学部新入生のみなさんへ

辻 洋 先生
(元大阪府立大学学長・大阪公立大学生協理事長)

サイバネティクスから見た三行日記

辻 洋 先生
辻 洋 先生

辻先生の著書のご紹介
『しなやかにしたたかにシステム思考:学長からのメッセージ』

『しなやかにしたたかに
システム思考:
学長からのメッセージ』

サイボーグやサイバースペースと同じ接頭語を使っている「サイバネティクス」という言葉を聞いたことはあるだろうか。「船の舵を取るもの」という意味で、目標地に対して現在地からの差を継続して縮めるために行う人間と機械の相互関係に関する学問である。今では概念を大きく取り、工場の生産管理や経営などのPDCAでも利用される。

さて、多くの学生さんはコロナ禍で高校生時代にオンライン授業でパソコンを見る時間が長く、SNSの情報過多の中で緊張が続いていた。それが、入学後、夜でも明るい場所にいる時間が長くなり、大人数講義やクラブ活動から多くのストレスを受けているだろう。これを軽減するためには、現在の立ち位置を確認し、あるべき方向を客観的にみる必要がある。

その一つとして3行日記を紹介しよう。1行目には良くなかったことを書く。そして2行目に良かったことを書く。最後に明日以降どうするか(どう変わるか)を書く。寝る前に書くのが良いと言われている。これを継続して、さらに半年ごとに自分を整理するのも良い。半年前に何をしようとしていたのか、実際何をしたのか(できたこととできなかったこと)、そして、次の半年で何をする(自分はどう変わる)つもりなのかを整理してみよう。先生と相談するのもいい。先輩あるいは友人と語り合うのもいい。

コロナ禍後の学生生活を豊かに過ごすために、冷静にメタの視点から自分自身の目標、現在地、自身の次の段階を見つめ直してほしい。船を安全に舵取りするように。

辻先生の著書のご紹介
『しなやかにしたたかにシステム思考:学長からのメッセージ』

『しなやかにしたたかにシステム思考:
学長からのメッセージ』

学生の健康で安全なくらしを考える
~こころとからだを支える健やかな学生生活~