震災発生後から始めた大学生協連の震災復興ボランティア活動も4年が経ちました。今回は、8/16〜20の44タームでは七ヶ浜町の小中学校の学習支援を担当しました。子供たちは一見被災された地域の児童生徒であることを感じさせる場面はありません。しかし接する端々に体験を受け止めて生きていることが感じられました。海岸近くの再生農園では、草刈、種まき、農道整備をお手伝いしました。作業の合間では水産振興センターで津波体験のお話を聞いたり、石巻市街の復興の様子を丁寧に説明いただいたりしました。
9/1〜5の45タームでは名取市美田園地区の農地で細かなガレキ撤去作業をし、オクラの収穫も体験させていただきました。春のタームで植樹した桜(復興桜プロジェクト)の苗が育っていて周辺の草むしりもしました。これまでのタームでお手伝いしてきた閖上(ゆりあげ)地区のかさ上げ工事の進捗状況なども確認してきました。このタームでは石巻視察の途中で初期のボランティアの活動の場であった東松島に立ち寄り当時の体験などをお聞きしました。
ボランティアに繰り返し参加してくれる組合員も多く、復興再生の目に見える変化と、目に見えない一人ひとりの悲しみや、前向きな姿勢に触れ様々なことを感じ、考えるきっかけを掴んでいました。この経験を家族や友達に共有することを始めています。さらにこれがきっかけで行動を起こし始めています。9月の関東・東北豪雨のボランティアに参加した方もいると聞いています。
大学生協連は今後も、震災復興支援の活動を行っていきます。現地の支援はもちろんのこと、参加する組合員の気づきや成長ができるような活動を提案していきます。先日も福島県の視察を行いました。これらの活動は現地のみなさん、東北ブロックのみなさんのご協力無しにはできないことです。引き続きともにがんばりましょう。
全国大学生協連合会 会員支援部 石井 愛
2015年9月「未来の大学生応援募金」第 2 次として岩手・宮城・福島の被災高校 30 校を対象に一校10万円の義援金を贈呈しました。高校から感謝のお便りが届いていますので一部掲載いたします。大学生協東北ブロック復興再生タスクでは、これからも継続して応援募金に取り組んでまいります。
拝啓 初秋の候、貴団体におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。さて、このたび、「未来の大学生応援募金」の取組みから義援金を送って下さるとのご連絡をいただきました。心より感謝申し上げます。本当にありがとうございます。本校がある大槌町は、東日本大震災津波の被害を受けた地域でも、特に大きな被害を受けたところです。震災から4年が経過して現在でも、在校生の約4割が仮設住宅から通学している状況です。したがって、進学したい気持ちがあっても、家庭の経済状況から進学を断念する生徒も実際にいます。今回、皆さまからいただいた義援金は、生徒たちの進路指導に充てたいと思います。本当にありがとうございます。
なお、義援金の送り先を別紙のとおり報告いたします。よろしくお願いいたします。長雨の日々が続きますが、どうぞご健康にはご留意くださいませ。敬具
(岩手県立大槌高校)
ご支援を頂き大変ありがとうございます。大変助かっております。生徒たちのために有意義に使用させていただきます。厚く御礼を申し上げます。
(宮城県気仙沼高校)
ご案内ありがとうございます。ありがたく頂戴させていただきます。進学を希望している生徒が多くおりますので、生徒の進学に関する内容で使わせていただきたいと考えております。
(石巻好文館高校)
今回も大学進学生への奨学金を主に検討しています。ご支援ありがとうございます
(宮城県水産高校)
いつもご支援いただきありがとうございます。皆様からいただきます義援金は当校の生活活動に対して大切に活用させていただきます。末筆ながら皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
(福島県立浪江高校)
いつもお世話になりありがとうございます。本校もサテライト校として4年間が過ぎました。今後とも生徒、教職員、共に努力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(福島県立津島高校)
拝啓。秋涼の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。このたび、多大なるご寄付を頂戴しましたこと、心より御礼申し上げます。本校においては、平成23年3月に発生した東日本大震災とそれに引き続く原発災害から 4 年半が経過し、ようやく落ち着きを取り戻しつつありますが、未だ仮設住宅から通学している生徒、PTSDの悩みから心のケアが必要な生徒などもおり、震災の影響から完全には抜け出せない状況にあります。このような中で頂戴いたしましたご寄付は有効に活用させていただき、より一層の教育環境の充実を図るとともに、相馬地域はもとより、日本の将来を担う優秀な人材の育成に取り組んでまいる所存でございますので、引き続き、温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。最後に貴連合のますますのご発展を御祈念申し上げ、御礼のあいさつとさせていただきます。敬具。
(福島県立相馬高校)
① 被災影響の大きい高校(後援会)に大学生活ガイドブックとともに「義援金」として送ります。
② 被災地での「学習支援ボランティア」(東北ブロック主催)の費用に充てます。
※岩手県、宮城県、福島県を対象とします
「未来の大学生応援募金」の 振込先は、次の口座にお願いします。
七十七銀行 店コード 100( 普 ) 口座番号 7983492
未来の大学生応援募金 代表 戸田俊浩
震災後、亘理で始まった「そば」の大規模栽培を応援する「わたりのそばプロジェクト」。9月11日には「そばの花見会」が予定されていましたが、当日は県内に大雨特別警報が発令され、会場の山元町内全域には避難勧告が出され、企画は中止になりました。
以前水田だった所に植えられたソバ畑は一部で水没等の被害を受け、そばは雨に弱い作物のため収量の減少が心配されていましたが、10月中旬に収穫され、その後、製粉、製麺されて「復興亘理そば」に仕立てられます。乾麺は11月19日、生麺は12月中旬に発売開始予定です。
東日本大震災により多大な被害を受けた、宮城県内の農業・漁業関係者や食品関連業者が、互いに励まし合いながら地域復興を目指すことを目的として、2011 年7月2日に結成されました。
「食のみやぎ」の復興のため、つくる人と食べる人が、強い絆で、ずっとつながり続ける仕組み、それが「食のみやぎネットワーク」です。大学生協も共に連携して、被災地の食材や製品の取り扱い、地域との交流を進めています。
2015年10月11日(日)5会員26名が参加して岩手被災地訪問が行われました。岩手大学生協のご協力のもと、今回は陸前高田市を訪問しました。陸前高田市には全長3㎞にも及ぶベルトコンベアがあり、山を切り崩して土砂を運び、かさ上げ工事を加速させてきました。このベルトコンベアは9月で運転を終了し、解体を待つばかりとなっていました。また現在はレプリカが復興の象徴として立つ有名な「奇跡の一本松」を見た後、語り部ガイドの方の案内で震災遺構となっている「雇用促進住宅」を見学しました。この場所で亡くなった方はいないとは言え、他所に避難した後で被害に遭われた方もいるとのことでした。町を見渡せる丘の上から、実際に津波がどの高さまで来たのかを聞き、かさ上げが終わったあとの場所に家を建てる不安が大きいことなども語られました。その後、「まるごとりくぜんたかた協議会」のガイドの方には震災遺構「陸前高田市気仙中学校」「道の駅タピオ」での説明を伺いました。被災地を訪ね、現地の方の話を聞き、自分の目で見て感じ考えることで被災地を忘れない、語り継いでいくということの大切さを学ぶ、岩手被災地訪問でした。
高田高校の新校舎前で
2011年3月11日の東日本大震災の津波により、高田高校は甚大な被害を受け、教科書教材他、学習に必要な多くのものを失いました。間もなく、高田高校の教員と繋がりのある岩手大学生協教員理事からの呼びかけで、「高田高校へ辞書・参考書を送ろう」いう運動がおこりました。京都や名古屋の大学生協から2000冊近くの辞書・参考書が届き、2011年5月初旬に高田高校への贈呈を行いました。2012年2月に贈呈に係った大学生協関係者が高田高校を訪れました。応対された副校長からは、「贈呈の後になって初めてこの運動の取組みの大きさを知り、あらためて感謝の思いを強くした」というメッセージが寄せられました。メッセージは、「何もない中での教科書参考書の寄贈が本当にありがたかった」と締めくくられておりました。
2015年11月8日(日)震災タスク代表の板垣先生のご案内でみやぎ被災地を訪問しました。参加者は東北の5会員生協から35名が参加しました。
当日は、岩沼の千年希望の丘(仙台空港付近)、名取閖上の日和山、閖上の記憶、閖上中学校、仙台荒浜地域などでした。
仙台市は若林区と宮城野区の沿岸部一帯約1200ヘクタールを住宅が新築できない「災害危険区域」に指定しました。岩手県や福島県の被災地に比べると宮城県の被災地の復興は、堤防の建設、住宅建設のための「かさ上げ工事」などそれでも進んでいるように見えました。
しかし、すでに震災から4年以上経過しており、名取市閖上などは住民の半数が帰ってくるかどうかわからないという状況にあり本格的な復興・再生にはあと5〜6年はかかるのではないかと感じました。
名取市・閖上のボランティアさんは「夫と息子さんを亡くされた女性の方」で、当時のお話を聞くにつけ、心に重く響くものでした。
また、名取市・閖上にある閖上の記憶というメモリアル施設内では当時の津波の模様のビデオ上映があり、当時の子供達が作製したジオラマ(震災後の街、未来の街)からは「子供たちの夢と未来への希望」が伝わってきました。
私たちにできること、私たちがすべきことは「被災地を忘れないこと」「未来の大学生応援募金などを通じて全国と共に被災地支援を進めること」。
(みやぎインカレ常務理事 青柳範明)
東北復興・再生タスクでは以下の基本方針を掲げました。