地域のつながりをつくる自治会の挑戦

全国大学生協連院生委員会 2023.03.22 Vol.60

地域の価値を高める自治会活動

こんにちは!大阪大学大学院M2のY.Yです!私は日頃、都市計画と社会学を融合させたソフト面での街づくりについて研究しています。街づくりが取り扱う地域は、大都市のエリアマネジメントから地方山間部の再生に至るまで多岐にわたります。さらに、「コミュニティ」「環境配慮」「過疎地域の再生」「社会インフラ」「バリアフリー」など、空間に関わる全てのテーマが研究領域となります。その中で、私が特に関心を持っているのは地域コミュニティの再生です。

皆さんは、自治会・町内会についてどのようなイメージがありますか。「昔ながら」「時代遅れ」といったイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。かつては地域住民のほとんどが自治会に加入していましたが、ここ数年の加入率減少は著しく、ここ10年の変化をみても、平成22年に78.7%であった加入率は令和2年に71.7%へと低下しています。特に大都市では減少幅が大きく、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化などが大きな要因であると考えられています。

一方で、自治会が担う役割は多岐にわたり、地域の環境維持や防犯活動、地域住民間の親睦や交流を深めるといった機能を持っています。その中でも特に注目されているのは、防災・減災に効果を発揮するという点です。自治会で自主防災組織を設置し、避難所運営マニュアルを作成し、日頃から防災訓練を行っていた地域では、東日本大震災においても災害被害が少なくスムーズに対応できたという特徴があります。自治会活動を通じて日常的にコミュニケーションを取れていたことで、信頼関係が生まれ助け合う関係性ができていたという声もありました。

自治会のイメージを改善するために、以下の3つの方向性で新たな活動に取り組む地域も増えており、今後の動きに注目です。

自治会の機能を高める3つの方向性

  1. 問題対処機能の強化(交通安全や消費者被害防止、青少年育成や地域での教育活動、貧困対策などに力を入れた取り組み)
  2. 環境・施設維持機能(地域の美化活動や地域共用施設の設置などの取り組みを通じて地域の住環境を向上させる取り組み)
  3. 親睦機能(運動会やお祭りなどを通じて自治会非加入者も含めた地域コミュニティの活性化を図り、地域の価値を高める)

SDGs SDGs

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発行元

全国大学生協連合会 全国院生委員会

次号は「考えてみよう「夫婦別姓」をお届けします!