2015年01月07日(水) | 新着情報
ふと本と出会い、呼ばれたかのように手に取り、読み進めるうちに没頭してしまい、その世界に浸るのは読書の楽しみのひとつです。中村文則の『教団X』はまさにこの楽しみを存分に味わあせてくれます。
『教団X』というどことなく不安になるタイトル、その不安を増幅させる装丁、そして560ページを超える本そのものの分厚さに引き込まれてしまい、読み始めると奇妙な教団とその登場人物たちのエピソードが交錯する様にページをめくる手が止まりません。分厚いと思っていた本が半ばを超えると段々と今度は読み終えるのが惜しくなってきてしまうことでしょう。