メインビジュアル

大学生協と地域生協が一緒に「たすけあい」を広げます!

今から全国大学生協共済連の発表を始めます。この度、大学生協共済連の学生総合共済をコープ共済連と共同引受することが正式に決定しました。そのため、この度は共済分野の事例発表に呼んで頂いた次第です。日本生協連の方針検討集会に大学生協が発表するのは初めてのことだそうで緊張しておりますが、地域生協の皆さまに大学生協を知ってもらえる貴重な機会ですので、精一杯頑張ります。

申し送れましたが、田中蒼大と申します。2020年度まで全国大学生協連学生委員会で副学生委員長をしておりました。富山大学を2019年に卒業し、大学生協共済連との関係ではその後、執行役員や理事として関わっております。地域生協の皆さまはご存じないかもしれませんが、大学生協には「学生委員会」という非常に活発な組織委員会が、多くの大学生協にあります。当たり前ですが、大学のほとんどの構成員は学生です。その学生の立場の組織委員が中心となって集めた「学生組合員の声や実態」を、日常的な大学生協の意思決定へ反映していく…そのための学生委員会です。その構造と同じように、全国大学生協連にも、連帯組織としての意思決定に学生の声や実態を反映させるために、卒業後1年ないし、2年、学生組織委員として活動するメンバーが全国大学生協連の学生委員です。

さて、本題に入る前に、そもそも共同引受とは何かを説明します。共同引受とは、「複数の共済団体(元受)が共同で共済制度を引き受ける方式」です。つまり、今回の共同引受は、「大学生協共済連の学生総合共済という商品をコープ共済連と共同引受する」ということですので、コープ共済連の会員生協である地域生協でも学生総合共済についての加入ができるようになる…ということです。地域生協の皆さんからすると、組合員の平均年齢が高く、若者世代の加入が課題であるとお聞きしているので、「大学生を含む、若者世代とどう関わっていくのか」がカギになると考えております。

まずは、学生にとって、「わたしたちの共済」である大学生協の共済事業について説明します。学生自身が、学生のために、学生と一緒に広げてきた共済事業であることが伝わればと思っております。

学生総合共済は、今年で40周年です。学生総合共済は、「全ての学生が学業継続を実現できるように、全ての大学生に加入してほしいもの」です。当時、全国大学生協連の会長理事であった福武先生の「自分に出したお金が自分に返ってこなくても、仲間のために使われてよかったと思える共済にしてくれまいか」という想いから発足したもので、この想いが40年続き、今では70万を超える大学生協の学生組合員が加入しています。

大学生協の学生総合共済は学生自身が、学生のためを思って取り組んでいる4本柱を軸とした共済活動によって発展してきました。各大学生協では自分たちの大学の給付事例や、給付金のお手続きの際に書いてもらっているたすけあいアンケートを、学生と職員で一緒に読むという給付事例学習会が行われています。給付事例学習会を通じて、「実際に大学生協の共済は役に立っているんだ」ということを実感し、そこから得られる「たすけあいの想い」や「学生の生活実態」をもとに取り組みへつなげています。

大学生が入学する4月へ向けて、2月から3月の時期には、給付事例学習会で実感した「たすけあいの想い」を自分の言葉で新入生へ伝えることで、新入生に学生総合共済へ加入してもらえるような取り組みを行っています。また、日常的に、給付事例学習会などを通じて集約した「学生の生活実態」に基づき、学生が健康で安全な大学生活を送れるように予防活動を行っています。

このように、大学生協の共済が、自分たちにとって「本当にいいもの」だと実感しているからこそ、後輩へ、仲間へ広げられるものです。「たすけたい」という一人の学生の想いから取り組みへつながり、学生総合共済の発展にもつながってきました。

そのような学生の共済活動が学生総合共済の発展へ繋がっています。前回の制度改定では、初めて、こころの病で悩む学生へ向けた制度ができたり、それまでは5日以上事故通院をしないと給付ができなかった制度が、1日目の事故通院からも給付ができるようになりました。

このように学生自身が実感した「たすけあいの想い」をもとにした取り組みが学生総合共済の制度の発展へも繋がってきました。

また、コロナ禍での学生の実態に合わせて取り組みは大きく変化しています。SNSを中心とした取り組みやオンラインコミュニケーションツールを活用した取り組みもありました。社会情勢に合わせて変化する学生の生活実態に寄り添う取り組みも今年は多く見られました。

ここまで大学生協の共済についてご紹介してきました。ここからは学生総合共済のコープ共済連との共同引受を通じて、どのような未来が待っているのか、その可能性について少しお話しできればと思います。

コープ共済連との学生総合共済の共同引受が始まると、以下のようなことが、始まります。大学生協としては、「すべての大学生に学生総合共済に加入してほしい」という願いから、発展してきました。コープ共済連との共同引受を通じて、地域生協からも加入ができるようになることは、大学生協がない大学の学生も加入することができる機会となり、大変うれしく思っております。そのような取り組みを、大学生協と地域生協と一緒に頑張りたい!そう思っております。

また、地域生協の皆さまとしても、若者世代の加入は課題だと聞いております。そういう課題解決のためにも、大学生協と地域生協の連携で乗り越えられるものがあるはずです。そういう側面からも、大学生協と地域生協の連携はとても大切になると感じました。

大学生協と地域生協の連携と聞くと難しそうに聞こえますが、今までも大学生協と地域生協の連携はありました。健康安全分野の取り組みでは医療生協との連携がありましたし、消費者分野の取り組みでも、学生の消費行動を変えるような取り組みを連携によって取り組んでいる大学生協もあります。

とはいえ、共済分野の話を大学生協と地域生協で行うのは、この共同引受をきっかけとした機会が初めてだと聞いております。そのような状況の中で、各地域の大学生協と地域生協の懇談会を実施している地域もあります。お互いのことをまずは知って、何ができるのかを考える機会とすべく、開催しています。コープ共済連や大学生協共済連が中心となって機会を作ろうと考えております。是非よろしくお願いします!

最後に、学生総合共済のコープ共済連との共同引受は、地域生協の組合員である、親御さんの想いから始まったものです。生まれてからずっと、「たすけあいの輪」に入っていてほしい。また、大学卒業後、無保障になる人が多い中で、そういう人をなくしたい。このような想いから始まりました。この想いは、大学生協が掲げていた「無保障の学生をなくしたい」という想いと同じです。共通の想いをもって地域社会へ「たすけあいの輪」を、さらに広げていきたいです。

改めて、大学生協の共済にこめられている想いと、地域生協の組合員である親御さんの想いは同じです。共通の想いをもって、お互いに一緒にできることを考え、行動していきましょう。そのためにも、まずはお互いのことを知るところから始めたい。その先に、大学生協と地域生協の連携があると思います。

また、この地域生協世の連携が、学生が地域で活躍する機会も増えると感じています。子ども食堂や平和の交流企画など、地域生協は学生の力を借りたい。学生も将来のためにも地域社会で活躍したい。そのニーズをお互いにマッチする機会にもなると考えています。さらに、若者世代の加入が課題の地域生協の加入にも確実につながります。期待しています。

以上で発表を終わります。ご清聴頂きありがとうございました!

一覧へ戻る