受験料から入学金、授業料、教科書代、定期代。親元を離れてひとり暮らしを始めるための住まい探し、家賃、水道光熱費、食費、コンパ等々。
大学生活は高校時代とは大きく違い、さまざまな出費が伴い、それを自分で管理していかなければなりません。
保護者の方と一緒にシミュレーションしてみましょう。
大学生協で実施した「2010年度保護者に聞く新入生調査」(10年5月実施)と「第46回学生の消費生活に関する実態調査」(10年10月実施)のデータを元に、学生生活の経済面をご紹介します。掲載している表・グラフは、特にことわりがない場合、1年生のデータです。

大学入学に関わる費用は、国公立or私立、自宅通学orひとり暮らし、一般入試orAO・推薦入試など、進学先や入試形態によって、大きく変わってきます。
入試が始まる前に、家族でしっかり考え、話し合っておくことが大切です。



住まいは、1カ月の生活費から考えて、適切な住居費はどれくらいかかるのかをきちんと計算し、それから希望条件の優先順位を決める方が無難でしょう。大まかに見ると、地方の方が、大都市圏に比べて広い部屋で安く住むことができるようです。



岸 宏昌さん
龍谷大学
経営学部経営学科4年
和歌山県立神島高校出身

物件条件には優先順位をつけよう。譲れないポイントを明確に!
指定校推薦で合格し、2月上旬に大学生協を訪問。住まい斡旋コーナーで、家賃5万円以内、バス・トイレセパレート、通学時間が自転車で10分以内という条件で、3つの物件を紹介していただき、早速見に行きました。いちばん交通の便がよい部屋は、まだ卒業予定の先輩が住んでいたため中を見学できなかったのですが、他の条件も希望通りだったので、そこに決めました。クローゼットなど収納スペースも十分あり満足しています。必ず室内を見学できるとは限らないので、気になる点はしっかり確認することが大切ですよ。

調査データを見ると、下宿暮らしと自宅通学では、1カ月の収入・支出ともにおよそ2倍の差があります。奨学金制度を利用したい場合などは、大学入学前から情報収集をしておくと安心でしょう。




鈴木 都さん
近畿大学 文芸学部文化学科4年
福井県立大野高校出身

今までのものを使う前提で必要であれば後から買い足せば大丈夫
姉と2人で新生活をスタートさせたのですが、2DKのアパートの初期費用は25万円ほどだったと思います。家電類は以前から姉がもっていたものをそのまま利用し、ベッドや棚などは1万円前後の安価なものを探して購入。入学式用のスーツ一式には5万円くらいかかりました。その他の荷物は衣類やPC程度だったため、段ボール箱5個程度にまとめて宅配便で発送。引越代を浮かせることができました。その後1年次の11月に姉とは別々に暮らすことになり、ひとり用のアパートへ。入居時の費用は約15万円です。家電類は姉のものを貰い受け、とにかくすでにあるものを使う前提で、新規の購入は最低限に抑えて節約。必要なものは後から買い足しても十分間に合いますよ。




中島 彩世里さん
長崎大学 経済学部総合経済学科4年
鹿児島県指宿市立指宿商業高校出身

目的に合わせて通帳を分けて。家計簿をつけるのもおススメ。
毎月の収入は、仕送り2万円とアルバイト代2万円、その他諸手当4万円の計6万円。他に奨学金3万6千円程頂いていますが、それはそのまま家賃に充てています。水道代・光熱費・NHK受信料等の必要経費が1万1千円くらい。残りの5万円弱で食費や交際費・教材費などをまかなっています。1、2年次はできるだけ三食自炊にするなど食費を節約。毎月2~3万円貯蓄していたので、自動車学校の費用を自分で出すことができました。おススメしたいのは、家計簿をつけることと家計用と貯蓄用の通帳を分けること。そうすると支出の増減が把握でき、計画的にお金を使えるようになりますよ。



経済的な理由で進学が困難な学生を対象に、奨学金と教育ローンがあります。奨学金には国・地方自治体、民間の企業、諸団体、大学独自の奨学金制度などがあり、卒業後返済が必要な「貸与型」と返済しなくてもよい「給付型」の2種類があります。貸与型、給付型ともに、詳しいことは在学している学校の窓口でたずね、応募の機会を逃さないようにしましょう。
●日本学生支援機構の奨学金
貸与型として代表的なものが独立行政法人日本学生支援機構の奨学金です。無利息の「第一種奨学金」と利息付きの「第二種奨学金」の2種類があり、現在全国で約112万人が利用しています。
日本学生支援機構奨学事業部
TEL : 0570-03-7240(ナビダイヤル)
ホームページ : http://www.jasso.go.jp/
●教育ローン
教育ローンは、入学金・授業料などの学校納付金、受験費用、自宅外通学者のアパートの家賃・敷金などの住居費用、教科書・教材費、パソコン購入費用などを賄うための資金を、学生の保護者などに融資する制度です。代表的なものに日本政策金融公庫 国民生活事業が取り扱っている「国の教育ローン」があり、その他の公的機関や銀行・農協など金融機関の教育ローンなどもあります。
日本政策金融公庫 国民生活事業
「国の教育ローン」
教育ローンコールセンター
TEL : 0570-008656(ナビダイヤル)
※全国から市内通話料金でご利用できます。
※ご利用できない場合は03(5321)8656までおかけ直しください。
ホームページ : http://www.k.jfc.go.jp/kyouiku/ippan/index.html
河内 翔さん
富山大学 工学部知能情報工学科4年
石川県立七尾東雲高校出身

募集情報をしっかりキャッチし手続きしよう。
大学入学直後の最初のオリエンテーションで、日本学生支援機構奨学生募集についての説明を聞き、大学の担当窓口で申し込み手続きを行いました。現在は月額5万1千円の貸与を受けており、ひとり暮らしの生活費に充てています。学科の実験が忙しく、アルバイトがあまりできないため、私にとって奨学金はとても貴重です。あくまでも“貸与”であり、卒業後は返済していかなければならないことを肝に銘じ、大切に活用しています。
受験や大学生活を始めるにあたって、費用や心構えなど、先輩の保護者の方々から、さまざまなアドバイスをいただきました。
■お金について
ひとり暮らしをさせると、学費以外に家賃、光熱費、食費、小遣いなど多額のお金が必要。これをすべて在学中に用意するとなると、月に20万円相当になります。
(私学・文系・男子・自宅外)
年収が下がっている家庭も多く、私どもも私立は大変な覚悟で出しています。1年目は確実に300万円は準備することをお勧めします。
(私学・文系・女子・自宅外)
入学手続き以降も、教科書・パソコン・定期代、etc.とお金が湯水のように流れていきます。大きな額だけ見て、細かいお金を甘く見ていると大変。入試からお金の感覚が麻痺していると思うので、気をつけて!
(国立・文系・男子・自宅)
■大学選びについて
合格できる大学ではなく、本当に行きたい大学かどうかじっくり調べることはとても大切だと思いました。
(私立・理系・男子・自宅外)
自宅通学生は、オープンキャンパスに絶対行って、大学の様子を体験した方がいいと思います。通学手段と時間も、受験校を決めるには大切なことです。
(私立・文系・男子・自宅)
大学はとにかく本人の意見、考えを重視。行くのは本人! 親は背中を押してあげるだけでOK。あとはお金だけです。ただ、それが一番難関かも。
(国立・文系・女子・自宅外)
■受験時について
受験時の宿や交通機関の手配は本当に大変。発売と同時に旅行会社に手配してもらっても、第一希望で取れなかったりするので、とにかく早めに複数の手段で手配を。
(私立・文系・女子・自宅外)
9月ごろまで部活をしていたので、どうしても夜型の勉強になってしまい、朝からの受験は大変でした。早くから朝型のスタイルにしておくのがベストだと心から思いました。
(私立・理系・男子・自宅外)
受験生にとって健康管理は勉強と同じくらい大切。少し疲れたと感じたらしっかり寝て元気になって次の勉強に進むのがいいと思います。
(国立・文系・男子・自宅)
インフルエンザ(2種類)の予防接種は、受験の3月まで効きめがあるように計算して受けるといいと思います。11月初旬がベスト。
(私立・文系・男子・自宅)
■住まいについて
一度も物件を見ずに広告と電話で住まいを決めましたが、しっかり見学してから決定した方がいいと思います。事前にしっかり調べてから行った方が時間の無駄がないと思います。
(私立・理系・男子・自宅外)
住まい探しの費用が思ったよりもかかりました。土地勘がないので、最初は大学近くの風呂なしトイレ共同の下宿に入居。でも毎日の風呂通いに我慢できず、すぐに次の物件を探すことになりました。
(私立・文系・女子・自宅外)
アパートを慌てて探すと細かいことが疎かになり、後悔します。大学までの交通の便をちゃんと知った上で決めないと、後が大変です。
(国立・医歯薬系・女子・自宅外)
■新生活用品の購入
合格してから、入学式、ガイダンスの日まであっという間で、下宿を決めるので精一杯。引越し、家具や家電購入と慌しく、4月に入ってから少しずつ揃えました。
(私立・文系・男子・自宅外)
ひとり暮らしの住まいにはベッドも学習机も入り口から入らないとわかった時点で諦め、布団と机代用のテーブルだけで過ごすことを決めました。必要だとわかったときに用意しても遅くはありません。電子レンジは温め直しには必要なので、冷蔵庫とともに必需品です。
(私立・文系・男子・自宅外)
食事の用意もあまりしないのに電化製品を揃え過ぎてももったいない。子どもがどの程度自分でやり、この部分は学食に頼る、とか、よく話し合う時間を入学前に作っておくといいと思う。そうしないと余計な出費をしてしまうかも。
(国立・理系・男子・自宅外)
■新生活スタートのポイント!
入学後もサークルの入会金・活動費・合宿費などにかなりのお金がかかるのでびっくり。やはり、アルバイトなどで自分で払って活動できるサークルを選んだ方がいいと思います。大学生になっても親にサークル費用を出してもらうのは、ちょっと甘えすぎかと。
(私学・文系・女子・自宅)
アルバイトができる場所でないと困るので、駅からも大学からも近い住まいを探しました。今後は奨学金とアルバイト収入で生活費も学費もやりくりする予定です。おそらく途中で破綻するでしょうが(そのときは助けます)、できるところまで頑張ってもらいます。
(国立・医歯薬系・男子・自宅外)
ひとり暮らしの準備はいろいろな手続きがあります。そこで、1冊のノートにスケジュール、購入品リスト、お金の収支などをメモをしながら、子どもと準備を進めていきました。1人で生活すると物が増えていくので、どちらでもいいようなものは極力購入しない方がいいと思います。
(私立・文系・男子・自宅外)
爪きり、キッチンスポンジ、鍋、トイレットペーパー、風呂道具、ハンガー、キッチンマット、洗剤、ゴミ箱などほとんど送り、現地で買ったのはサイズを計れなかったカーテンぐらい。引っ越した日から、あれがない、これがない、と慌てることなく片付き、大正解でした。
(国立・理系・男子・自宅外)
学費以外に予想していなかったことでお金がかかる。特に被服費。今までは制服だったが、これからは毎日私服で同じものばかり着ていくわけにもいかず。1週間着まわしできるくらいの服を買ったら結構な出費だった。大学生はおしゃれもしたい年頃、そこらのスーパーで買うわけにもいかないので。
(私学・文系・女子・自宅)