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2015年04月08日(水) | 新着情報

読書マラソンWEB版
『父という余分なもの サルに探る文明の起源』著:山極寿一 出版:新潮文庫

ヒトの体を構成する遺伝子が、チンパンジーやゴリラと1%余りしか違わない。一方、人間社会において「父親」は当たり前のように存在しているが、人間以外の動物は父という存在を常に必要とはしていない。このことを、私は本書を読むことで初めて知った。霊長類学者・人類学者である著者は、ゴリラやチンパンジーの生活に密着しながら、群れの成し方や食生活を細やかに調査し、ヒトの特性(直立二足歩行、言語能力など)がいつどのような環境下で発達してきたのかを推察している。本書では主にゴリラに密着した際の様子や考察が述べられているが、ゴリラの生活実態や習性がかなり細かいところまで表現されている。どれほど長く追跡し、どの程度まで仔細に観察し、どこまで推論すれば本書のような内容になるのか気になって仕方がない。

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