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2016年09月30日(金)
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『読書のいずみ』 座・対談 「美味しい物語、熟成しました」
大沼紀子さん インタビュー
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大沼紀子さん(小説家)
VS
熊崎一麦さん(京都大学法学部1回) 河合さやかさん(名古屋大学文学部4年)
1.「まよパン」いよいよ大詰め!
河合
新刊『真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者』を読ませていただきました。今回は壮大などんでん返しが仕組まれていて、すごいボリュームでしたね。ここに詰め込まれた希実にまつわる構想は、「真夜中のパン屋さん」シリーズ(以下、「まよパン」)を書き始めたときから決めていたことなのでしょうか。
大沼
ざっくりとしたイメージはできていたのですが、書いてみたら予想以上に込み入った設定で、こんなに厚い本になってしまいました(笑)。
河合
最初から書こうと決めていた部分はどんなところですか。
大沼
決めていたのは、母親のことと、それに対して希実がどう思うかというところ。1巻(『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』)から順に進んでいくなかで、希実の周りに人が集まり、その人たちに彼女が守られるという状況が徐々に出来上がっていくということをテーマに置いて書いていました。
河合
新刊を最後まで読み終えたとき、とてもほっとしました。途中、他の巻と比べて不穏なところが多かったので。
大沼
すみません、不穏にさせるのが好きなので(笑)。でも全巻とも最後は救いのない話にならないように、いいオチで終わらせたいと思って書いています。
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