国際活動

最後の世代であることを自覚するために
知り・考え・語り合う Peace Now! Hiroshima

中国・四国ブロック

今年度のPeace Now! 2014の3地域共通テーマは、『知り、考え、行動する夏~70年目へつなげる平和への想い~』。ヒロシマは、8月4日から7日の3泊4日のプログラムで開催しました。

1日目(8月4日) アイスブレイクと インプット  

碑巡り。平和の鐘について実行委員(中央のポロシャツの女性)が説明をしています。

午後から開会したPeace Now! Hiroshima(以下、PN!H)。全国各地から51人の学生がヒロシマに集まりました。PN!H最初のプログラムはアイスブレイクです。これから共に平和について語り合う仲間と自己紹介をしました。次に、平和記念資料館見学・碑巡りを行いました。今まで知らなかった過去、原爆が投下された場所ヒロシマのことやその場所が世界に発信する平和への想いに触れました。参加者それぞれが何かを感じ、インプットし自分の中で考えることが多かった1日目となりました。

2日目(8月5日) 伝えることの大切さを 実感した  

テーマ別フィールドワーク。家族の消息を知るために小学校の壁に書かれた伝言板について学んでいます。

PN!Hならではの企画となるテーマ別フィールドワークを行いました。各班、テーマごとに広島市内にある平和にまつわる場所を巡りました。爆心地から最も近い小学校で当時の様子を想像する班。平和記念聖堂で日本と世界の繋がりを感じる班。被爆アオギリを見ることで「『75年草木が生えない』と言われたヒロシマ」の復興への強い想いを感じた班。それぞれ、自分の興味のあるテーマからのヒロシマを学び、感じました。また、日本生協連が主催している「ピースアクション inヒロシマ」というイベントにも参加し、私たち大学生だけでなく、小学生からお年寄り、各都道府県、市町村が平和に関する活動を行っていることを知りました。  その後は、被爆者の方をお招きし原爆投下時の様子についてお話していただきました。このお話を聞くまで私たちは、原爆投下時の外から見たヒロシマしか知りませんでした。キノコ雲の下の状況は大変悲惨なもので、被爆者の方は思い出したくもない過去を詳細に私たちに伝えてくれました。また、被爆してから現在までの苦労。被爆者差別についてのお話も聞くことができました。参加者をはじめ、その場にいたすべての人が当時の話を真剣に聞き、「私たちは、このような過去を忘れてはいけない。次の世代へ伝えなければならない」と“被爆者から直接話が聞ける最後の世代”ということを実感しはじめた時間になりました。

3日目(8月6日) 語り合うことの 重要性を実感  

日本生協連の「ピースアクション in ヒロシマ」に参加。各地の生協が取り組む平和活動にを知りました。

朝早くから、平和記念公園へ向かい平和記念式典に参列しました。1945年8月6日8時15分にヒロシマに原爆が投下されました。今年の8月6日は雨でした。戦後69年間の中で8月6日に雨が降ったのは43年ぶり。69年前のこの日も雨だったら、原爆は投下されていなかったかもしれない…。ふと式典に参列しながらそのようなことを考えました。式典後に行うピースインタビュー。2人1組となり平和への想いを持った、国籍、年齢、性別も違う人たちに『平和とは何か?』をはじめさまざまなことをインタビューし、たくさんの平和観を知る場となりました。  3日目の午後は、これまで学び、感じてきたことを元にアウトプットをしていきました。集団的自衛権や3地域合同企画であるNPT再検討会議について学び、ディスカッションをしました。それぞれがこれまでの経験を元に自分の平和観を発信し、相手の平和観を受け取りまた考える。この時間を通してより語り合うことの重要性を実感しました。

4日目(8月7日) 決意表明  

決意表明。各自4日間を通して学んだことを整理し、次へのアクションを共有しました。

PN!H最終日となりました。ここまで学んできたことを踏まえ決意表明をする時となりました。まず、各班で回ってきたフィールドワークについて小人数のグループで共有しました。次に、決意表明に向け、これまで学んだこと、感じたことをマインドマップを使って整理し、自分の決意表明をしました。この4日間のことがこの決意表明用紙の中に詰まっており、しっかりと持ち帰れるものとなりました。

自分自身の平和を 深め行動してほしい

このPN!Hから参加者自身が、それぞれの「平和とは何か」を見つけ、そのために「自分は何をしていかなければならないのか」を見つけることができたという感想が多く、次へのアクションを考えられるものとなったことを嬉しく思いました。  今回、企画側としてPN!Hを進めてきて一番伝えたかったことは、「過去を知ること、フィールドの違う多くの人と語ることで、最後の世代だということを自覚し、自分自身の平和を深め行動してほしい」ということでした。この4日間でできるだけこのことを伝えられるように、インプットだけにならないような企画を作ってきました。一人ひとりがしっかりと学び、アウトプットできる環境をつくることができ、実行委員自身満足のできる PN!Hになりました。

(Peace Now! Hiroshima 2014 企画局長 山田美里)

3地域合同企画であるNPT再検討会議についてのグループワーク。活発な議論が繰り広げられました。

原爆ドーム

ざ★ポイント POINT

  • 参加後のアクションにつながる企画内容
  • インプットだけでなくアウトプットも大切
  • マインドマップで学びを整理、そして決意表明