環境

かんきょうワーキング

全国環境セミナー2019開催報告

人と地球にやさしい
持続可能な社会の実現を目指して

6月22〜23日、全国大学生協連とNPO法人JUON(樹恩)NETWORKが共催する「全国環境セミナー2019」が、三重大学にて開催されました。

2019年度全国環境セミナーは「人と地球にやさしい持続可能な社会の実現を目指して」をテーマとして、全国大学生協連とNPO法人JUON NETWORKとの共同で三重大学にて開催され、全国から約180人の参加がありました。

初日は、開会式にて山本俊彦教育担当理事・副学長からご挨拶をいただき、その後、三重大学人文学部・地域イノベーション学研究科の朴恵淑先生から「三重・地球規模の環境問題と国連持続可能な開発目標(SDGs)」について基調講演をいただきました。

三重県はかつて重大な環境問題(四日市ぜんそく)に直面し、その後の環境問題に対する意識が形成されてきた歴史があり、また三重大学は環境推進大学として学生の「環境マインド」育成に積極的に取り組んでいます。セミナーでは「四日市公害と環境未来館」の学芸員である大杉邦明さんからの説明や、三重大学環境ISO学生委員会の活動報告も含め、各大学で行われている様々な環境活動のパネル展示や分科会が行われ、今後の環境活動のヒントを多く得られる場となりました。

2日間を通じて、環境問題を地球規模(グローバル)の観点からとらえる一方で日常(ローカル)の行動についても考えあうことで、環境問題を自分ごととしてとらえられ、また仲間とともに取り組むことの大切さを感じることができました。

セミナーの最後には、参加者全員で「三重宣言」を確認しました。この「三重宣言」は、持続可能な社会を目指し、これからの生活の中で人と人との「協同」を通じて「考動」していくための指針です。〈資源の節減〉〈倫理的消費〉〈地域社会への参加〉〈継続的な環境教育〉〈コミュニティの拡大〉の五つを掲げており、全国環境セミナーでは初めて「宣言」という形で今後の行動目標を設定しました。

「環境活動」は日々の地道な活動が大切ですが、活動の効果が見えにくく、それゆえ継続が難しい活動でもあります。この宣言が参加者の心に刻まれ、環境活動を継続していく原動力の一つになればと思っています。そして来年、多くの活動の成果がこのセミナーに持ち寄られること、また将来、地域に根差し世界に通用するようなグローカル環境人材がたくさん生まれることを強く期待しています。

(三重大学生協専務理事 山本 昌也)


三重大学 朴恵淑先生を囲んで


三重大学副学長 山本 俊彦先生

環境マインドの高さと連携することの重要性

三重大学 環境ISO学生委員会 水野勝仁(三重大学人文学部2年)

私がこの全国環境セミナーに参加して感じたことは二つあります。

まず一つ目は学生委員の環境マインドの高さです。今回日本全国から学生委員が集まって環境について話し合ってもらったのですが、どの学生委員も環境マインドがとても高く、各々の活動について熱心に紹介していて、すばらしいと思いました。また、他大学は学生委員会に環境の部署があって、環境に関しての専門の部署があるのがとても良いなと思いました。三重大学では環境に関する活動はISO学生委員会でしか行っていないので、他大学のように学生委員会にも環境に関する部署を設置し、ISOと連携しながら行っていければより良いものになるのではないかと思いました。


夜の懇親会(6月22日)

二つ目は連携することの重要性です。一日目の夜に懇親会を行ったのですが、その時に置かれていたゴミ箱のペットボトルゴミのペットボトルのラベルがはがされておらず、ペットボトルについたまま捨てられていました。本来ペットボトルとラベルを分別して捨てなくてはならないのに、それができていなくて、まだまだペットボトルとラベルを分別して捨てるという感覚が学生全体に浸透していないのだなあと感じました。しかし、二日目の昼頃に同じゴミ箱を見た時にはペットボトルとラベルがきちんと分別されていました。これを見て、このセミナーを通してペットボトルとラベルを分別するということを学び、それをしっかりと実生活に生かせているのだなあと思いました。我々個人の活動では決してこのような結果にはならなかったと思います。全国の学生委員会が連携してペットボトルとラベルを分別するということをひろめたからこそなせた結果なのではないかなと思いました。

私は最初、このセミナーに対しあまり積極的ではなかったのですが、全国大学生協連の方々、また各実行委員、および全国の学生委員会の方々の熱心な態度をみて、日に日に自分の心が動かされていきました。このような素晴らしいセミナーに参加できて改めて良かったなあと思いました。またこのような機会をいただけたら、是非参加したいと思います。

自分なりの環境活動

三重大学生協 学生委員会 藤田彩花(三重大学生物資源学部3年)

今回のセミナー参加にあたって、当初は正直なところ「環境問題というとスケールが大きくて私の頭で考えられるのか」と思っていました。しかし、実際に取り組んでいく中で、スケールの大きいそれをいかに自分の話に置き換えて考えるか、自分にできることを見出すかが重要だと気付きました。〝小さなことからコツコツと〟。よく耳にする話で言うことは簡単ですが、果たして私たちには具体的に何ができるのか。それをできているのか。そんなことを考えた2日間でした。四日市公害のお話を聞いたり、海岸清掃を行ったり。三重大学の立地に基づく内容がたくさんあり、他県の方にとっては「三重県の話」でしかなかったかもしれません。しかし、その中のどこか一点でも、自分に身近な環境活動のヒントにしていただけたならうれしいです。

また、今回は三重大学での開催ということで、三重大学生協学生委員会は現地実行委員として携わらせていただきました。しかし、今回はそれだけではありません。日頃から学内外で環境活動を行っている三重大学環境ISO学生委員会の方々にも現地実行委員としてご協力いただきました。豊富な知識やノウハウはもちろん、環境活動に対する真摯な態度や情熱を節々から感じました。三重大学のウェブサイトでは、そんな彼らの活動が詳しく紹介されています。もっと知りたいと思った方や、環境に関する企画で行き詰まった方はぜひお手元のパソコンやスマホで「三重大学環境ISO学生委員会」と検索してみてください。


「三重宣言」 環境行動宣言をして
今年度の環境セミナーのまとめとしました(6月23日)

セミナーの2日間、私はグループリーダーとして活動し、自分自身が学ぶとともに参加者の学びのお手伝いをさせていただきました。ここに来たことで偶然出会った人同士が、お互いの活動をより良くしようと、真剣に、時には楽しそうに交流する姿を間近で感じました。微力ではありますが、このような活動の場をつくるお手伝いができたこと、本当にうれしく思います。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。


リユースの勉強会(6月23日)


JUON NETWORK 生源寺眞一会長の挨拶