国際活動

「高等教育における学生支援・サービスを考える国際セミナー2011」開催

11月4日、大学生協杉並会館にて、ドイツ学生支援協会(略称 DSW)の訪問団8名を迎え、「高等教育における学生支援・サービスを考える国際セミナー2011」(全国大学生協連主催)が開催されました。セミナーには、文部科学省・独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)の後援も頂き、当日は大学関係者・大学生協関係者・学生支援団体・新聞社など81名の参加がありました。


ドイツ学生支援協会事務総長
ヨーロッパ学生業務協議会副会長
アヒム・マイヤー アウフ デル ハイデ氏

ドイツ学生支援協会

(Deutsches Studentenwerk、DSW)
German National Association for Student Affairs

会員である地方の学生支援協会を支援する全国組織として、1919年に発足。学生の社会的経済的利益を代表し守ることを目的に、主な業務として、学生食堂約700、18万人の学生宿舎、カウンセリング、障害のある学生のためのカウンセリング、子どものいる学生のための施設(子どものデイケアセンター)、健康サービス・学生保険、留学生のサポート、文化活動などを推進。地域単位の学生支援協会(非営利組織、数大学に一つの組織)は58に及ぶ。

全国大学生協連とのつながり


文部科学省高等教育局学生・留学生課 森山睦課長補佐よりご報告を頂きました

DSWは、ドイツ国内に58ある地域単位の学生支援協会を会員に構成され、国内で学生福利サービスを担当しています。全国大学生協連との交流は10年以上にわたり、2010年7月には、全国大学生協連とDSW間で学生支援をさらに発展させることを相互に確認し、交流協定が締結されました。今回2回目となる国際セミナーも、この協定に基づく企画の一つです。

有意義な講演内容

セミナーでは、全国大学生協連の庄司興吉会長理事が「日本型学生支援の特徴」と題して、協同組合の形をとる日本の学生支援の歴史的背景と今日的意義について話されました。

次いで、文部科学省高等教育局学生・留学生課の森山睦課長補佐より、日本において学生が安心して学べる環境の実現に向けた学生支援や学生指導についての講演を頂きました。全国大学生協連の福島裕記専務理事らは、大学生を取り巻く状況と大学生協による学生支援のとりくみに関しての報告がありました。

DSWからは、アヒム・マイヤー アウフ デル ハイデ氏より「ドイツにおける学生支援の現状」と題して、ドイツ及びヨーロッパの学生支援活動の現状と、ヨーロッパにおけるボローニャ改革が順調に進行中であるとの報告がなされました。

参加者からは、ドイツの学生支援内容に関して日本の現状と比較してさまざまな質問が出され、活発な意見が交わされました。

最後に、全国大学生協連の古田元夫副会長理事より、ヨーロッパと日本の高等教育における学生支援の型は異なるが、深いところで共通の課題に立ち向かっており、国際的にも国内においても幅広いネットワークを形成することが重要であるとのまとめがありました。

日 時…
2011年11月4日(金) 14時30分〜19時30分
会 場…
大学生協杉並会館 大会議室
第1部…
14:30〜17:45
基調講演…
「日本型学生支援の特徴」
全国大学生協連会長理事 庄司 興吉
講 演…
「日本における学生支援について」
文部科学省高等教育局 学生・留学生課課長補佐 森山 睦氏
報 告…
「大学生を取り巻く状況と大学生協による学生支援の取り組み」
全国大学生協連 専務理事 福島裕記
講 演…
ドイツにおける学生支援の現状」
ドイツ学生支援協会事務総長
ヨーロッパ学生業務協議会(ECStA)副会長
アヒム・マイヤー アウフ デル ハイデ氏(Mr.Achim Meyer auf der Heyde)
第2部…
18:00〜19:30 歓迎交流会

『Campus Life vol.29』(2011年12月号)より転載