大学生協のたすけあい保障制度

『大学生が狙われる50の危険』から考える予防活動
〜今どきの大学生のリスクに備える一冊へのこだわり〜

原点は『大学生がダマされる50の危険』

大学生がダマされる50の危険

大学生協(全国大学生協連)は三菱総合研究所(三菱総研)と協力して、2011年2月に青春出版社より『大学生がダマされる50の危険』を発行しました。同書は同年同月に開催された文部科学省主催の「消費者教育フェスタ」のブースで新刊書として紹介し、多くの方々にご覧いただきました。

そして、その翌月に「3・11」(東日本大震災)が起こり、多くの学生が被災することになります。大震災に狙われた彼らの姿を容赦なく見せつけられた私たちは、学生のリスクについての認識を新たにしました。

「3・11」は、私たちに「ダマされることに備えるだけでは、学生生活を取り巻くリスクに十分備えることはできない」ことを教えてくれたのです。

一方で、「3・11」と概ね同時期に、スマートフォン(以下、「スマホ」)が急激に普及してくることになります。それまでは、携帯電話といえばいわゆる「ガラケー」でしたが、学生の間にも「スマホ」がいち早く広がりました。

私たちには、「もっと幅広く学生生活のリスクを捉え、変わりゆくリスクに対応した形で『大学生がダマされる50の危険』をバージョンアップしよう」という想いが芽生えてきました。そして、学生どうしのたすけあい制度(共済)を通じて学生のからだとこころの健康・安全に貢献することを使命とする大学生協共済連も加わり、2014年2月に『大学生が狙われる50の危険』が発行されることになります。

現在は『大学生が狙われる50の危険』

大学生が狙われる50の危険

『大学生が狙われる50の危険』(以下、『50の危険』)の概要を紹介します。「自分は大丈夫!と思っている人ほど要注意というリードと共に以下の掲載があります。

! サークルやボランティアに見せかけた悪徳宗教団体の勧誘パターン

! 「スマホ」から、住所・電話番号・連絡帳がダダ漏れに

! 「交流サイト」「ネットゲーム」…18歳制限が外れることで起こる大問題

! 「ストーカー」被害にあわないポイント

! 訪問、送りつけ、電話、架空請求…大学生を狙う新手の詐欺手口

そして、「はじめに」へと続きます。

「(略)東日本大震災では、多くの大学生が被害を受けました。いつ襲ってくるかわからない自然災害に対して、家族との連絡手段も含めて、十分な備えが必要です。インターネットの世界も様変わりしています。学生の多くがスマホを利用し、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、多数の顔の見えない相手と交流を持つようになりました。それによるトラブルも増加の一途です。また、入学シーズンのキャンパスでは、サークルに見せかけた悪質な宗教団体からの勧誘も、相変わらず報告されています。電話で強引に勧誘をされたり、あるいはネット上のあやしいサイトを閲覧して高額な請求書を送りつけられたりすることもあります。「まさか、自分がそんな事態に遭遇するなんて思ってもみなかった!」ことが、皆さんを待ち構えているのです。(略)」。

その後に、以下の各章が導かれています(目次のみ列記します)。

第1章 新入生はとくに注意!
大学生が狙われる、 いまどきの危険
第2章 そのワンクリックで被害続出!
スマホ・ネットにひそむ 落とし穴
第3章 起こってからでは遅すぎる!
自然災害や事故…大学生が陥りやすい事態
第4章 その心のスキが狙われる!
一人暮らしに付け入る手口
第5章 学生生活は心配事もいっぱい!
日常に隠れたトラブルの芽
第6章 自由になれば責任も増える!
二十歳になると変わる立場

これらの項目を一読いただくだけでも、大学生が狙われる危険の実態を垣間見ていただけるものと思います。ただし、現在の『50の危険』は2014年の新入生に照準を当てた当時の「最新対応版」であることも忘れてはなりません。その多くの危険は現在でも共通していると思われます。しかし、わずか2〜3年でも学生を取り巻くリスクは目まぐるしく変化していることも見逃せません。

たとえば、LINE(無料アプリ)の飛躍的な普及、ネット炎上パターンの変化等にみられるSNSの普及・多様化、選挙権年齢18歳以上への引き下げ、平成28年熊本地震の発生、度重なる海外でのテロ事件等です。これらの出来事にも、今どきの学生を取り巻く生活リスクに変化をもたらす要因が隠されていると思っています。

そして、将来は? 〜まとめに代えて〜


写真はイメージです。

全国の多くの大学生協で学生(組合員)どうしの声を大切にした「予防活動」を実践しています。それは、学生(組合員)が相互に病気やケガに遭わないように健康や安全について積極的に声を出し合う参加型のとりくみです。誰かが一方的に提案する予防提案活動とは本質が違います。「予防提案活動ではなく予防活動の実践を!」という発案は、学生によるものです。こうした学生たちと共に日常的に活動できることは大学生協の誇れる一面でもあります。

その一つの目に見える形が、「全国共済月間」です。各大学生協では2016年9月〜11月の3カ月間、「全国共済月間」と銘打って、学生の健康や安全にかかわるさまざまな「予防」活動を行います。そのキーワードも「自分事」です。私たちは、学生自身が「自分事」の意識を持つことこそが最大の危険(リスク)への備えであると思っています。

将来の『50の危険』は、多くの学生たちの「自分事として予防と向き合う姿」につなげることを強く意識して創っていきたいと考えています。そのためには、現役学生の実態をよく知り、彼らの声に真摯に耳を傾けることが大切であると思っています。

いくつかの大学生協では、大学の保健管理センター・学生相談室等の皆さんのご協力をいただき、「予防」活動に取り組んでいます。また、大学生協共済連は、全国大学保健管理協会や全国大学メンタルヘルス学会の賛助会員でもあります。

これからも大学生協は、大学で学生のからだとこころの健康・安全と向き合っておられる皆様方と共に、学生たちと寄り添いつづけてまいります。

将来の『50の危険』は、学生のみならず、大学関係者の皆さまにもご協力いただきながら創っていきたいと思っています。引き続き、大学生協をよろしくお願いいたします。

※2017年2月に2017年度新入生の危険(リスク)に対応した『新・50の危険』(仮称)を発行予定です。『50の危険』は進化しつづけます。ぜひともご注目ください。

(大学生協共済連 藤本 昌)

『Campus Life vol.48』より転載


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