2015年04月13日(月) | 新着情報
今年は本をたくさん読もう、普段は読まないジャンルに手を伸ばしてみようと考えているあなたへ、『読書のいずみ』編集部が和書・洋書を20点 ピックアップしました。
誰かの気持ちに寄り添ったり、人生をなぞらえてみたり。エッセイを読むということは、ちょっとの間別の現実を歩むことかもしれない。けれども時折、その誰かと価値観が衝突したりする。なんだか気まずくて苦手だった。でも、この作品は、須賀さんの書く文章だけは違った。彼女の綴る言葉のなかに、私がいた。日々ふとしたときに覚える感傷や人と接するときの心の輪郭。人間として共有する思いが、ていねいに言語化されているからかもしれない。昨日と今日と明日とを思わず一緒にぎゅっと抱きしめたくなる。愛しい人と分かちあいたい逸品だ。
(早稲田大学/二十一世紀旗手)