「国内由来の外来種の問題」

全国大学生協連院生委員会
 2020.03.18 Vol. 32

「海外由来」だけじゃない外来種

こんにちは!愛知教育大学の教育学研究科M1のSHです。理科教育学の研究室で生物多様性の教育について研究しています。突然ですが、 “外来種”という言葉を知っていますか?近年、生物多様性を脅かす原因としてテレビでも取り上げられ話題になっています。しかし、外来種は海外から日本に来た生物と思っていませんか?実は国内から来たものも含まれます。生物の生息域に国境は関係なく、例えば北海道に元々いなかったものを本州から持ち込めばそれは国内由来の外来種ということになるからです。実際に、岐阜では元は生息していないオヤニラミという魚が県内の川で繁殖していることが確認され、人為的に放流したと推定されたそうです。

それでは、国内由来の外来種がなぜ問題となるのか考えてみましょう。まず1つ目の問題としてその地域の元々の“生態系が崩れる”ということです。元々棲んでいた生物と餌やすみかをめぐり競合が起こります。先ほど紹介したオヤニラミは川の魚や昆虫を食べてしまうことから駆除が進められたそうです。そして2つ目の影響は“遺伝子汚染” です。同じ種類のように見えても、実は地域ごとに特有の遺伝子をもつ生物もいます。その生物が他の地域の別の遺伝子を持つ個体と交雑してしまい、その地域特有の在来種の遺伝子が失われる危険性があります。

この問題でよく取り上げられるのがホタルの保全活動です。昔いたホタルを復活させようと他の地域から幼虫を持ち込み放流することはまさに国内由来の外来種を作っています。さらに私たちの身近で考えてみましょう。例えば旅行に行って無意識にどんぐりを採集したり、カブトムシなどの昆虫をとる。それを持ち帰って放つ。こんな経験はありませんか?こうして無意識に自分が国内由来の外来種を作ってしまう危険もあります。これから国内外来種問題を広げないために正しい知識を持ち、1人1人が対策していくことが大切です。

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参考

環境省 日本の外来種対策

発行元

全国大学生協連 院生委員会

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