みんなの体験談その1〜熊本地震の経験から〜

実際に災害に遭った人がどのような経験をし、苦労をしたのか。
そこから得た教訓とはいったい何なのか。
このページと次のページでは、熊本地震を経験した熊本大学の学生と留学生へのインタビューを掲載しています。

熊本大学 学部4年生 女性

熊本地震でどのような苦労をしましたか?
また、それを受けてどのような準備や行動が必要と感じましたか?

大きな地震を感じたのは生協学生委員会の部会の最中でした。揺れ始めは強い風かな、と思っていたら次第に大きな揺れとなり、ただただ恐怖しかありませんでした。それから同じ学生委員会の人たちみんなで大学の体育館に避難しましたが、約2日後また大きな地震に遭うことになります。電気が消え、逃げようとしても立っていられず、座って揺れが収まるのを待つしかありませんでした。それから真夜中でしたが運動場に避難し、その日は眠ることさえままなりませんでした。地震後には家周辺の建物が崩れていたり、通れない道があったり、以前とは違った環境になっていることに驚きと恐怖を感じました。余震が続き、周りの友達地元へ帰省していく中、地元が遠く、帰省できず1人で家に居ることが出来なかった私は大学の体育館に約1カ月間避難して過ごしていました。

その中で私はたくさんの事を学び、感じることになりました。
初めに困ったことは携帯の充電です。連絡手段や情報源は携帯しかありませんでした。
NEWSを見て心配してくれた遠隔の友達や家族から連絡が来ましたが、限られた充電の中では全員に連絡を返すことは難しい状態にありました
災害に遭うことを考えたことが無かった私は、このような状態の時に誰にどのような連絡をするのか分からなかったことや、情報を得たいがために携帯の充電を浪費してしまいました。情報をどこから得るのか事前に考えておくことや、誰にどのような連絡をすべきなのかを考えておくべきだと感じました。

そして、体育館ではたくさんの人の助け合いがありました。
飲食物の配給や夜間警備、小さな子と遊ぶことなどで学生が手伝いを行っている様子を見たり、自分も実際に行ったりすることで自分にしか余裕がなかった気持ちにも変化がありました。

このような災害に遭わないことが一番良い事ではあると思いますが、またいつこのような被害に遭うかは分かりません。災害に遭うことをイメージできないという気持ちも私自身そうだったのでよく分かります。しかし、何かあった際に必要最小限のものリュックに入れておくだけでも違います
私は常にポータブルの充電器は必ず入れるようにしています。また、コンタクトなど普段の生活で必要なものは必ず入れています
自分の周りに知っている人が居たから大丈夫だったものの、何かあった時にどこに避難すればいいのかや何が必要なのか考えたことがなかったため、あの時1人だったらと考えるととても恐ろしいです。
防災バックなどの準備も必要ではあると思いますが、今自分が災害に遭ったらどのような行動をするのか考えてみることも、防災に繋がる1歩ではないかなと思っています。

大分大学留学生10名

地震に対する知識はどの程度持っていましたか?

  • 中国の大学の時、地震について勉強しました。大学の専攻が日本語であった関係で、
    日本は地震多発国であることを学んでいました。
  • ネットやテレビを通じて地震の知識を得ました。また、日本の友達から地震について教えてもらいました。
  • 大分大学国際交流科が行ったオリエンテーションと防災訓練を通じて、地震の知識を学びました。
  • 中国の大学で地震の知識を勉強したことがあります。
  • 机の下に身を守ることや、揺れが止まったら建物から出て避難所に行くことを知っていました。
  • 大分大学国際交流課が行った防災訓練で、M7の地震を体験しました。少し役立ちました。
    その前、地震の時いつも外に飛び出していましたが、防災訓練を通じて、
    すぐに部屋のどこかに身を守るようになりました。
  • 中国にいたとき、地震の体験がなかったため、地震の知識はあまりありません。
  • 中国四川省大地震のとき、中国の学校で地震の知識を学びました。

地震発生時に何をしていましたか?

  • 地震発生時会館の部屋で友達と話し合っていました。携帯の警報が耳に入ってびっくりしました。
    最初、怖くて何もしませんでした。その後、速やかに友達と一緒にテーブルの下に身を隠しました。
    とても怖かったです。警報が鳴ったらテーブルの下に隠れることが何回も続きました。
    その後、余震が続けていたので、怖くて友達と一緒に広場に逃げました。
    翌日の朝4時まで下にいました。地震が少し落ち着いてから、部屋に戻りました。
  • 地震発生時は寄宿舎で寝ていました。揺れが強いと感じて、すごく怖かったです。
    大切なものを持ってすぐ友達の部屋に行って、一緒に外に逃げ出しました。
    その後、眠かったので、友達と一緒に部屋に戻りました。
    しかし、余震が続いていたので、なかなか眠れなかったです。一晩中怖かったです。
  • 地震発生時はに会館で寝ていました。揺れが始まったとき、机の下に隠すべきだと知っていましたが、眠かったので、何の行動もしていませんでした。しかし、その後、揺れが激しくなりました。
    会館が古く、あまり安全な建物ではないと思ったので机の下に隠れました。
  • 地震警報に驚きましたが、地震が初体験なので、ちょっとワクワクしていました。
  • 地震発生時は寄宿舎の部屋でゲームをしていました。揺れている時、外に逃げましたが、余震がまだ続いているうちに、部屋に戻りました。携帯の警報が何回も鳴ったので、うるさかったです。
    地震はあまり怖くありませんでしたが、警報の方が怖かったです。
  • 会館の部屋で一人ベッドに寝て携帯を弄っていました。揺れているときすごく怖くなりました。
    どのような行動もしていいのかわからなかったので、泣き出しました。その後、外に逃げ出しました。
    地震がちょっと落ち着いてから、部屋に戻りました。しかし、携帯の警報が鳴るたびに緊張しました。
    一晩中心配して朝6時頃まで起きていました。
  • 寄宿舎の部屋にいてパソコンでドラマを見ていました。揺れが始まったとき、怖くてどうすればいいのかわからなかったです。その後、すぐ友達の部屋に行き、友達と一緒に外に逃げました。
    初めて地震を体験しました。怖かったです。揺れが止まった後、友達と一緒に地域活動室にいました。
    その後、部屋に戻って高いところにあるケースを下に運びました。
    寝ようと思いましたが、地震は怖いと思って友達と一緒に寝ました。

地震のときに役に立ったものは何ですか?

  • 取材した10人中10人が「携帯電話」と回答。
    地震速報や友達と連絡が取れること、ニュースを見られることから。
  • その他には、防災訓練、丈夫な部屋、友達の回答があった。

その他、地震について思うことがあれば教えてください。

  • ただメールで被害の状況を確認するしかなかったので、学校から具体的な避難指示を出して欲しかったです。
  • 災害の前で自分の弱さを初めて意識しました。これから、地震について勉強して、自分の命を大事にします。
  • 地震後、防災訓練に参加しましたが内容が簡単すぎで、正式にやっていない感じがしました。
    地震発生時の対応方法などを扱っていなかったです。
  • 地震のとき、怖すぎてあまり眠れませんでした。友達のおかげで、ちょっと安心しました。
  • 被害の状況を確認するメールが来て、自分たちのことを考えてくれているのだと思い感動しました。

学内に留学生が生活している大学も少なくないはずです。留学生も同じように地震に不安に思っているので、周りの留学生と地震がきっかけでも良いので話してみましょう。