ピース 又吉直樹氏と語る「本」の素晴らしさとは・・・

いかにして本を好きになるか・・・。いえ、本に親しむか・・・。

三浦:最後に本を読まない、本を楽しめない若者に対するメッセージをお願いします。

又吉氏:僕がさっき言っていましたのを一つ、自分がゼロから百までいけるとしたら、ゼロから始めることは、人間が最初に悩み出した、最初から悩んでいるから、いろんな知識を得て、基礎的な知識を得た上で考えると、もう少し先にいけるということが多々あるということと、ゲーテとかの『格言集』とかを僕は学生時代に読んで感銘を受けたのは、「格言は落とし穴の位置を示してくれる」。本も全般そんなこと書いてあって、確かに結構、本に書いてたという状況になることがあるんですね。あっ!こういうこと、本当にあるんだ~。そういうときの対処の仕方が、1回目じゃないような感じがする。失恋したときの悩みの解消の仕方も、いろんな本を読んでいると、いろんなパターンがあったりとか、それで豊かになるとかね。だから読みなさいというのはちょっとあれやな~(笑)。

自転車と一緒で、乗れ言われて乗ると安定せえへんし危ないし、怖いし、面倒くさく感じるし、それこそ後ろを親に持っといてもらわなこけてしまう。その本の悩みも理解できへん。でも、自転車乗れるようになった後の爽快感。漕げるときの気持ちよさみたいな、それ多分読書の方と似てて、準備期間てやっぱり必要やと思うんです。最初の5冊くらい、全然おもろなくても、一回5冊、10冊読んでみて、11冊目から明らかになんか、人によって1冊でおもろい人もおると思うんですけど、そういうもんやから、もし本とか読める自分になりたいし必要やという話もよく聞くから、読んでみたいな。でもちょっと開いてみるけど面白さは分かれへんし、しんどいから読むの止めてるけど、読書するなら、騙されたと思って10冊ぐらい無理してでも読んでもらって。それでもおもろなかったら、又吉の嘘つきと思ってくれても別に・・・(笑)。なんか、そういうふうにしたら変わるんちゃうかなとかね。いろいろ僕も考えるんですけどね。

三浦:大学生協でも読書会をやったりとか、そういうところでいろいろ試行錯誤をしたりしてやっているのですが。
ま確かに読書会で周りに半分強制的にやるのもいい機会かなと思いますね。最初面白くないこともあるでしょうけれど、いろいろ討論、話をする中で自分の気付かなかったことに気付ける、そういうところで本を好きになる学生というのも何人かは出てくると思いますね。
又吉さんの話、とても今日は勉強になりました。本当におうわさどおり、本をかなり読まれているなと思いました。また、良いきっかけになればなと思います。
今日は本当にお忙しい中、お時間作っていただきましてどうもありがとうございます。

又吉氏:ありがとうございました。

2014年6月25日対談。吉本興業 東京本部にて。