学生委員会は無限の可能性を秘めたサークル ~一つひとつの企画で絆を培った私たち~ 津田塾大学生協学生委員会

「誰に何を任せても大丈夫」。津田塾大学生協今年度学生委員長は自信をもって言い切り、後を継ぐ次期正副委員長は先輩の教えを胸に、これからの活動に目を輝かせます。少人数の集まりだからこそ役割分担をしっかりと決めてコミュニケーションをとり合う——基本的なことですが、つながりを大切に 思いやりを持って活動に臨めば、仲間との絆が深まり、組合員のニーズにも気付くことができます。
今回インタビューした津田塾大学生協学生委員の言葉に、全国学生委員会のメンバーも初心を思い起こし、組織の在り方に思いを馳せ、今一度熱い想いを共有しました。

参加者

津田塾大学生協学生委員会

英語英文学科3年生
今年度委員長

須田 朋愛ともえさん

英語英文学科2年生
次期委員長

三島 優花ゆうかさん

英語英文学科2年生
次期副委員長

長岡 花帆かほさん

聞き手

 

全国大学生協連
学生委員長
司会・進行

高橋 明日香

全国大学生協連
全国学生委員会

梅田 叶夢 とむ

全国大学生協連
全国学生委員会

戸張 桜

(以下、敬称を省略させていただきます)

自己紹介とインタビュー趣旨

私たちは全国の学生委員会が元気になることを願って、全国の学生委員長や副委員長の皆さんに学生委員会で頑張っていることややりがいを伺う「学生委員長インタビュー」を実施していました。2023年度からは、「全国の仲間により元気になってもらいたい!」をテーマに、委員長だけでなく広く学生委員会全体にインタビューを行い、その活動を全国の多くの学生委員にご紹介したいと思い、「学生委員会インタビュー」を企画しました。本日は、自大学生協での活動はもちろん、セミナーなどの連帯企画にも積極的に参加し、生き生きと活動しておられる津田塾大学生協学生委員会の皆さんにお話を伺いたいと思います。

私は全国大学生協連学生委員会で学生委員長を務めております高橋明日香です。全国学生委員会で組合員活動研修(組研)セミナーや大学生協全国共済セミナーなどさまざまなセミナーを運営しているメンバーの1人ですが、元々は兵庫県立大学で皆さんと同様に学生委員会活動をしていました。よろしくお願いいたします。

全国大学生協連学生委員会、そして東京ブロック学生事務局で副学生委員長を務めております戸張 桜です。跡見学園女子大学生協学生委員会で学生委員として活動していました。同じ女子大出身者として、今日はたくさんインタビューできたらと思っております。よろしくお願いします。

同じく全国大学生協連学生委員会で活動しております梅田叶夢と申します。岡山大学で学生委員会として活動をしていました。今日は一日よろしくお願いいたします。

津田塾大学生協3年生で今年度学生委員長の須田朋愛と申します。よろしくお願いします。

津田塾大学生協学生委員会2年生の三島優花と申します。次期委員長をさせていただきます。よろしくお願いします。

同じく津田塾大学生協学生委員会2年生の長岡花帆です。次年度から副委員長を務めます。よろしくお願いします。

自生協活動を振り返って

津田塾大学生協の取り組み

津田塾大学生協の学生委員会ではどのような取り組みをしていますか。

全国の学生委員会では皆さんいろいろな取り組みをしていらっしゃると思いますが、私たちは主に週に1度部会に集まります。一番大きなイベントは、新入生歓迎会であるウェルカムパーティーです。ほかには去年と今年行ったメンタルヘルスケア講演会や、新入生向けに入学準備説明会の運営など、何が津田塾大生に求められているのかを考えながら企画作りやイベント作りをしています。

メンタルヘルスについては、組研や今年の全国共済セミナーでも本当にいろいろな活動を皆さんに広げることができました。セミナー後のアンケートからはさまざまな学びになったという声をたくさんいただき、素敵な活動を日々されており、それを全国に伝えられているのも素晴らしいと思いました。

やりがいを感じる瞬間

今までの活動で、楽しかった活動は何ですか?

私がやってきた中で一番楽しかったのはウェルカムパーティーです。やはり1年生と初めて会う機会でもあり、結構たくさん参加者が集まるのですね。何カ月も前から準備するのですごく大変ですが、参加者が楽しんでくれている笑顔を見たり、参加後のアンケートを見ると、やっぱり今年もやってよかったと毎回思います。本当に忙しいのですが、やりがいがある企画という点でウェルカムパーティーが一番楽しかったと個人的には思っています。

私がやりがいを感じるのは、メンタルヘルスケア講演会です。自分が1年生のときに初めて企画の責任者になり、立案して始まった企画でした。最初大人の方とメールのやりとりをして緊張しましたが、それも学びにつながったし、その講演者の方のお話もすごくためになり内容が濃いものだったので、企画を立ち上げて本当に良かったなと思いました。

メンタルヘルスケア講習会は、私も組研セミナーで深掘らせていただきました。学生も職員も関係なく心身の健康について考える、とても良い企画だと私自身も思っております。

去年運動会企画というのを行ったのですが、それが個人的にもすごく楽しかったという思い出があります。私が運動好きだというのもありましたし、競争要素でなく「組合員同士で一緒に楽しく運動しようよ」というコンセプトでやったので、そこが組合員の方達と楽しめた理由だったと思います。私がこの運動会企画の運営に携わっていたので、特に思い入れもあったと思っています。

運動会企画というのは、私は現役の時はしたことがありませんでしたが、組合員と一緒に活動できるというところも学生委員会の醍醐味ですね。

組合員目線で、自分の体験も踏まえて

企画を考えていく上で、または実際に運営していくにあたって、工夫している点や何か意識していることがあれば教えてください。

私が企画する上で一番大事にしていることは、やはり組合員目線で企画を考えることです。学生委員だけで考えるとどうしても学生委員会側の目線になりがちだと思うので、一回立ち止まって組合員やほかの学生はどう思っているかなと考えたり、普段の会話などで「こういうことやりたいな」というような声から案を取ったりするようにしています。

組合員目線って大事なことなんですが、なかなか意識して活動するのは難しいですね。それをしっかりと意識しながら活動できている津田塾大学さんは改めてすごいと思います。

私も組合員目線を中心に考えていますが、組合員の中では学生が基本的に多いと思うので、特に学生目線で学生のニーズに応えられるような企画を練っていこうと頑張っています。普段友人と会話している中で、例えばメンタルヘルスケア講演会では今年は食事やお肌の健康についても扱ったのですが、「食生活乱れているんだよね」、「野菜、どうやってとったらいいかわからないんだよね」という会話の中からニーズを見つけ出して、それに応えようとする姿勢を大切にしています。

学生委員として活動していると、やはり学生委員会活動として考えがちになりますよね。私もそれを課題として考えていたことがあったので、長岡さんや三島さんが友人やいろいろなつながりの中からさまざまな組合員の声を聞いて新しい企画を考えたり、もっとブラッシュアップしていったりしようと考えられるのは、素晴らしいと思います。

またウェルカムパーティーの話になってしまいますが、私が一番気をつけていることは、新入生相手に行う企画なので、自分が新入生だった時に何に困っていたのかというのを考えて、ほかの学生委員と綿密に話し合うようにしていました。というのも、私が1年生の時はオンライン主体だったので、つながりが少なくてすごく寂しい思いをしたんですよね。
その次の年からはちゃんと対面でできるようになったのですが、自分の体験を踏まえて、コロナの感染対策もしつつ、どうやったら友達をつくりやすくなるかと考えました。また、私は1年生の時、履修を組むのが大変だったので、履修の組み方とか、お勧めの授業の取り方の知識があったら1年生はうれしいだろうなと学生委員会内で何回も議論を重ねました。

実際に大学で2年、3年と過ごしている先輩として、自分が新入生のときに不安に感じたことを企画に反映させたのですね。

少人数だからこそ築かれる絆

今後取り組みたいこと

学生委員会としてこれからチャレンジしてみたいことは何ですか。

私が今後やってみたいと思っていることは、SDGsに焦点を当てた企画です。自分自身、SDGsを知っておいたほうがいいなと思う気持ちがあるのですが、やはり活動を通してより実感でき、考えていけるような企画になればと思います。

先ほどもメンタルヘルス講演会をやった時に、自分自身の学びにもなったという話をされましたね。活動する上で自分たちもパワーアップしていくような取り組みは、とても意義があると思います。

私が学生委員会としてチャレンジしてみたいことは2点あります。1つは学祭に生協として参加したいということです。生協のいろいろなセミナーに参加すると、学祭にブースで出店して共済の認知度を上げたという話を結構聞きました。やはり学祭などの方が人の目が留まりやすいし、いろいろな人が来てくださると思うので、そこで活動の認知度も上がるかなと思います。

大学のイベントを通じて大学生協の認知度アップを図るというのはとても良い機会だと思うので、共済やSDGsと絡めてできるといいなと思います。

あと一つは食堂企画です。食堂って一日の中でほとんどの学生が一度は使うと思うので、そこでメニューを考案して投票したりしていろいろ発展できそうだと思うので、ぜひやってみたいなと思います。

私もやりたいと思うのは食堂企画です。津田塾は食堂が学校の管轄下にあって生協の管轄下にないので、セミナーに行って、「食堂でこういうイベントができた」と発表されているのを聞いて、いいなぁとずっと思っていました。ただ、うちの大学でも最近ほかの環境系のサークルがヴィーガンメニューを食堂とコラボして出していたので、学生団体でも食堂企画ができるんだと分かって、もしかしたら三島さんや長岡さんの代からできるんじゃないかなという希望が見えた感じです。ですので、ぜひ食堂企画をやってほしいと思っています。

私の出身の跡見学園女子大学も食堂が生協の管轄ではなかったので、今のお話を聞いて取り組もうとする姿がいいなと思いました。これからも応援しています。

私も、前向きな姿勢にこの記事を読んだ人が元気になってくれるんじゃないかなと思いました。

津田塾大生協の魅力は?

学生委員会の仲間同士のつながりで大切にしていること、津田塾大の素晴らしいところを紹介してください。

私たちの学生委員会は小規模で人数も少なく、今9名で運営しています。でも少人数だからこそ、一人ひとりの学生委員の意見が聞けるし、その全員の意見を取り入れて、いろいろな企画を練っていきます。
また、年度初めに1年生だけで企画を立ち上げてもらうのですが、それを通して1年生が生協学生委員会をみんなで考えていく機会となっています。
これは須田委員長のお陰だなと思いますが、学生委員全員の意見を取り入れることで絆が深まっているので、そこがうちの魅力だなと思っています。

やっぱり少人数だからこそ、部会にはほぼ全員出席してくれるので、部会というよりはおしゃべりタイムみたいな感じです。「今度こういう企画やるんだけど、どう?」「こういうのやったらいいんじゃないですか?」みたいにゆるい感じでやっていますが、学年の隔たりを感じません。セミナーに行く途中、新幹線の中でも上下関係なくお話ししたりして、そういうところから学生委員会活動の外でのつながりも結構増えてきているなと感じています。

連帯の合間というか、そういう挟間にお話することで絆も深まりますね。後輩がこんなふうに言ってくれるのは、多分先輩たちが頑張ってきたからでもあるのだと思います。須田さん、お疲れ様でした。

ありがとうございます。私、先輩として何かできたのかな? みんなすごく優秀だから、私が「こういうことをやってたよ」って “1” 言ったら “1.5” くらいになって返ってきます。「こういうことをやったらいいんじゃないですか」と理解してくれたり、報告書が2倍になって返ってきたり。もう何倍も何10倍もすごいことをしてくれるので、後輩みんな優秀なんだなあと思っています。

あと少人数っていう話が出ましたが、だからこそ役割分担をしっかりしないと仕事が進みません。役割分担を毎回しっかりするようにしたお陰で、誰に何を任せてもほぼ大丈夫だなと感じるようになりました。ほかの先輩とも、「これだけ後輩が優秀なら、もう安心して卒業できるね」と言っています。本当にみんなが経験を積んできてくれてよかったなって思い、仲良く頑張っています。

経験というのは連帯に参加されてでしょうか、それとも学生委員がつながりあってみたいな感じですか。

連帯にたくさん参加してくれているというのももちろんありますし、1年生も結構教えあってやってくれているので有難い限りです。

温かい雰囲気があるからこそ自分たちの生活や友達の生活の実態を考えて、やるべきことを考えていけるのですね。学生委員会がみんなのことを考えられる組織だからこういう活動ができるのだなと改めて実感することができ、皆さんが頑張っているなぁと感動しました。

全国の仲間へのメッセージ

全国の学生委員会の皆さんにメッセージをお願いします。

学生委員会の活動ってうまくいくこともあれば、もちろん「あれ?」と立ち止まって考えることも多かったですし、皆さんも多いと思います。それでもやっぱりその大学の学生委員、組合員含め、いろいろな人とつながりながら頑張っていきましょう。

津田塾さんは大学の先生とも協力しながら活動しているので、少人数でもそうやってつながっていればいろいろな活動ができるんだと全国に知ってほしいと思います。

学生委員だけでできることは限られているので、つながりを大事にしてやっていくことが企画成功の秘訣なのだと思います。また、学生委員会内のつながりも重要で、連携を密にとるとか、役割分担をしっかり把握して進捗状況などの連絡をとり合うだけでも仲が深まっていくと思います。思いやりを持って臨めば学生のニーズにも気付けるし、学生委員会の中でもうまくやっていけるんじゃないかなと思います。

お二人はこれから委員長、副委員長になりますが、自分たちも楽しんで頑張っていってもらいたいなと思います。最後に須田さん、お願いします。

学生委員会っていろんなことができる、無限の可能性のあるサークルだと思います。これはやらなくちゃいけないみたいなことはあると思いますが、それ以外は何かに縛られることなく、何でもできるサークルです。その無限の可能性を生かすためには、やはりチームワークが大事で、3年間このサークルにいて、学生委員同士のチームワークと絆の深さが一番大事です。信頼関係がないと、その可能性がつぶれてしまうこともありますが、逆に私たちは少人数でもたくさん頑張って努力して信頼関係を築いてきたからこそ、可能性を生かしていろいろなところに取り上げていただけるような素敵な企画がみんなのお陰でできたのだと思っております。全国の学生委員会の無限の可能性がこれからも広がりますように祈っております。

信頼関係をつくるって簡単なようで簡単じゃありません。仲間とたくさん話さないとつくれないし、それは学生同士も生協や大学の職員さんも多分一緒に企画をしてくれる全ての人とつながっていないとできないと思うので、皆さんの思いやりの心や絆も大事にして、これからも活動していってほしいなあと思います。全国の学生委員の仲間にその想いがこの記事を通して届けばいいな、絶対に届くなと、今日のインタビューを通して確信しました。今日は授業の合間の本当にお忙しい中、ありがとうございました。

須田・三島・長岡:ありがとうございました。

2023年10月4日 リモートインタビューにて