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名古屋での留学生活

顔写真
名古屋大学大学院 工学研究科
博士課程前期1年
張 玉婷
Yuting Zhang

皆さん、こんにちは。私は中国からの留学生、張と申します。2012年の秋に日本に来て、現在までの6年間になる留学生活を始めました。現在は名古屋大学大学院の修士2年生です。

私が日本に留学した理由

大学の入試面接でも周りの日本人の友達にも、よく日本留学の理由を聞かれました。私が日本へ留学することを決めたのは高校1年生の時です。その時はモノづくりに興味を持ち始め、将来工学系のことを勉強したいと決心しました。身の回りを見ると、日本製の電気製品が中国でも多く売られていることに気が付き、日本の技術力に感心しました。そして、日本の旅行事業が発展するにつれて、日本の桜、紅葉、温泉などの美しいイメージも中国に浸透して、私の日本への憧れもどんどん深くなりました。それで、高校を卒業した後、日本へ留学することを決めました。

日本の生活に慣れるまで


誕生日の時に頂いた同期からのメッセージ

高校の卒業時期が8月であるため、大学に入学する前に京都の語言学院に半年間通いました。この半年間では、大学入学試験の準備の他に、できるだけ日本での生活に慣れることにも力を入れました。いきなり外国での一人暮らし生活を始めるのは簡単なことではありません。日本の飲食に詳しくないし、言語の壁もまだ残っているので、欲しかったものと違う料理が出されたことがよくありました。今振り返ったら、そのおかげで、短時間でいろんな料理を味わえていいことかもしれなかったですね。
その時に私はまだ未成年でした。携帯電話も無線ネットワークも日本にいる保証人が必要だったので大変苦労して、最後先生にお願いしてやっと手続きをしました。このようなことはその半年間にいっぱいあり、当時はとても大変でしたが、今思い返したら全て貴重な経験で、一生大事にしたい思い出です。

勇気を出して話してみたら…


日本の庭園で紅葉を楽しんでいる私

大学入試後、名古屋大学に入学し、やっと本格的な日本人と交流する日本留学生活が始まりました。私が所属していた学部は女子学生の比率が非常に少なく、女子学生は全部で7人しかいませんでした。最初は、私が自分の日本語能力に自信がなく、日本語を話すのが怖くて、いつも教室の一番後ろで一人で授業を受けました。そうすると、日本人学生もあまり関わってくれなくて悪循環になり、非常に寂しい時期を過ごしました。
1年の前期を終わった後、私は「このままではだめだ!」と思い、勇気を出して自分から日本人の学生に話しかけるようにしてみました。そのようにしたら、日本人の学生はみんな非常に優しくて、熱心に会話してくれました。私が分からないことがあっても辛抱強く教えてくれて、とても楽しかったです。そのおかげで、自分の日本語能力もだんだん高まり、日本人と話すのもストレスなく自然にできるようになり、学校に行くのも楽しみになってきました。この何カ月間で私を助けてくれた友達とは今でも連絡していて、時々遊びに行っています。

アルバイトで学んだこと

大学生活にだんだん慣れた後、私もアルバイトをし始めました。この6年間で経験したアルバイトはジムのフロントスタッフ、飲食店でのホール、家電量販店のスタッフなどがあります。
ジムのフロントに勤めた時は入会などの手続きも担当していますので、敬語の使い方やビジネスマナーを身につけました。飲食店でアルバイトした時に、一見普通のことでも実は店員さんの気遣いを含んでいることが分かり、日本のサービス精神に感心しました。そして、家電量販店でのアルバイトでは翻訳スタッフとして外国客の要求を満たした日本の製品を紹介し、少しでも日本と外国のつながりに貢献し、非常に達成感を感じました。これらのアルバイトを通じて、私は更に日本文化を理解し、自己成長もできました。


学部卒業式で袴を体験


本土最南端の佐多岬に観光

旅行で日本の美を発見

学校の授業とアルバイト以外の休みの時は、私はできるだけ旅行に行き、日本の美しい景色を満喫するようにしました。自然の風景、お寺、テーマパークなど様々なところに行きました。 そして、大学の卒業式の時には両親を誘って、一緒に日本国内を旅行しました。両親も日本の美味しい料理や温泉旅館などを絶賛しました。特に京都の古都の雰囲気と小径を歩いている舞妓さんに深い興味を持っていました。また機会があれば、ぜひ私のお婆さんにも見せたいと思っています。

不安だった就職活動

大学を卒業し、更に自分の専門知識を増やしたいと考え、大学院に入学しました。そして、今年の春に就職活動を行いました。最初は日本での就職について何も知らず、将来のやりたいこともまだ見つからず、もちろん心配して非常に焦りました。ですが、周りの同期たちが何か活動があったらお互いに知らせてくれ、分からない事があったらいつも親切に教えてもらいました。
学校側も留学生向けの就職講座や面接対策講座を設けており、非常に助かりました。実際の就職活動の中でも、会社の面接官も非常に親切で、面接というより、私の留学生活に興味を持っている友達同士のお喋りのような雰囲気でした。このように、多くの方からお世話になり、無事に自分がやりたい仕事を見つけました。

何時のまにか日本に来てからもう6年間を過ごしました。日本留学はすでに私の人生の4分の1を占めています。これから日本で就職し更に日本で自分の人生を展開すると、日本での時間が私の人生でどんどん大きな割合を占めていきます。日本へ留学に来たのが今までの人生の中で一番大きな決定でしたが、一秒も後悔したことがありません。これからも楽しんで、頑張って、充実した有意義な異国生活を過ごして行きたいと思います!

『Campus Life vol.57』より転載