センキョ割学生実施委員会インタビュー 人との縁やキッカケを大切に!チャンスはそこらじゅうに転がっている!〜センキョ割学生実施委員会で学んだこと〜

「センキョ割」という言葉を知っていますか?投票に行き、証明を見せることで提携店にてサービスが受けられる仕組みです。「センキョ割」はセンキョ割学生実施委員会というボランティア組織が広報実行部隊として活動し、運動を広げています。世間では、若者の投票率や政治への関心が課題として取り上げられる中、センキョ割学生実施委員会ではどのようなことを目指し、活動しているのでしょうか。2022年3月頃から取り組んでいる日本女子大学4年生の髙田幸佳さん、2020年6月頃から取り組んでいる上智大学4年生の小嶋深月さんにお話を伺いました。
「センキョ割」は各大学生協を含め様々な企業・団体で取り組むことができます。興味がある方は是非センキョ割のHPからお問い合わせください!

インタビュイー / センキョ割学生実施委員会

日本女子大学人間社会学部
文化学科4年生

髙田 幸佳さん

上智大学総合人間科学部
教育学科4年生

小嶋 深月さん

センキョ割学生実施委員会

聞き手

全国大学生協連
学生委員会 委員長

角田 咲桜

全国大学生協連
学生委員会 副委員長

林 優樹

全国大学生協連
学生委員会

齋藤 薫

(以下、敬称を省かせていただきます)

全国学生委員会は様々な人の経験やお考えを伺い、組合員に伝えることで、広い視野を持って自分自身の大学生活に一歩を踏み出す機会になればと思い、インタビュー活動をしています。本日はセンキョ割の取り組みについて、是非お話を伺いたいと思い企画させていただきました。よろしくお願いします。それではまずは自己紹介をお願いいたします。

日本女子大学人間社会学部文化学科4年の髙田です。サークルには入ってなくて、予備校のバイトを頑張っています。小嶋さんに誘っていただいたことがきっかけで、今年の3月頃からセンキョ割実施委員会として活動しています。

上智大学総合人間科学部教育学科の4年生の小嶋です。2020年の都知事選の時からセンキョ割実施委員会として活動しています。友人に誘われて始めました。入学当初は野球部のマネージャーをやっていたのですが、ある程度楽しんだ後、また違うことをしたいなと考え、辞めて、今は予備校でアルバイトをしながらセンキョ割実施委員会として活動しています。

センキョ割ってなんですか?

カタくるしい選挙をやわらかく

早速ですが、センキョ割の取り組みについて教えてください。

投票済み証明書や投票所の看板の写真など、投票に行ったものを証明するものを提携店に提示すると、サービスを受けられる仕組みのことです。若者の投票率などがよく問題として取り上げられますが、とにかく選挙に行くきっかけを作り、もっと楽しく選挙に取り組みたい!カタくるしい選挙をやわらかくし、投票に行き、センキョ割を受けるという新しい文化的導線を作りたい!という想いで取り組んでいます。そのため、『クリスマス・お正月・センキョ割♪』というキャッチコピーもあります笑 様々な団体や企業、地方と連携しているのですが、教育の一環として、大学のゼミや中学校でもセンキョ割に取り組んでいるところもあるんです。留学生がこの仕組みを自国に持ち帰り、海外でもセンキョ割に取り組むところもあります。このように、たくさんの人との関わりがあり、投票率アップだけでなく、主権者教育や地域活性化にもつながる取り組みです。

とても素敵な取り組みですね。海外にも進展しているのは驚きました。

センキョ割と聞くと、「物で釣っているだけではないか」「何も考えずに投票する人が増えてしまうのではないか」という意見もあります。しかし、そもそも投票に行かない人に「投票に行きましょう!」と言ってもなかなか行動に移しにくいものです。まずはこのセンキョ割をきっかけに選挙に行き、行くことで社会について少しずつ興味・関心を持ってほしいです。私たちはその最初のきっかけをつくりたいのです。

何事も最初の一歩が大切ですよね。このセンキョ割は期日前投票にも対応しているのですか?

本来は投票日から2週間を期間としているのですが、細かいルールはお店によって柔軟に定めてもらっています。お店のルールによっては、期日前投票に対応できるよう期間を延長しているところもあります。このように細かいルールはお店によって異なります。

お店によって異なることもあり、センキョ割は事前認知がとても大切です。事前に知らないと、投票所の写真を撮らないし、証明書ももらえないし。

たしかに、私もこないだ選挙に行ったのですが、投票所の看板の写真は撮りませんでした。
そのほかに行っていることはありますか?

2022年7月の参院選から、「模擬投票アプリ」という新しい試みを導入しました。こちらは、18歳以下のこどもたちや若者もセンキョ割のサービスを利用できるようにするため、社会への参加意識を育むために始めたものです。18歳になったから、選挙に行きましょうと言われても、どう選べばいいか分かりません。より前向きに社会への参加意識を高め、選挙を当たり前のもの・日常のものとして捉える人が増えたらいいなと思います。

18歳になったら急に社会参加の意識が芽生えるわけではないという声をよく聞きます。そこにアプローチしていていいですね!センキョ割はどんなお店でも取り組めるということですが、今回、大学生協連にも一緒に取り組みましょう!と声をかけてくださりました。大学生協連に声かけてくださったのはなぜですか?

私たちは学生が主体となっている団体です。大学生協は多くの大学にあるため、若者にとても身近だと思いました。また、センキョ割の取り組みは若者を主な対象をしているので、大学生協と一緒に働きかけられたらこの運動がさらに広がりそうだと思いました。


センキョ割学生実施委員会の活動の様子

センキョ割学生実施委員会の活動

社会を知るって楽しい!

センキョ割学生実施委員会として取り組まれていて楽しかったことは何ですか?

営業ではこちらからメールやお手紙で声をかけるのですが、お返事が来ると嬉しいです。やりとりをする中で、私たちの取り組みの理念に共感して実際にお会いしましょう!となることもあります。なかなか会えない人と会えるのが楽しいですし、実際にお話すると社会人かっこいいなぁと思います。

営業のときはどんなお話をされるんですか?

センキョ割の目指していることや実施内容をお話します。実際に話すと企業の中で物事を実行することの大変さを実感します。ある会社にメールを送ったとき、電話でお返事が来たんです。その時に「社内で話を進めるときに1ヶ月ほど時間がかかるため今回は難しいが、次回以降から前向きに検討したい」ということを言われました。全国規模の会社だったので、全国で物事を動かす大変さを知りました。

普通に大学生活を送っていたら、そんなことはなかなか知れないですよね。企業の意思決定のフローを知る機会もないので社会勉強になりますね。

様々な人と話せるのは本当に貴重な機会です。私はもともと音楽が好きで、音楽業界の人と何かやってみたい!という気持ちから様々な企業さんに電話をしています。普通、「企業と話す」ということは「就活のため」が多いと思います。OB・OG訪問や面接などです。しかし、営業という機会を通して業界のリアルなことを聞けます。その企業の今の課題や努力を話してくださったり、企業だけでなく商店街の方とも関わりがあったりするので、町の想いなどたくさんのことを知ることができます。飛び込みで営業に行くと怒られてしまうこともあるのですが、そういう経験も今だからできることだなと振り返って思います。

営業という1つの機会を通しても様々な人と出逢い、多くの学びがあるのですね。

若い人が頑張っているから賛同してくれるという企業もあり、嬉しいです。企業は「利益を出すこと」も大切だと思いますが、その中でも、私たちと協力してできることを考えてくださったり提案してくださったり、とても活力になります。

企業さんや地域とのかかわりを通して様々なことを知り、普段見えていた世界が違うように見えてくるのだろうなと思いました。いつもふらっと通っていたお店や町について少し詳しくなり、日々が少し楽しくなりそうですね。

自分も成長できる機会に

センキョ割の取り組みを通して成長したなと感じることはありますか?

どんな人相手でも物怖じせずに話せるようになりました。どんな人にでも自分たちの組織の想いを話せるようになり、落ち着いて話せるようになりました。もともとはしゃべるが苦手でしたが、順序立て 話す力もつきました。

営業のときなど、小嶋さんが一緒にいると安心します笑

しゃべるのが苦手と聞いてびっくりしました笑 髙田さんはまだ始めたばかりかもしれませんが、短期間で感じる小さな変化などはありますか?

企業の方とやり取りするうえで、どうしたら文面だけでも誠意が伝わるかを考えるようになりました。ホテル会社だったら、そのホテルと自分の思い出を入れ込むと目に留まる。相手との共通項を伝えたりすること大事なのだと感じました。

共通項大切ですね。逆にこれまでの経験が活きているなと感じることはありますか?

就活の時に様々な企業のHPで企業理念や取り組まれていることなどを見ました。その時の経験が今にも生きていると思います。しっかり調べて共通項を探し声をかけたりメールをしたりしています。

小嶋さんはどうでしょうか?

素直でいることを大事にしています。

「学生目線で、どんな割引がされたら嬉しい?」とか「どんなサービスがあったら嬉しい?」とか聞かれることも多いので、素直でいることは大事だと思っています。

今回も、髙田さんが大学生協連のHPで問い合わせをしてくださったことから始まりました。その時の文章を見て、実際に私も「もっとお話を聞きたい!」と思いました。髙田さんと小嶋さんの秘訣が隠されていたのだと思います。

自分を認められる人、きっかけや人の縁を大切にする人を増やしたい

若者の投票率や社会への関心がよく問題として取り上げられますが、おふたりが目指す理想の若者像はありますか?選挙と結びつかなくてもいいです。率直にお二人が思っていることをお聞かせください。

自分を自分として認められる人が素敵だと思っています。大学生は人前でハキハキ喋れる人が偉い!などの固定観念もありますが、あるべき姿に閉じ込められて苦しんでいる人もいると思います。どんな自分の一面も受け入れて前に進められる人が増えてほしいです。理想に縛られすぎず自己肯定感を持てる、そんな人が増えたらいいなあ。自分を受け入れることができたら、人も受け入れられると思います。若者に限ったことではないかもしれませんが、そんな人が増えたら多様性のある社会の実現にもなると思うんです。

きっかけや人の縁を大事にする人が増えるといいなと思います。私がセンキョ割を始めたのもたまたま小嶋さんとバイトが一緒で教えてもらえたからです。自分自身、学内の活動でなくアルバイトなど学外での活動が多かったのでが、外側であった人とのかかわりが刺激的でした。自分が見ている世界ではない、知らない世界を見られました。ちょっとのきっかけで踏み出せるのであればやったほうが得です。コロナ禍で難しいかもしれませんが、様々なことに取り組み、大変なこともあると思いますが、一瞬でも踏み出して見てほしいです。

自分のものにできるかは一歩踏み出して見ないと分からないですよね。楽しいか楽しくないかはやってみないと分かりません。踏み出してみるそのフッ軽さは大事だと思います。

コロナ禍だから難しいかも…というお話がありましたが、コロナ禍だからこそ必要なことだと思いました。

コロナ禍でつながりやすくなっていますよね。旅館のインターンはほぼオンラインで、2回しか現地に行きませんでした。そんな状況でも、インターンに参加した全国の学生とはつながれました。オンラインになって便利なことも増えたから大事にしてほしい。

自分の好きなこともやりながら、充実した大学生活を

いたって普通の学生ですよ笑

髙田さんは今まさに大学生ということですが、どのような大学生活を送っているのですか?

家から大学まで1時間半くらいかかるのですが、週に2回くらい大学に行っています。基本的には授業とゼミがあります。

4年生ということでゼミなど忙しくないですか?卒論も書きながらアルバイトもして選挙の活動も?

卒論はたしかに進捗はあまり良くありません笑 しかし、夏休みに本格的に動くスケジュールなので夏休みは頑張らないと、と思っています。ゼミは教授も優しく、「大変」という感じではありません。

自分の好きなこともやりながら充実しているという感じですか?

そうですね。3年生まではほぼオンラインでしたが、旅館でインターンをしていて、後半は就活が入ってという生活だった。就活はとても楽しかったです。人と話すのが好きなのでいろんな社会人と話すことが楽しかったです。

前向きな気持ち、素敵ですね!
さまざまな活動を両立していると思いますがどう時間管理しているのですか?

スケジュール帳に1週間単位で可視化しています。左側にタスクを書き出して、右側には1日のスケジュールを大学のことは水色、センキョ割の取り組みは黄色、などのように色分けしてかいています。空いている時間も見えやすくなるので、その空いた時間では何しようかな、と考えたり。

すごいですね。まとめることは大変ではないですか?

終わった時の達成感が好きなんです笑 「これだけやったぞ!」ということが見えるので楽しいです。

髙田さんは?

私は、小嶋さんのようにまとめられないのが課題です。というのも、書くより先に行動をするタイプなんです。行動する時は優先順位を意識するように頑張っています。「学校のオンライン授業や課題は開始時間や期日に間に合えばいいから、今は平日しか連絡が取れない〇〇さんに連絡をしよう。」など、今何をしないといけないか考えて動いています。

逆に私は髙田さんほどすぐに行動できません。

それぞれのやり方がありますね。しかし、おふたりとも自分の課題とそれに対する改善策を見つけて行動しているのが素敵です!
普段はどんなことをしているんですか?

休みの日は寝ています。13時くらいまで寝ちゃうときも。いたって普通の学生をしていますよ(笑)

私も寝ます笑 時間を気にせずに寝たり。音楽が好きなので、LIVEに行くことも多いです。インドア派なので自分の部屋でどう快適に過ごすかを考えている普通の大学生です。

それでは最後に、読者の大多数を占める大学生へメッセージをお願いします!

自分で自分を大事にしてほしいです。他の人は友達が多いが自分は…ということではなく、自分を見てほしいです。生き急ぎすぎずに、よく食べてよく寝ることも大事ですから。周りに助けてくれる人は意外にいるから声を発することも大事だと思っています!

小嶋さんの最後の話に共感しています。人をもっと頼ってもいいんです。
大学の後輩と話した時に、大学に来て授業を受けるのが初めてで就活もこれから頼る人がいないと言っていました。相談できる人には相談したら情報も集められるし社会にはいい人も多いとセンキョ割の活動を通しても実感しました。
頼れるところは頼っていい、一歩踏み出せば頼れる人はたくさんいる!と伝えたいです。

最後に ~センキョ割・センキョ割学生実施委員会に興味がある方へ~

7月の参院選に向けて…センキョ割についての詳細は下記HPをご覧ください。
HPに申込フォームもございます。
https://senkyowari.com/

※申し込みをするとセンキョ割学生実施委員会より、ポスターや詳細の連絡が届けられます。

  • 7月の参院選に間に合わない場合も地域の選挙の際にご検討ください!
  • センキョ割学生実施委員会は全国どこでも参加できます!どなたでも、興味がある方はHPからご連絡ください!


センキョ割学生実施委員会のミーティングの様子