毎日がワクワク!自分たちでつくった生協だから。生協の活動が大好きだから。 山口県立大学生協学生委員会 防災、減災を 日常生活で実践する~誰もが幸せに暮らせる社会を目指して~

生協を一から立ち上げた先輩と、生協も食堂も出来上がった状況で入学してきた後輩。立場も経験も違いますが、頼られる先輩・学びに積極的な後輩として、お互いを尊重し合いながら和気あいあいと活動に励む学生たちがいます。
「学生委員会インタビュー」第二弾は、2021年に設立された山口県立大学生協学生委員会の皆さんにインタビューし、メンバー同士の仲の良さの秘訣や生協への想いなどをお聞きしました。

参加者

山口県立大学生協学生委員会

社会福祉学部
社会福祉学科3年
リーダー

堀田 愛香音あかねさん

看護栄養学部
栄養学科1年

藤本 沙矢香さやかさん

看護栄養学部
栄養学科1年

上田 穂香ほのかさん

聞き手

 

全国大学生協連
学生委員長

高橋 明日香

全国大学生協連
全国学生委員会

梅田 叶夢 とむ

全国大学生協連
全国学生委員会

戸張 桜

CONTENTS

1.自己紹介とインタビュー趣旨

3.セミナーに参加して得たこと

(以下、敬称を省略させていただきます)

山口県立大学生協の誕生

山口県立大学は国際文化学部・社会福祉学部・看護栄養学部を擁し、学生数約1400人、うち女子学生が9割弱と女子比率の高い大学です。2020年に全学部が郊外に移転し、大学周辺に食堂や商店がない環境に置かれました。そこで学生や教職員のために継続的な福利厚生を図ろうと生協準備委員会が発足、2020年度から生協設立の準備を始め、2021年11月16日の創立総会で生協設立が承認され、翌22年4月1日にオープンました。

ショップ

山口県立大学

食堂(カフェテリア形式/席数380席)

生協が入っている新厚生棟のオープニングセレモニー(2022.4.1)

自己紹介とインタビュー趣旨

自己紹介

全国学生委員会では、昨年まで実施していた「学生委員長インタビュー」の幅を広げ、2023年度からは委員長だけでなく、学生委員会で頑張っている方々全員を対象としたインタビューを行って全国の仲間に“元気”を発信していきたいと考えています。
山口県立大生協(県立大生協)さんは、自生協の活動はもちろん、セミナーなど連帯の企画にも積極的に参加していただいており、今日はそうしたお話もお聞きしたいと思っています。
私は全国大学生協連学生委員会で学生委員長をしています高橋明日香です。兵庫県立大学生協で学生委員会の活動をしていました。卒業して2年、今年24歳です。よろしくお願いします。

全国大学生協連東京ブロックで学生事務局副学生委員長を務めております戸張桜と申します。跡見学園女子大学生協で学生委員として活動しておりました。今日はよろしくお願いします。

同じく全国大学生協連学生委員会の梅田叶夢と申します。岡山大学生協で学生委員会の活動をしておりました。本日はよろしくお願いします。

社会福祉学科3年の堀田愛香音です。山口県立大生協の設立のときからメンバーとして生協に携わり、今年で3年目になります。現在、学生委員会のリーダーを務めております。本日はよろしくお願いいたします。

栄養学科1年の上田穂香です。学生委員会には入ったばかりですが、今後行われるセミナーには結構参加する予定なので、少しでも県立大生協のためになるようなことができればと頑張ります。

同じく栄養学科1年の藤本沙矢香です。私もまだ入ったばかりで分からないこともたくさんありますが、先輩方から県立大生協のことをしっかりと聞いて、ほかの大学の方々にも県立大生協の活動をしっかりと伝えられるようになりたいなと思っています。

すごい! 自己紹介の段階で、もう元気とやる気が既に伝わってくるのを感じます(笑)。

学生委員になったきっかけ

皆さんが学生委員になったきっかけを教えてください。

大学1年生の時に、ある授業に4年生の先輩方がいらっしゃって、「この大学に食堂を作りたい」というお話をされました。その熱い想いにひかれて一緒に活動したいなと思い、学生委員になりました。

私は大学合格後のクリスマスに、合格者説明会に参加したのですが、県外出身者が多く、私も一人で参加だったのですごく不安でした。その時に生協の方々が一つひとつ丁寧に説明してくれて不安を解消してくださったので、私もそういう先輩方のようになりたいなと憧れて学生委員会に入りました。

入学式前、友達ができるか不安だった中で新入生歓迎会を開催していただきました。そこで友達をたくさん作ることができて、今もそのときに出会った子と一緒に行動しています。新しく入ってくる新入生に私も同じことをしてあげたいなと思っています。

堀田さん、今、1年生から憧れとか不安を解消してくれたという話と聞くと、すごく嬉しいですよね。

はい。こんな話が聞けてとても嬉しいです(笑)。

堀田さんが入学した時は、大学生協や学生委員会がなかったのですよね。そこから生協を設立して後輩もできてきたのですが、1年生のときに感じていたことと、今生協ができて感じることとの変化はありますか。

私が1年生の時は生協も食堂もなくて、しかもコロナ禍という状況でした。今、上田さんや藤本さんは食堂や生協があるのが当たり前の世代で、それがすごく不思議な感じがします。あって当たり前で、それプラスどんな活動しようかといつも考えているのが新しい時代なのだな、と思っています。

多分この記事の読者のほとんどが、生協があるのが当たり前の世代になると思うので、堀田さんのそうした想いも引き出しつつ、1年生2人には生協があってよかったな、と思うお話もお聞きしていきたいと思います。

自生協活動を振り返って

山口県立大生協の取り組み

山口県立大生協学生委員会では、どのような取り組みをしているのでしょうか。

新入生歓迎会、パソコンセットアップ、ミールカード食堂利用の推進……。有難いことに今、多くの組合員が食堂を使ってくださって、ピーク時には外まで長い行列ができています。混雑緩和のために「この時間は食事の時間なので、勉強は控えてください」と呼び掛けたりして、みんなが快適に使える食堂づくりをしようと頑張っています。私たちだけではなく、大学と一緒に取り組んでいるところは大きいかなと思います。

ショップ

ショップ

食堂(カフェテリア形式/席数380席)

食堂(カフェテリア形式/席数380席)

また、ショップはすごく小さいのですが、学生が好みのスイーツを食べられるよう大きいアイスボックスが設置してあります。あとはフェアの取り組みが多彩で、例えば「テスト勉強頑張ろう」フェアで、勉強に役立つ棚を作ってポップで宣伝したり、今年初めて帰省ラッシュに合わせて山口県の銘菓『鶏卵せんべい』を置いて、「お土産にどうぞ」というキャンペーンをしたりしています。

組合員の現状に合った取り組みですね。取り組みを考えるときには、いろいろ聞き取ったり分析したりするのですか。

生協や食堂を作った時の熱量はすごかったんですけど、今それこそ新しい1、2年生が食堂とかがあるのが当たり前の中で「何をする?」となった時には、「とりあえずみんなセミナーに参加していろいろ吸収しておいで」と言って送り出しています。セミナーに参加するたびに「こんなことしたいです」って、みんながどんどんいろいろな案を出してくれているので、叶えられるものから一つずつ考えています。

やりがいを感じる瞬間

いろいろな活動をしている中で、「学生委員会やっててよかった」「こういう活動ができているから今楽しい」など、今までの活動での楽しかったエピソードを聞かせてください。
設立して2年ほど経ちましたが、3年生の堀田さんは先輩から受け継いだものとか今新しく頑張っていることとかも含めてお話しください。

食堂がなくてコロナ禍というすごく孤独な時に感じていたのは、寂しさとか、自分一人で何でもやらなきゃいけないというプレッシャーでした。それが、今は食堂に行けば誰かと会えて一緒に御飯が食べられて、いろいろなことを話せるという環境で幸せですね。
また、何かあった時に生協を頼ってもらえること。「これって生協でできる?」って友達に聞かれたり、「それはショップに置いてあるよ」「今度こういう取り組みしてみるね」って言えたり。誰かの日常生活の中で何か力になれる、学生生活の支えになることができているなと感じられるので、それがすごく嬉しいです。

1年生の2人は、今まで参加したものでも見たものでもいいので、何かあったらお願いします。

私はまだ入ってすぐであまり何もできていませんが、先日中四ブロックのオンラインセミナーに初めて参加しました。何も分からず参加しちゃったのですが、他大学の学生委員の方や職員の方と話してみて、「これ、山口県立大でもできるんじゃないかな」、「新入生歓迎会などの時に紹介できるんじゃないかな」と思ったことがいっぱいあったので、セミナーに参加するのがすごく楽しいなと思えました。今後もたくさん参加したいと思っています。

私もセミナーの話になりますが、他大学でやっている取り組みとか事例をたくさん教えてもらって、それを県立大でもっとこうしたいと考えるのがすごく楽しいなと感じています。また、生協の組合員はそれぞれの学部や学科から集まっているので、先輩の話もたくさん聞け、生協だけでなく県立大のことをもっと知ることができるのがいいところかなと思います。

いろいろなセミナーでの経験がモチベーションになっているのですね。職員の方ともフランクに関われているのも大きいと思いました。

セミナーに参加して得たこと

気付きと学び

僕は昨年中四ブロックで学生事務局の活動をしていましたが、堀田さんが2月の組合活動研修セミナーに参加してくれました。1年生の上田さんと藤本さんも積極的にセミナーに参加しているという話を聞けてとても良かったと思っています。セミナーに参加して、他大学生協の学生や職員の方と関わったことで学んだエピソードがあれば教えてください。

初めて参加したのはUCF(2021年全国大学生協フェスティバル)です。その時は何も分からなかったけれど、楽しかったですね。「あ、こんな取り組みができるんだ」と知ったし、「私たちもこれやってみたいなあ」って思ったし。私たちはそのとき生協準備委員会だったのですが、皆さん、学生委員として各大学でバリバリ、いろんな活動をしていて、なんか憧れましたね。そこで私もやってみたいという思いが強くなりました。

1年生の上田さんと藤本さんは、セミナーでは何が一番楽しかったですか。

自分だったら考えないようなことを考えている方がいて、すごいなあと思いました。

私もまだ始めたばかりで結構分からないことが多かったのですが、「ほかの大学がこんな取り組みをしているよ」とか「こうやったらいいんじゃない」とか、アドバイスをたくさんもらって、それで自分もみんなの力になれるんだと思って、モチベーションが上がりました。

1年生の2人もいろいろな活動を経験したからこそ先輩たちへの憧れが強いと思いますが、これからはいずれ君たちが引っ張って行く番になるので、ぜひセミナーとか連帯の力を生かしながら、もっともっと山口県立大学を良くしていってほしいと思います。

私は今日、3人に元気をたくさんもらいました。3人がこんなにも仲良く楽しげに活動について語っているということは、ここにいない学生委員会のメンバーもワクワクしながら楽しんで活動しているんじゃないかなと思って聞いていました。

今後取り組みたいこと

学生委員会としてチャレンジしてみたいことをお聞きしたいと思います。

今「食」の部分は改善されていると思うのですが、私はみんなが安全に大学に通ってほしいなあという思いが強くあります。そんな「暮らし」の部分ですごく気になるのが交通安全です。女子が多い大学なのですが、自転車点検などをしたことがなくて。他大学の皆さんの話を聞いて、そういう安心安全なところまで生協でカバーして、さらに頼ってもらえる仕組みづくりをしてみたいなと思うので、食の次は健康安全分野に力を入れてみたいなと思っています。

また、ほかの大学では生協で保険を提供しているところが結構多いようなのですが、県大生協ではまだやっていません。それを県大がやったらいいんじゃないかという意見がちょっと出たことがあります。

そうですね。食事だけではなく、大学生活のほかの部分にも目を向けるということも大事ですし、女子が多いという大学の特徴から取り組みを考えるというのはとてもいい視点だと思います。

私はmaruco(マルコ)※についてもっと知ってもらいたいなあと思っています。定例会でも提言したのですが、せっかくmarucoというサイトがあるのに、使い方を知らないから使えないという人がいます。marucoは食べたもののカロリーなどのデータを自分自身も自分の家族も閲覧することができるので、それを新入生歓迎会の時とかにもうちょっと分かりやすく伝えられたらいいのかな、と思います。

marucoは、⼤学⽣協からの最新のお知らせを受け取ることのできる⼤学⽣と保護者のための総合窓⼝。ショップの営業時間やイベント・ミールプランやメニューのお知らせ、オンラインショップや各種講座の申し込みなどをすることができます。

なるほど。今あるものをもっとよくみんなに使ってもらって、いい生活をしてもらうのは大事ですね。

私は生協に入るきっかけになった新入生歓迎会に取り組みたいなと思っています。大学って高校みたいに同じ地元から一気に友達が一緒に入るわけではないので、知り合いがいなくて一人の子とか不安な子もいっぱいいると思います。新入生歓迎会で少しでもみんな友達ができたらなと思うので、そういう取り組みをしたいなと思っています。

素晴らしい! 3人の話を聞いていると、県立大学生協がある山口県立大学にぜひ入学したいなあと思っちゃうくらいです(笑)。

全国の仲間とつながりたい

和気あいあいとした雰囲気の秘訣

学生委員会の中で仲良く一緒に活動できている理由と、職員さんとも協力しながら頑張れているのはなぜでしょうか。なにか秘訣がありますか。

学生委員同士で集まって話をするときには、生協のことだけでなく、学科ごとに先輩にテストのことなどを聞いたりしているので、結構上下関係なく話しやすい環境が作れているのかなと私は思っています。

私はみんなにそうなってほしかったので、普段から生協の活動以外でも会った時に声を掛けてよく話すようにしています。私がそうするようになったのは、職員の徳永店長が最初にお会いしたときから結構コミュニケーションをとってくださったのと、あと「生協をつくりたい」と言っていた最初の4年生の先輩2人もいつも声をかけてくれて、「一緒に頑張ろうね」って言ってくれていたので、私もそれを受け継いで生協学生委員会づくりを心がけています。

愛香音さんも言ったように、先輩たちが生協の活動以外でもすれ違ったら手を振ってくれて、すごく優しく接してくださるので、ちょっと疑問に思ったり、これしたらいいんじゃないかと思ったこともすごく伝えやすく、とても楽しく活動ができています。

先日、中四ブロックのセミナーで先輩方が県立大学のことを説明されたとき、ほかの大学の方に「山口県立大学はすごく雰囲気がいいね」って言ってもらえて。そうやってほかの大学の方から褒められると余計にうれしくなります。もっと自分のやりたいことを言ってもいいし、先輩方ともっと関わっていいんだなと思えるという感じです。

本当に今日この時間だけでも仲の良い秘訣が伝わってきますね。学生委員会が一つのコミュニティーとして輪が広がっているのは、とても素敵なことだなと感じておりました。

全国の仲間へのメッセージ

全国にはまだまだ組織作りに悩んでいる学生委員、活動の意味が分からなくなった学生委員がいて、学生委員会の現状はそれぞれです。そんな全国の仲間に、皆さんから元気を届けるメッセージをお願いします。

県立大学はみんなが和気あいあいとやっています。ほかの会員さん達とも仲良く楽しく生協活動に取り組んでいけたらと思います。

ほかの大学の人とも仲良く楽しくやっていくと、学び合いもスムーズにできると思います。一緒に中四のセミナー、もちろん全国のセミナーにもみんなで参加してもらって、元気をもらい合えたらいいなと思います。

私は生協に入った時から愛香音さんみたいなリーダーになりたいなと思っていました。夏休みには名古屋で行われる全国共済セミナーとか、広島や岡山で行われるセミナーに行くので、そこで県立大の良さを伝えると同時に、自分たちの大学をもっと向上させられることを吸収して帰りたいので、いろいろな大学の方といっぱい意見交換できるようにしようと思います。

名古屋では私達も運営側にいるので、ぜひその時もお話しできたらなと思います。

私は大学生活で生協に出会って、今すごく充実しています。ゼロから作り上げることはすごく難しかったのですが、今とても生協の活動が楽しいですし、生協があってよかったと思います。この感動をもっともっと全国の皆さんとも共有したいですし、またいろいろなことを教えていただいて、まだできたてほやほやの県大生協の活動をちょっと手伝ってくださったら嬉しいなと思います。

全国の皆さんにこの記事をお届けして、そういう意見交換がより活発になればいいなと思います。最後に、皆さん今「学びます」と言われましたが、私たちも山口県立大学生協の皆さんから学ぶことは、本当に多いなあと思っております。

このインタビューもどこに依頼しようかといろいろ考えたのですが、「山口県立大はもう絶対元気一番だから、しなきゃいけないね」「絶対したいね」いう話をメンバーでしていました。今日お会いした皆さんは、憧れを抱いていた存在から憧れられる存在になってくれると思いますし、それは本当に素敵なことだと思っています。これからも活動をたくさん頑張って、元気よく後輩を牽引してもらえたらいいなと感じております。今日はお忙しい中お時間をとっていただきありがとうございました。

堀田・上田・藤本:ありがとうございました!

2023年7月24日リモートインタビューにて

CONTENTS

1.自己紹介とインタビュー趣旨

3.セミナーに参加して得たこと