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違いがあるから楽しさを生むー理解し合おう、簡単なことさ!ー

顔写真
大阪大学 工学部2年
陶 越
TAO YUE

 留学生に対して、留学するきっかけは多分「必ず聞かれる問題」になるであろう。理由は人によって違うと思うが、一つだけ同じだと判断できること、それは「私はこの国の文化に沈みたい」ということ。

違い

 国は人の集団。「他の国に沈む」というのはその国を理解し、国民を理解し、社会ルールを理解し、文化を理解し、そして自分もある程度変化して、融合する。道理はそうだが、人は自分の年齢、住む環境、受ける教育、使う言語のような長い間伴ってきたものから、偶然逢った本に書いてあった一言まで、様々な原因で自分の認識、世界を見る角度を変えることができる。所謂「個体差」であること。個体差から見ると、人と人が理解し合うのが非常に難しい事に思える。「個体を理解するのにもそんなに時間と努力が必要なのに、国と文化を理解するのは無理であろう」という発想があるのも仕方がないことだ。

 日本語学校で勉強した時、ある友人がいつも、大学に入った後の自分の人間関係の悩みを語っていた。「日本人の考え方がわからなかったらどうしよう」、「中国でも南北差があるのに、国まで違うなら絶対友達はできない」など、このような悩みがあるのはごく普通だと思う。でもそれは大丈夫だ。その上、違いのある方がいい。

群れ


信楽焼きの絵付け

 留学生は大体二つの群れになる。一つ目は自分の国の人としか交流しない。一日中自分の母国語しか喋らない。小型の中国や小型の韓国などの形式で学生生活を送る。二つ目は外国人との交流に興味津々で、日本人じゃなくても自分と違う国の人と交流し、英語や日本語を鍛えて、様々な国の友達をつくっている。

 一つ目のグループは相同(※同一)を選んだ。文化の違いによるギャップがなく、同じ国の人と付き合うときの親切(※安心)感。様々な原因で同国の群れを作った。二つ目は相違を選んだ。自分と違う文化に興味を持つ。自分と違う考えを理解したい。このように外国人と交流し、視野を広げた。

 僕は元々一つ目のグループに入ったが、サークルの先輩やクラスメイトにどんどん活動に誘われ、最後積極的に他人と交流し、やっと自分が思う留学の楽しさを感じられた。二つの生活方法に優劣はないが、僕は「異なる部分を保つまま、同じ部分を求めて」外国人と交流しながら学生時代を送りたい。

誤解


バイクに乗る僕

 まずどのような違いがあるだろう。僕は、国の文化は言語に表れると信じている。日本の場合、長い歴史と共にある謙遜さは「敬語」という文法に徹底的に表されている。僕は日本語を勉強する時、敬語の使い方が非常に苦手だったので印象に残った。大学入学後、サークルの先輩に「そんなに敬語を使わなくてもいい、うちはまだいいが、男子校には先輩にも『ございます』を使うところがあるので、他のところは注意してね」と言われて、日本人の謙遜さ、真面目さが更に印象に残ったと同時に、親切感を感じた。

 もう一つの例は皆さん全員経験があると思う。日本人は汎(※自分に非がない)ときでも、「すみません」が通用する。それが日本しかない光景だ。たとえ自ら他人にぶつかっても、ぶつかられた相手から謝る言葉が出てくる。中国ではこれが想像もつかないことだ。

 僕は以前寮に住んでいた。寮の管理人はとても優しいお婆ちゃんだった。お婆ちゃんは僕達にいつもお菓子をくれるし、僕達の生活に何か障害(※支障)がある時はいつもアドバイスをくれる。僕達はいつもそのお婆ちゃんに何かをして恩返しをしたいと思っていた。ある日偶然にお婆ちゃんも知らない非常に安いスーパーを発見した。お婆ちゃんはとっても行きたいと言ったが、そのスーパーの営業時間に合わなくて諦めざるを得なくなった。代わりに僕達が買ってきてあげたが、得られたのは感謝でもなく謝りの言葉で、みんな微妙な気分になってしまった。お婆ちゃんを傷つけたかなあと思い始めた。

 当然お婆ちゃんは怒るとかしないのはわかるが、感謝の言葉ではなく、謝りの言葉が出てくるのは実に距離感を感じる。このように「違い」は誤解を招く事はある。この時お婆ちゃんが自分の考えをはっきり言ってくれれば皆は彼女の考えを勝手に推測しなかっただろう。

 

平和


神戸元町商店街で鯛焼きを手に仲間と

 このように文化の違いや自分勝手な妄想が誤解を導くことは誰も好まない。細やかなことなら大丈夫だが、もっと広い範囲で問題を起こしたら大変なことにな
る。例えば平和問題。
これは世界中誰でも求めているもの。平和を達成するために、僕達は何ができるのか。

 僕達普通の学生は周りのところからやっていこうと思う。例えばサークルで先輩や友達と話す時、自然的に自分の国のことを話すと、他人の興味をひけるし、誤解も解ける。恥ずかしいながら、中国は他国に「ヤクザの国」というイメージがあると聞いたので、チャンスが有れば、僕は積極的に国情を語って、中国の様々な面白い民族やみんなが大好きな中国の美味しいものを教えてあげて、誤解を解くより先に、「中国人は友好である」ことを教えたい。

 そしてできるだけたくさんの外国の友人を作り、彼らの考えを吸収し、もっと多方面的な思考モードを構築すれば、よりよく理解し合えると思う。

 最初に言ったとおり、人と人の考えは違う。無理矢理に自分を他人と同化しなくていい。僕は他人と交流し、他文化と触れ合える人生が楽しいと思う。その文化を掘り下げて、理解するのが留学の醍醐味と僕は信じている。

※印は編集部補注


信楽陶芸村にて

『Campus Life vol.53』より転載