未来と向き合い平和について考える~大学生協の戦後70年特別企画~

おしどりマコ・ケンさんインタビュー

◎戦争と原発の風化、現地に赴くということ ~「本当に今ギリギリだと思いますね。最後だよね、70年って。」~

おしどりマコ・ケンさんインタビュー

渡邊
個人的な質問になってしまうのですが、今、原発事故が起きて何年か経ち、なにか記者会見の会場とか、社会の取り上げられ方って、変わってきたなあという実感はありますか。

マコ
ああ、変わってきました。というか、何でしょう、全然もう、終わったことになってるんじゃないですかね。なんとなく。それは思います。取材している方々も、大手の記者さんとかは割と入れ替わるので、もう今すごくビギナーの方も来られているので、多分、本当に2011年から追ってないと、本当に大変だと思うんですよ。ぱっと入社して、じゃ、原発事故の取材してって言われてもなんかよく分からないってなるので、もうそれは、彼らが悪いんでもないし、それは記事の書きようもないと思うので、残念な話です。

渡邊
きっと、戦争もそういうものなのですね。ずっと経験している方が高齢になってきて風化していくぎりぎりのところですよね。

マコ
そう、70年ってそうだと思いますよ。本当にそうだと思います。

ケン
沖縄から帰ってきたときに、今のうちにお話をしてくださる方の声を聞きにいこうと行ったものね。じゃないともう…。

マコ
そうそう、沖縄に住んでいた、地元の小学校の先生とか中学校の先生が、自分たちで証言を集めて自費出版しているんです。でも出している方々が、今亡くなりつつあって・・・。まだご遺族が生きておられるから連絡取ったりしてるんでけれども、本当に今ギリギリだと思いますね。最後だよね、70年って。

おしどりマコ・ケンさんインタビュー

中村
我々も〝最後の世代〟だというふうにずっと呼ばれています。高校、中学のときくらいからずっと「君たちは直接お話が聞ける最後の世代だよ」と教わってきているので、そういう危機感は結構ありますね。 沖縄に行った関連で一つお聞きしたいのは、最近の大学生って全然本を読んでなくて、大学生協で50年間ぐらい、ずっと「学生生活実態調査」を行っているのですが、そのデータによると、今、大学生の40%ぐらいが読書時間0分だそうです。

マコ
やばいって。

ケン
ほんとですか? 僕も0分だったんですよ。マコちゃんと結婚してから読むようになりました。結婚してから初めて1冊読みました。

中村
学生はもう全然、本も読まなくて知らないことも多く、もし沖縄に行ったとしても、初めて見るものすべてが新鮮だと思うのですが、マコさんはいろいろ勉強されてから沖縄に行って、それでも「知ってたつもりだった」っていうふうに今おっしゃいました。それは具体的にどういうことを知ったときに思ったのですか。

マコ
戦争の『証言集』を地元の方々が作っているとお聞きし、日本軍が沖縄の人たちにいかに酷いことをしたかを知ったときですね。集団自決って知っていたつもりだったんですけれど、本当に具体的に、どこそこの誰がこういう状況で殺されたっていう証言集があったんですね。例えば、日本兵が夜、民家の豚を盗んで、それをとがめた村民が殺された。日本軍が悪いだけじゃんみたいな事例がいっぱいあるんですよ。他にも、あまりにも米軍機が沖縄の上を飛んでいて、「日本の高射砲が性能がいい、100%打ち落とす」と言っていたので、村民が「何%ぐらい今、打ち落としているんですか?」って質問した人が殺されたとか、ただただ理不尽な話でした。アメリカ軍に見つかるから集団自決しなさいとか、そういう話じゃなくて、ものすごい機嫌悪いだけで殺されてるんじゃないかみたいな事例が証言集として残っていたの。だから、本州で本を読んだレベルでは、そんな理不尽だったのかというのが全然知らなかったので。あと、びっくりしたのが、本土にも空襲があったじゃないですか。その日本の本土に落ちたすべての焼夷弾の量より、沖縄本島に落ちた焼夷弾の数の方が多いと知って、面積があんなに違うのにそんなに落ちたのか、というのも知らなかったし、それはびっくりしました。

中村
僕たちも若い世代なので、人ごとのつもりで言うわけじゃないですけれど、やっぱり勉強した上で行って、さらに知るという、それがすごく大事だなということを、今すごく思いました。

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