防災・減災を「わかる」から「できる」へ

髙木 朗義 教授(岐阜大学社会システム経営学環)

髙木 朗義 岐阜大学社会システム経営学環 教授
髙木 朗義 教授

阪神・淡路大震災から二十九年、東日本大震災から十三年の月日が流れました。2011年以降も熊本地震や平成三〇年七月豪雨など毎年のように自然災害が発生し、また本年もお正月から令和6年能登半島地震が発生し、尊い命が失われています。

私達は、これらの災害を教訓として、本気で自然災害で人が死なない社会を目指す必要があると思いませんか。その実現には、ひとり一人が災害に備える必要があります。どうですか、みなさんは防災対策ができていますか。気になる方は、『アプリ減災教室™』でチェックしてみてください。そして、無理せず一つずつでいいので、できていない項目をできるに変えてください。

多くの人は、防災・減災が社会において重要であり、自分にとっても大切だとわかっています。しかし、実際には十分できていません。つまり、「わかる」と「できる」は違うということです。意識向上だけでなく、実行しなければ災害を回避し、被害を軽減することはできません。一方、ほとんどの人は生涯に亘って災害に遭遇しないため、防災対策をしても無駄になることは事実です。しかし、これを損したと思わず、何も無くてよかったと言える社会にしませんか。最近では、台風接近時に鉄道の運休や企業の休業が早めに決定され、それが広くアナウンスされるようになってきました。災害を事前に回避する動きと、社会での受け入れが始まっています。

このように災害への備えが実行される社会、すなわち防災・減災を「わかる」から「できる」へ変わっていくことを期待します。もちろん、私も、そのような社会の実現に向けて、より一層努力していきます。

高木 朗義氏インタビュー 高木 朗義氏インタビュー

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