国際活動

ボローニャ会議

(ドイツ・ベルリン、2011年7月11~13日)

高等教育改革が進むヨーロッパにおける学生支援の課題

2011年7月11~13日、ドイツ・ベルリンでボローニャ会議が開催されました。ヨーロッパではEU27カ国を上回る46カ国が、ボローニャ・プロセスという高等教育圏の改革を進めています。この改革は、域内で取得した学位を他国でも承認することによって学生の流動性を高めること、労働市場でも統一した資格とみなして雇用の可能性を高めることを目的としています。
今回の会議の主催団体の一つであるドイツ学生支援協会(DSW)は、大学生協連と交流があり、学生支援を主体的にすすめる組織同士の連携を強めてきました。このような経緯で、今回、大学生協連の役員がボローニャ会議に参加しました

会議では1999年にボローニャ・プロセスが始まってからの変化、各国の取り組み、国際社会からみたボローニャ・プロセスなどが討議されました。
今回のキーワードは「社会的次元」でした。多様な社会的・文化的背景がある、子供がいる、障害・病気を抱えているなど、さまざまな学生がいます。また親の学歴や経済状況にも違いがあります。これら社会的次元の状況の中で、機会平等を実現するために、高等教育へのアクセスの平等性、在学中の経済的支援、学業の成功などが課題としてあげられました。さまざまな学生の状況に対応できる支援の拡充が求められました。
また、持続可能な発展社会を形成する拠点としての高等教育の重要性と、その構成員である学生のサポートの重要性も指摘されました。

大学生協連を代表して庄司会長より学生支援の生協型モデルとして、日本の大学生協の特徴が報告されました。自発的な組織、組合員への利益還元、大学生協間の連携・協力など、21世紀にふさわしい自立的で創造的なモデルとして生協型に関心が寄せられました。会場から、留学生に関するサービス、大学との関係、組合員の資格、大学生協の社会的役割や教育的役割に関して多くの質問がありました。

会議後、DSWの地方組織であるミュンヘン学生支援協会本部、学生寮などを訪問しました。学業を続けるためにメンタルのサポートを非常に重視しており、カウンセリングが非常に充実していたことは特徴的でした。

DSWとは今後も毎年交流を続け、学生支援という共通した問題意識のもとで学びあいを行っていく予定です。


ヨーロッパを含め世界各国からの参加者


活発な討論が行われました


日本の大学生協の特徴を報告する庄司会長


開催地ベルリンの象徴 ブランデンブルク門