低炭素・脱炭素社会に向けて

全国大学生協連院生委員会2021.11.17 Vol. 54

聞いたことはあるエネファーム

大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻のNKです。社会をよりよくするための全体最適化を行う手法について研究しています。

近年、世界的に低炭素・脱炭素に向けた動きが加速していると感じます。カーボンフリーなエネルギーとして水素が注目されており、水素を用いた発電の一つにエネファームがあります。

エネファームは、水の電気分解の逆の原理で水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を生み出します。このとき同時に発生する熱でお湯を沸かし、給湯などに利用します。普段私たちが使っている電気は大規模発電所で作られ送電されますが、多くの排熱を利用できなかったり、電力の一部は送電ロスで失われたりします。これに対してエネファームは排熱を利用し、各家庭でエネルギーを作り使うため、ロスが少なく省エネ・環境性に優れているといえます。

ここで注意したいのは水素を都市ガスやLPガスから取り出す際に二酸化炭素が発生しているという点です。生成過程で二酸化炭素を排出する水素はグレー水素と呼ばれています。しかし、二酸化炭素が一旦排出はされるがそれを回収するブルー水素の研究がされており、そもそも先ほど述べた通りエネルギー利用率がとても高く、結果として低炭素につながっています。

低炭素・脱炭素に向けて様々な新技術の開発、導入が進んでいますが、その詳しい仕組みまで理解して利用することが重要なのではないでしょうか。

参考: https://www.gas.or.jp/user/comfortable-life/enefarm-partners/enefarm/ https://www.technologyreview.jp/s/254784/can-green-hydrogen-be-the-main-driver-of-decarbonization/

SDGs SDGs

大学生協は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています

発行元

全国大学生協連合会 全国院生委員会

次号の発行は11月24日です。「感染症対策に有効な界面活性剤」をお届けします!