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留学生活―日本の印象―

顔写真名古屋大学 工学部4年  
孫 明玥 SUN MINGYUE

異文化との出会い

日本へ来る以前、私にとって日本は先進的な科学技術を持ち、綺麗な環境を守る、長寿の国だった。実際に4年前に日本へ留学し、生活を送る中で、以前より感じていた日本の印象は身近なものとなった。また、実際に日本で暮らすことで日本の新しい面を数多く見つけることができた。

紅葉狩り集合写真
紅葉狩り集合写真

高齢者や障碍者が生活し易い社会

来日する以前、日本の高度な医療技術は非常に印象的なものであった。私は来日後、日本では疾患に対する治療だけではなく、治療後の看護も非常に良いのだと感じた。また、体の不自由な人に対する支援が整っており、誰でも生活し易い社会が出来上がっていることを知った。

私が日本に来て間もないころ、電車に乗った際、日本には障碍者が多いという印象を受けた。しかし、しばらく日本で生活を送るうちに、障碍者の人数が多いのではなく、障碍者でも一人で外出できるような社会であるのだと気がつき、感銘を受けた。それ以来、注意して見ると、日本の街の至る所に高齢者や障碍者に対する福祉や施設が揃っていることに気がついた。例えば、電車、スーパーなどどこへ行っても障碍者のためのエレベーターがある。また、障碍者のための車椅子や地下鉄での音声ガイドなど、設備は整えられており、障碍者や高齢者が一人でも外出できるように配慮されている。毎日電車で通う私は、駅員さんやバスの運転手さんが、各駅で連携して板を準備し、車椅子利用者の乗り降りを補助する姿をよく目にする。これらの配慮は日本社会の先進化の一つだと感じる。

生活に根付く暗黙のルール

電車に乗る際、気付いたことはそれだけではない。電車や地下鉄などにある時刻表から、たった2分遅れただけで謝る程、正確に時間を守っていることだ。これは世界的でも珍しく、非常に印象的であった。日本人は皆、ルールを守っている。例えば、エスカレーターを利用する際、右側を空け、皆が左に立っていることや、横断歩道では車が先に人を渡す様に譲り、人が通った後に車を発進させることなどが挙げられる。みんなルールを守っているからこそ、日本は社会の秩序を守ることができているのだと思う。

ルールを守るというと、日本のごみ分別について話さなければならない。可燃ごみと不燃ごみの分別だけではなく、日本では非常に細かい種類まで分けている。例えば、ペットボトルを一本捨てるにしても、キャップを外し、飲み残しのないよう、中身を水ですすぎ、最後にラベルを剥がす必要がある。初めてそれを目にしたとき、私はたった一本のペットボトルを捨てる為に、そのような長いステップが必要なのだろうかと疑問に思い、面倒なように感じた。しかし後に、これらのステップにより、効率的なリサイクルが実現していることを知った。また、容器や包装を素材別に細かく分別することで、資源をより高い効率で回収することができると知った。これらの取り組みにより、日本は環境にやさしい、持続可能な発展を目指しているのだと感じた。
最初日本へ来た時もう一つ驚いたのは、日本の町の中にごみ箱がないことである。しかしごみの分別回収の存在を知った後に、町にごみ箱がない理由も分かった。ごみ箱があると、ごみ分別の効率が下がる可能性があるからである。町中にあえてごみ箱を設置しない事で、人々は家にごみを持ち帰り、きちんと分別するようになる。このことから、私は制度による管理と、各個人の環境保護への意識の両方の存在により美しい町が守られているのだと感じた。

異文化を理解する楽しさ

紅葉狩り
紅葉狩り

私は留学する前には特に深く考えていなくて、日本語を勉強したから、日本へ留学しようと決まった。留学する前に色々な不安があったけど、実際日本へ来た後、やはり想像とは違ったと思った。まずは一人暮らしの辛さがマンション探しから始まった。どのような部屋が安全で住みやすいかなど色々なことを考え、最後に決まった。また、携帯の契約とか学校の申請とか、母国にいる時まったく問題がないことでも問題になった場合が少なくなかった。それらの問題を解決するのは、留学することの意味の一つかなぁと思った。

また、問題を解決する時色々な日本人と出会って、日本の文化、日本人の習慣など自分が身近に感じた。留学している4年間の私、今の考えは、留学の意味の一つがやはり違う人と出会って違う文化を感じて、そのスペシャルを感じた後に、最後理解することだと思っている。

日本に来る前に、文化と言語の問題で友達づくりに対して不安だったが、日本へ来て日本人の友達ができただけではなくて色々な国からの留学生たちとも友達になることができた。特に、大学の生協留学生委員会に参加した後、いろいろなイベントを企画して、遊びながら日本の文化を体験できた。例えば、花見、紅葉狩り、手巻き寿司を作るなどに参加することで、日本の文化にだんだん慣れて、楽しみになった。各国の人と出会って、世界の多種多様な文化と習慣を理解することは留学の苦しさではなくて、楽しさになった。

私は日本に4年間滞在しているが、今もまだ気が付いていない日本の良さがあるように感じる。私は中国の諺が言うように「他人の長所を学んで自分の短所を補う」の気持ちを大切にし、これからも日本で多くの事を学びたいと思う。また、自分の国の文化も外国の人に伝えたいと思う。違う人と出会って、異文化を理解して、困難に向けてそれを解決することは、留学生活の面白さの一つだと思った。それも多彩な人生の面白さの一つかなぁと思った。

ビール工場見学
ビール工場見学
留学生委員会合宿
留学生委員会合宿

『Campus Life vol.50』より転載