社会を切り取る経済指標のはなし

全国大学生協連院生委員会
 2020.10.21 Vol. 46

今の経済って良いの? 悪いの?

大阪大学工学研究科修士2年のうえはたです。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大に伴い、経済への影響というものが現れています。そこで今回は、そんな状況が私たちへ与えた影響をニュースで教えてくれる「経済指標」をきっかけに社会を考えてみたいと思います。

例えば、有名な経済指標の一つに「GDP」という指標があるのはご存じですか?これは国内総生産(Gross Domestic Product)のことで「国内で創出された付加価値の総計」平たく言ってしまえば「どれだけ国内でもうけが生まれているか」に関する指標です。

しかし、ニュースでGDPの値の増減を聞くだけで本当に今の社会経済の現状を理解できたといえるでしょうか?

まず、世の中にはGDP以外にも類似の文脈で用いられる「景気」「失業率」「消費者物価指数」「総雇用者報酬/実質賃金」などなど…経済指標が数多くあり、それらの指標を起点として経済が語られることもあります。

更に、それらの値の増減が私たちの生活の進歩や満足度の増減を完全に表しているとは言い切れない側面があります。これらの値はマクロな経済指標であって、その増減が必ずしも私たち個々人の生活の幸福度合いを直接的に表すものとして機能するとは限らないからです。

では、私たちがそういった指標から社会経済や生活の現状を本当の意味でとらえることはできないのでしょうか?

私の意見では、画一的に経済をすべて測れる指標というのは確かに存在しないかもしれません。しかし、それを踏まえて、上述したような指標の増減がもたらす意味を深く理解していくことこそがとても大事なことです。それは、より多くの尺度を知るということはより多様な切り口を持つということに他ならないからです。

そして、それは経済に限らず、多様な切り口を持つということが例えどんな状況下でも適切なリテラシーを持ってニュースの意味するところを的確に捉えられることに繋がっていくのかもしれません。

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参考文献

◆大野和基 インタビュー・編
「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」

◆国際通貨基金(IMF)
「2020年4月 世界経済見通し(WEO)」
 https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/
Issues/2020/04/14/weo-april-2020

発行元

全国大学生協連合会 全国院生委員会

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