わが大学の先生と語る「松村先生の推薦図書」


『砂漠』
伊坂幸太郎
新潮文庫/本体790円+税
まさに青春。リアルな大学生にしか響かない言葉もあるんじゃなかなと思う。なので、とにかく大学生の皆さんに読んでほしい。心に残るフレーズが満載で超おすすめ。西嶋の生き方、かっこいい!

『プラグマティズムの作法』
藤井聡
技術評論社/本体1,580円+税
閉塞感が蔓延する社会において、プラグマティズム的に物事を考えていくことによって清々しい境地にたち、実践を通して真剣に生きることができることをわかりやすく教えてくれる本。著者の覚悟が自分に伝染します。

『君たちはどう生きるか』
吉野源三郎
岩波文庫/本体970円+税
「どうせ説教くさいことばかり書いてあるんでしょ」と思う人に読んでほしい。大学時代は、数少ない家族からも社会からも切り離された真空領域の時間。そんなときに自分のものの見方を考えるのを助けてくれる本。

『道徳感情論 上・下』
アダム・スミス<水田洋=訳>
岩波文庫/(上)本体1,080円+税、(下)本体1,200円+税
「国富論」で有名なアダム・スミスの著作。この本は、「人間は共感を通じて他者に関心を持ち、思いやることができる。」という信念で貫かれています。国富論はこの本を読んではじめて意味をなすことがわかります。

『代表的日本人』
内村鑑三〈鈴木範久=訳〉
岩波文庫/本体720円+税
タイトルどおり代表的な日本人像が西郷隆盛から日蓮上人まで5名の偉人で示されています。偉人伝として読むのではなくどの人に共感するのかという観点で読んでほしい。生きるべき道を照らしてくれます。ちなみに私は中江藤樹です。

『「きめ方」の論理』
佐伯胖
東京大学出版会/本体2,500円+税
学生時代、合理的なものごとの決め方についての勉強をしていました。しかし、人間不信の念の上に築かれた理論にずっと違和感がありました。そんなときにこの本を読んで目から鱗、最後の章は未だに輝きを失っていません。

『学問のすゝめ』
福沢諭吉
岩波文庫/本体780円+税
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず・・」の書き出しは有名ですが、その後はどんなことが書かれているのでしょう。時代の転換期の明治の初めに熱狂とともに読まれました。新しい時代の息吹を体感でき、元気が出てきます。

『国土と日本人』
大石久和
中公新書/本体840円+税
道路などは社会基盤と呼ばれますが、その特性は継承性にあります。つまり今の社会基盤は貧乏で空腹を抱えた過去の人の贈り物。今、自分のことに注意が向く社会において、後世のために私たちが遺せるものを考えられる良書。
P r o f i l e

松村 暢彦 (まつむら・のぶひこ)
1968 年生まれ、兵庫県出身。
愛媛大学社会共創学部教授。
1991 年3月大阪大学工学部土木工学科卒業、1994 年3月大阪大学大学院工学研究科前期課程修了、1995 年3月同後期課程中退。1995 年4月大阪大学工学部助手、2004 年4月大阪大学大学院工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻准教授、2014 年4月愛媛大学工学部環境建設工学科教授を経て2016 年4月より現職。専門は土木計画学、都市地域計画学。

■主な著書・共著
『わかる土木計画学』《編著》(学芸出版社 2013)、『モビリティをマネジメントする』《分担執筆》(学芸出版社 2015)、『防災まちづくり・くにづくり学習』《分担執筆》(悠光堂 2015)、『都市・まちづくり学入門』《分担執筆》(学芸出版社 2011)、『モビリティ・マネジメント教育』《分担執筆》(東洋館出版社 2011)。

「わが大学の先生と語る」記事一覧


ご意見・ご感想はこちらから

*本サイト記事・写真・イラストの無断転載を禁じます。

ページの先頭へ