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日本へ 東北へ 夢を追いかける

顔写真
東北大学大学院 国際文化研究科
修士2年
陳唐伊伊
Chen Tangyiyi

自己紹介

皆さん、初めまして、中国重慶市出身の陳唐伊伊です。2016年4月に日本に来て以来、東北地方に住んでおり、今年で4年目になります。最初の2年は山形市、今は仙台市に住んでいます。現在は東北大学国際文化研究科修士2年で災害廃棄物を勉強しています。今年、就職活動を行い、内定を得たことから、来年4月からは日本で勤務予定です。以上、一通りの自己紹介でした。


キノコ発見!(北海道登別温泉にて)

日本とのつながり

小さい頃、ずっと日本のアニメを見ていました。「ウルトラマン」、「キャッツ・アイ」、「ドラえもん」、「クレヨンしんちゃん」……数え切れないほど沢山のアニメを見ました。因みに、今も一番好きなアニメは「クレヨンしんちゃん」で、毎晩、就寝前に見るのが日課です。小学生から高校生までは、日本=アニメのイメージでした。
中国の大学に入学し、文学部を専攻した私は日本の違う一面に触れました。それは、日本文学です。川端康成、大江健三郎、三島由紀夫、村上春樹……。文学部の先生から教わった、素晴らしい作品をいくつも読みました。
大学3年生の時、たまたま図書館で手に取った東山魁夷の『僕の留学時代』という作品に惹かれました。この作品は、東山氏がドイツへ留学した話で、ドイツ語の勉強に苦労した話などとても面白かったです。後に調べてみたところ、作家ではなく有名な画家であることが分かりました。大きな影響を受けた結果、大学の卒業論文も東山氏の作品についてでした。今の趣味は東山氏の絵はがきを集めることです。間もなく大学院を卒業するときのご褒美として、東山氏の作品を扱う美術館に実際に行ってみたいです。

東北に来たきっかけ

とても簡単な理由ですが、好きな人は山形出身で、彼のあとを追いかけて東北に来ました。正直、来る前は日本の東北地方についてほとんど知りませんでした。知っていることといえば、中国の小説家、魯迅先生が東北大学に留学した話程度でした。山形にある東北文教大学で一年間、日本語を勉強した後、災害廃棄物処理に興味を持ち、東北大学大学院に進学することを決めました。

東北での生活


東北文教大学にいたとき、ミャンマー、韓国、中国料理が揃った!

山形に住んでいた時、ちょうど「ポケモンGO」が流行っていたおかげで、山形市内にあるすべての観光スポットを巡りました。特に紅葉公園と山寺はお薦めしたいです。自然の風景がとてもきれいで、訪ねる度に心が落ち着きます。
山形の果物と野菜は新鮮で美味しく、毎日食べていました。特に果物が好きな私にとって、さくらんぼやラ・フランスなど山形の果物は堪らなかったです。仙台では、晩翠通りという街が一番好きで、街に森ができた感じですね。時間があると、友達を誘って、ライブを見に行ったり、お店で食事したりしています。
「人を愛すれば、その人の家の屋根にとまるカラスまでもかわいい」という諺が中国にあり、好きな人がいるから、東北に来た私も東北のことを好きになりました。ここでの生活はとても良いです。

東北大学大学院生としての生活

大学院生ということで、ただ授業を聞くだけではなくて、研究もしなければなりません。研究というのはどういうものなのか、長い間戸惑っていました。今になっても、もやもやした感覚しかありません。卒業するまでに、その答えが見つかることを願っています。
東北大学に来た一年目は正規の学生ではなく、研究生として、今の研究室に所属していました。専門知識がないため、兎に角、多くの書籍と研究論文を読みました。しかし、私の研究室は人の出入りが頻繁で勉強に集中できないため、私はよく資料を携えて図書館に行っていました。図書館は多くの学生が勉強しています。私は資料の内容が難しくてよく分からいないときや、集中力が切れたとき、図書館でまじめに勉強している学生の姿を見ることで、自分を鼓舞して勉強を続けました。そのため、研究生として半年が過ぎた時、最初の大学院入試に落ちたのは、正直、辛かった記憶があります。


研究室にいる私

2回目の院試に合格し、修士2年目を迎え、今はやっと研究が軌道に乗りました。就職活動も終わり、ほとんどの時間を研究に使っています。
一日のスケジュールを紹介すると、午前11時頃に起きて、身支度を済ませて自転車で研究室に向かいます。昼食は生協で食べるか、近くの弁当屋さんで唐揚げ弁当を買うかの二択です。友人の誘いがなければ、夕食もほぼ同じです。研究を終えてから、また自転車を漕いで家に帰り、就寝は深夜一時か二時になります。
週末はたまった家事を片付けたり、ジムへ行ったり、疲れているときは家で寝ている場合が多いです。シンプルな生活ですが、楽しくやっています。

課外活動

前述した学校生活を読んで、皆さんは私がつまらない生活を送っているだろうと思いませんでしたか。大間違いですよ。ここから豊富な課外活動を紹介しようと思っています。
東北大学に来てすぐに私は東北大学生協留学生委員会が開催した花見会に参加しました。花見はとても楽しく、新たな友達ができるというのもあり、4月の新留学生向けの定番イベントになっています。留学生の先輩から就活のことを聞く集いや、学内にある植物園を巡る企画にも続けて参加しました。
こうした経験を通して、自らこういった活動を企画したいということを考えるようになり、東北大学生協留学生委員会の一員になりました。今では、同会の委員長を務めており、月に一度の委員会の司会や活動の企画、委員会の運営などをしています。振り返ってみると、委員会に係わる記憶はすべて良いものです。多くの友達ができ、皆で企画したイベントをうまく開催できた達成感、全国大学生協連の企画に参加して他の大学の事例報告を聞いて受けた新た刺激等いっぱいあります。すべて私の宝物です。
そして、留学生としてだけでなく、日本にいる一人の外国人として、もっと様々な交流活動に参加し、貢献したいと考えて、今年度から仙台市の国際観光協会の交流委員になりました。青葉まつりのボランティアや外国人向けの防災訓練の通訳、仙台市民と外国人の国際交流イベントなどにも参加し、充実した生活を送っています。

今年の花見の集合写真

今年の青葉まつり

『Campus Life vol.60』より転載