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2015年09月30日(水) | 新着情報

生協職員からの新刊お奨めの本紹介
『戦争と検閲 石川達三を読み直す』河原理子 岩波新書

著者:河原理子  岩波新書

たまには、こんないかにも難しそうなタイトルの本を読んでみるのはいかがでしょうか。

本書は、小説『生きている兵隊』で発禁処分を受けた石川達三を追ったものです。石川達三(1905-1985)は芥川賞作家で、戦前・戦中に新聞紙法違反の罪で有罪判決を受けました。新聞紙法は、公序良俗に反する出版物を制限・禁止できる法律です。
『生きている兵隊』は、石川が日中戦争に同行して書いた小説ですが、反戦小説というよりは、現地で闘う兵士たちの姿や変化、生活実態を生々しく描きました。しかし当局が発禁処分とし、回収する騒ぎに。この出来事だけでも、当時の政府は、戦争の生々しさを知らせることで疑問を持つ国民を増やしたくなかったのだろうと推察できます。

 

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