あらすじじゃこの本は語れない!
読まなきゃこの本の感動は伝わらない。この題名は理解できない。
この本を読んで、最後の最後に「やられた!」と頭を抱えてほしい。
読んだ人にしか、この題名の意味は理解できないし、この気持ちいいほどの鳥肌は味わえない。
この本は、友人が貸してくれた。恩田陸はよく読んでいたが、こんなに一気に読んだのは初めてだった。一気に読んで、友人に返したが、すぐにもう一度読みたくなった。結局、購入して何度も読み返した。周りの友人にも面白い本が無いかと聞かれると迷わずこの本を薦めた。
魔法が出てくるわけでも、アクションがあるわけでもない。にもかかわらず、こんなわくわくする小説、他にない。
舞台は東京駅。主人公はなんと28人。登場人物じゃなくて主人公が。それぞれの場所でそれぞれに問題を抱えて東京駅にやってくる主人公たち。彼らを待ち受けるタイムリミット。全く関係なかった彼らが出会い、繋がっていく。
最後まで読んでこの本の題名の意味に気が付き、そして全身に鳥肌が立つ。
パズルのピースが綺麗に一つずつはまっていくようなあの感覚がたまらない。
この本を読んだら最後、駅で携帯なんか見てられない。
もっとたくさんの人と出会ってたくさんの人と繋がりたくなる。
もっと周りを見渡したくなる。そんな一冊です。
大阪樟蔭女子大学 増田佳恵