実行委員長 矢間 裕大 (全国大学生協連理事・全国学生委員長)
企画局長 鈴木 郁 (全国大学生協連執行役員)
事務局長 田中 蒼大 (全国大学生協連理事・全国副学生委員長)
「一人の大学生協の組合員として」
組合員活動研修セミナー2020では、組織委員が組合員への奉仕者ではなく、一人の大学生協の組合員である組織委員として今後の取り組みを考え行動ができるようになることを目指し、上記のものを全体のテーマとして設定いたしました。
3日間同じ仲間同士で学び始めるにあたって、2つのゲームを通じてアイスブレイクをしました。
1つめのゲームは、会場全体で名刺交換を行うゲームでした。単なる名刺交換ではなく、名刺の裏には自分ができることを記載して、交換の際にそれぞれができることを深め合うことをしました。
2つめのゲームは、班で課題解決の方法を考えるゲームを行いました。全体で提示される課題を、名刺交換で得た「自分ができること」を活用して、みんなでどんな解決法があるか考えることを通じてこれから3日間共に学ぶ仲間と仲を深め合いました。
「組合員活動」とは何かをセミナー全体で深め、実践することを目指すにあたり、「協同」とは何か、「協同組合」とはどんな組織かというのを改めて学び、そこで大事にされている考え方はどんなものかを参加者の中で深める時間でした。
この時間では、身近に協同組合があり、社会的に認められていることを認識するために身近な協同組合を出し合うことから始めました。普段利用をしている地域生協のほかにも、調べて出てくるなかなか聞いたことのないような協同組合までいろいろな名前が挙がっていました。また、自分が所属している大学生協が意外に盲点でなかなか上がっていなかったのも全体的な印象です。
協同組合を出しあい、協同組合が身近に多数存在していること、社会的に認められていることを認識したのち、「協同」とは何か、協同組合はどんな組織かということを、協同の言葉の定義やICA声明などを基に学習しました。ひとえにキョウドウといっても「協同」「共同」「協働」の言葉があり、私たちが大事にしている協同は「同じ目的のために一緒に取り組むだけでなく、心も合わせる」ということを色々なキョウドウの実践を振り分けるワークを通じてみんなで深め合いました。協同組合の学習では、動画を見ながら、協同組合では「みんなで何かを成しえることを目的に一人ではできないことをみんなで行う」ということを深めました。これらの時間を通じて、利益を目的にするのではなく、みんなのためにみんなで頑張ることが社会的に認められている、自分たちはすごいことをしている自信を持つことができました。
この時間は特に「組合員活動」とは何かということにフォーカスを充てて学んだ時間でした。
特によりよい生活を目指して組合員同士が協同している例として、生活協同組合について学び深めることから始め、実際に取り組まれている組合員活動の例を見て学ぶことを行いました。「生協には生協法で定められた範囲があることから、似たような現状を持つ組合員が多い」ということを認識し、その中で組合員は何ができる?ということを学びました。その具体的な実践例として医療生協さいたまとJAあいちの取り組みを見ました。2つの組合員活動の事例から、似た現状・想いを持つ組合員同士が組合員活動をすることで自分たちの生活をよりよくすることができたということを深めることができました。
活協同組合という観点から組合員活動を深めたのち、組合員活動を考えることを体験してみるワークを行いました。各班が「ヒノシタ生協」という一つの生活協同組合として、参加者それぞれが与えられたロールを基にその組合員として何を考えてどういうことをできるかということを考えました。
組合員活動について学び、実践を考えてみることを通じて組合員は自分たちの生活をよりよくするために考えて行動を起こすことができる存在であることを再確認した時間になりました。
この時間から大学というフィールドにフォーカスを充てて学びを深めていきました。
まずこの時間では、昔の大学の状況から大学生協ができた当初の大学生のよりよい大学生活を学ぶことから始めました。大学生協ができた当初に大事にされていたことは何かに参加者が立ち返ることができた時間になりました。
その次に、今を生きる大学生活協同組合の組合員としてよりよい大学生活を目指すにあたって、「大学」ってどんなところ?そこで私たちが目指したい理想の大学生活って何?ということを、参加者が自分自身の大学生活の実感からたくさん考えた時間になりました。この時間は、参加者が自分自身の大学生活の実感から組合員としてよりよい大学生活を目指すことを考える、セミナー全体テーマでもある「一人の大学生協の組合員として」を特に実感する時間でした。参加者が、一人の大学生として色々なことに気づいた時間になりました。
この時間では、大学生活協同組合の組合員活動はどういう性質を持っているのか、どんなことが魅力なのかを学び考える時間でした。特に、企画3で参加者が気付いた「一人の大学生として考える理想の大学生活」から、「一人の大学生協の組合員として考える」よりよい大学生活に考え方をつないだ時間でした。
大学生活協同組合はどんな組合員がいるどんな生活協同組合なのかをここまでの学びから深めることで、参加者にとって「大学生活協同組合の持つ魅力は何か」「そこで行われる組合員活動の良さは何か」「大学生協の組合員活動で実現できることは何か」をより一層深めることができた時間になったと思います。
また、それらを深めた後に実際に自分たちが大学生協で行っている組合員活動から、そこには組合員のどんな現状があったのか、組合員のどんな理想の大学生活があったのか、どんな生活背景があったのかを「一人の大学生協の組合員として」考え、気づいた時間になりました。企画3の時間と合わせて、参加者が「一人の大学生であること」「一人の大学生協の組合員であること」を深く認識した時間になりました。
この時間は、前の時間で深めた「大学生協の組合員活動の魅力」「大学生協の組合員活動が実現できること」を基に、その組合員活動を引っ張る私たち組織委員が持つ強みや良さを、組織委員会の定義から考えたり、全国の会員生協の実践を聞いたりすることを通じて深めました。組織委員会は企画を通じて「一般組合員」に与える存在なのではなく、「一人の大学生協の組合員である組織委員」として「周りの組合員を引っ張り、周りの組合員を巻き込んで自らもよりよい大学生活を目指す」ことを、定義の細分化を通じて考える機会になりました。また、全国から北海道教育大学生協、福島大学生協、一橋大学生協、龍谷大学生協、京都橘大学生協、大阪大学生協、福岡県立大学生協の7会員生協から実践事例をお話ししていただきました。
いずれの事例も「一人の大学生協の組合員として」をより一層深めて考えることのできる事例で、かつ「組織委員として周りの組合員を巻き込んで取り組みを行う」実践をイメージすることのできる分科会発表でした。
※以下、分科会発表いただいた会員生協とその実践事例
北海道教育大学生協 「Come on!」 |
福島大学生協 「朝ごはんの会」 |
一橋大学生協 「オリジナルファイル」 |
龍谷大学生協 「総代会づくり」 |
京都橘大学生協 「新たちばなさんいらっしゃい」 |
大阪大学生協 「World Friends Party」 |
福岡県立大学生協 「健康フェスタ」 |
セミナーの学びをいかに持ちかえり、どう実践するか、そのために帰ってまず誰に何をするのかを考えた時間でした。まずはセミナーの学びで感じた「自分がなんとなくいいなと思ったポイント」を自大学生協の仲間と共有・共感し合い、なぜいいと思ったかを深め合うことから始めました。その後、そこで新たに見つけた発見を各会員生協に戻ってから「何を実践したい」、その実践を実現するために直近で「セミナーに参加した私が」「いつ」「どこで」「誰に」「どのように」「何を伝える」のかを具体的に考えました。
当日の提起も合わせて、ここでの学びが将来的には各大学生協の組合員のよりよい大学生活につながることや各大学生協の発展につながること、「一人の大学生協の組合員として」そのインフルエンサーになることを参加者が意識する時間になりました。
全国セミナーならではの、全国での顔が見える学び合いや励まし合いを行うことを目的に以下のようなことを実施いたしました。