がこんなにも異なるなんて…」と口にする参加者もいました。

七ヶ浜町の砂浜(後ろに見えるのは防潮堤)
七ヶ浜町の砂浜(後ろに見えるのは防潮堤)

日和山から見渡した閖上地区
日和山から見渡した閖上地区

「3月11日」を被災地で過ごすという経験

七ヶ浜町追悼式会場
七ヶ浜町追悼式会場

ボランティア2日目の3月11日、私たちは七ヶ浜町の追悼式に参列しました。追悼式の中で行われた「遺族代表の言葉」。津波で祖母を目の前で亡くしたという若い女性の方の「おばあちゃん、助けられなくてごめんね」という言葉に、私たちも涙しました。追悼式を終え、「もっと家族を大切にしたい」「日頃から『ありがとう』を伝えていきたい」、そう発言した参加者がいました。大切な人を急に失ってしまうことがどんなに悲しいことか、真剣に考える機会となったのではないでしょうか。この日の14時46分、私たちは七ヶ浜町にて、東日本大震災で亡くなったすべての方に黙祷を捧げました。

ボランティア活動を通した現地の方との触れ合い

メモリアル企画準備の様子
メモリアル企画準備の様子

今回の春季ボランティアは、3月13日に行われる七ヶ浜町のメモリアル企画の「運営スタッフ」としての活動がメインでした。このメモリアル企画では、震災当時の体験を語るシンポジウムや町民とボランティア団体が交流する昼食会、他にもコンサートや紙芝居、七ヶ浜産の海鮮物の販売などが行われました。

12日の前日準備、13日の当日運営に関わる中で、多くの町民の方と言葉を交わしたことが、参加者の心の中に印象深く残っているようでした。それは、ただ楽しかったという気持ちだけではありません。ある参加者は、メモリアル企画に来ていた子どもたちととても仲良くなりましたが、ふとその子の母親の話題を振ろうとしたときに、「もしかしてこの子の母親は亡くなっているかも…」と思い、言いとどまったという経験をしたそうです。言葉の端々で、知らず知らずのうちに傷つけてしまっているのではないかと不安にもなったそうです。そんなことを思いつつも、町民の方々があたたかく迎え入れてくれたおかげで、私たちはとても充実した時間を過ごすことができました。

ボランティアを終えて

大学生協ボランティアでは、発足当時から現在まで、1日の終わりに参加者同士の交流の時間を大切にしてきました。その日に自分が感じたこと、震災当時自分は何を思っていたのかということ、そして最終日には、これから自分はどうしていきたいのかということ。同じ大学生であっても、出身地も違えば価値観も違う。そんな人たちが意見を交わすことで、新たな気づきを得たり、考えが深まったりする。大学生協ボランティアの価値はそこにあると思っています。短い期間ながらもこうして成長した参加者が各地に戻り、アクションを起こすことで、復興は進み、風化も防ぐことができるのだと思います。

塾でアルバイトをしているという参加者は、ボランティアを終え、塾の職員に「子どもを預かっている以上、避難経路を確認しておきたい」と申し出たところ、塾の講師全員で避難経路を確認する機会を得たそうです。震災という悲しい出来事があったことを決して忘れず、私たちそれぞれが日頃の生活の中で「もしも」の時を想定し続けることが、最悪の事態を回避できる方法なのではないでしょうか。私たち大学生協は、これからも被災地を支援し続けていきます。

参加者の集合写真
参加者の集合写真

全国大学生協連 全国学生委員会
大学生協ボランティアセンター次長
執行役員 齋藤 雅実

『Campus Life vol.47』より転載


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