新入生を迎える活動と事業

阪大生協の新入学事業における保護者説明会のとりくみ - 大阪大学生協

大阪大学生協(以下、阪大生協)の新入学事業では「早期から阪大生協の存在とサポートを広く知ってもらう」ことを重要課題としています。また、ただ「知らせる」だけでなく「知らせる活動」を通じ、入学準備・大学生活における(安心・安全に加えて)「身近で頼りになる存在」になること言わば「生協ブランドの構築」・「生協ファンを作ること」を方針としています。 本稿では、保護者に対しての「生協ブランドの構築」・「生協ファンを作ること」の一役を担う「受験生保護者説明会」において、阪大生協のとりくみを簡単に報告します。

とりくみのきっかけ


阪大前期試験日2月25日(土)に 大阪大学会館(大阪大学豊中キャンパス内)にて開催
1回目19:30~11:30、参加者約270人
2回目13:30~15:30、参加者約270人

過去の調査から、特に初めて受験に臨む家庭では受験生本人同様、又は本人以上に保護者も「入学準備・大学生活」に疑問・不安を抱えていることが分かっています。これに応えることが「身近で頼りになる存在」に近づくとの観点から、阪大生協ではPC用Web、携帯用Web、メルマガ、DM、手配りリーフレット等で、保護者に向けてさまざまな情報を提供しています。

一方、情報を最も分かりやすく伝える方法は相談会や説明会等の「対面」と、阪大生協では考えています。しかし、阪大生の自宅外比率は約40%であり、より多くの保護者と「対面」する場面を簡単につくることはできません。

そこで、多くの保護者が付き添いで阪大を訪れる「受験日」、お子様が試験中の手持ち無沙汰な「待ち時間」を好機と捉え、全国でもとりくみが進んでいる対面による情報提供「保護者説明会」を受験当日キャンパス内で開催することを企画しました。

説明会の運営


阪大3年生による「阪大生が大学生活、語ります!」
阪大と阪大生の実態について、自身の体験談を踏まえて説明しました

当日は学内で入試を行っています。入試の妨げになるようなことは万一でもあってはなりませんので、発案時点の2009年から入試課と運営について調整を行いました(課題クリアに時間がかかり、開催できたのは2011年)。

2012年の告知は、より多くの保護者に知ってもらうよう、前述の阪大生協のあらゆる広報ツールに、早期(8月)から前年の阪大生協利用者の声と共に掲載しました。結果、申込受付開始日で定員320席中264席が埋まり、翌日には定員に達して申込みを締切りました。その後も多くの参加希望が寄せられ、追加開催を企画、メルマガで告知したところ、追加受付開始日に214席が埋まり、その4日後には追加開催分も320席すべてが埋まりました。受付開始と同時に多くのエントリーがあり、短期間で定員に達していることから告知広報は成功と見ています。

説明会のコンテンツ


阪大4年生による「阪大生協の活用法」
実体験に基づく説明、そしてコマーシャルだけにならないよう「コトの提案・情報提供」にこだわりました。例えばPCでは「生協提案のPCはハイスペックだけど高いです! なのでインターネットや履修登録、ワープロとかにしか使わないってヒトには高いのでお勧めできませ~ん!」と説明しています。
PC担当者から文句が出そうですが、説明会終了後に「今から予約したい」という複数の声がありました

自分が保護者なら知っておきたいこと・知っておいた方が良いこと」を基本に、保護者にもワクワク感を持ってもらうため、「大学生なら誰もが手が届く近い将来の夢・ステップアップ」も交え、職員と学生スタッフで意見交換し、作成しました。

●阪大生が大学生活、語ります![35分:学生]
大学とは?、阪大生の1年間、阪大生の4年間、留学・ダブルスクール・資格・免許、大学院進学、就活、サークル・バイト・お酒etc、自宅生の実態、下宿生の実態、だまされない力

●合格~入学のスケジュール[10分:職員]

●阪大生協の活用法[40分:学生]
生協の仕組み・店舗(簡単に)、いざという時の安心サポート、大学生の食事(ミールカード)、コトの提案(PC・電子辞書)、キャリアup 提案(PCスキル・英語スキル・コミュニケーションスキル)、得するサービス(スーツ・書籍カード)

●よくある質問[15分:職員&学生]

●個別相談・質問[退場自由:職員&学生]

説明会を終えて


図①:保護者説明会参加者アンケート

説明内容はきちんとメモをとり、終了後の個別相談・質問では多くの参加者がスタッフを取り囲む等、参加者の熱心さが伝わってきます

予約は満席でしたが、雨天の影響(?)か、当日キャンセルもあり、参加者は540人でした(昨年は268人)。

参加者アンケートの結果(図①)は「とても満足」・「満足」が94%を占めました。自由記入欄では「楽しかった・役に立った」、「学生の生の声がよかった」、「阪大と阪大生、生協のサポートのこともよく分かった」等、内容を評価いただいている意見が多く、また「この説明会に来て、是非とも子どもを阪大に通わせたくなった」等、阪大と阪大生のイメージアップに繋がったと思える意見もあり、説明会は一定の成功を収めたと思います。

そして、「遠方からなので、こういう機会を利用しての説明会は大変助かる」、「このようなイベントをありがとう」、「追加開催してくれてありがとう」、「生協のサポートが手厚いことがよく伝わった」、「生協が頼りになること・生協の前向きさが分かった」等、発表内容の枠を超えた嬉しい意見も数多くいただき、阪大生協が目指す「生協ブランドの構築」・「生協への信頼をつくること」に繋がる活動とも感じました。

今後もこういった情報提供を通じ、保護者の中にも「生協ファン」が数多く生まれるよう努めていきたいと思います。

(役員室 十川仁宣)

ざ★ポイント

  • 受験時に保護者説明会で情報提供を
  • 保護者の不安に応え頼りになる生協へ
  • あらゆる広報ツールで開催を伝えきる

『Campus Life vol.32』(2012年9月号)より転載