全国大学生協連第66回通常総会

本総会の開催にあたって

開会宣言

全国大学生協連 
2022年度全国学生委員会
副委員長 原田 将弥・林 優樹

それではこれより理事会を代表して全国大学生活協同組合連合会、第66回通常総会の開会を宣言いたします。初めに本総会の資格審査について報告いたします。
本総会は9時55分現在、 215会員生協、代議員総数353名中、本人出席4名、書面出席346名、委任出席0名、計211会員 350名の参加で本総会は立派に成立しておりますことをご報告いたします。(拍手)

続きまして、本総会を運営するにあたり、総会運営規約に基づき、議長の選任を行います。 議長は、理事会より推薦いたします。議長には、大阪大学生協の木下高志議員を推薦させていただきます。よろしければ拍手でご確認ください。(拍手)
それでは木下議長、よろしくお願いいたします。

全国学生員会 副委員長 林 優樹

理事会からの挨拶

全国大学生協連 会長理事 生源寺 眞一

“難局を乗り越え、新たな地平に”

全国大学生協連 会長理事
生源寺 眞一

全国大学生協連第66回通常総会の開催にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。タイトルを「難局を乗り越え、新たな地平に」といたしましたが、この1年間というよりもコロナ禍の3年間を改めて振り返りたいと思います。

まずは、新型コロナウイルスに向き合いながら頑張り通した大学生協の皆さんに心から敬意と感謝の意を表します。スライドには「新型コロナウイルスと向き合いながら」とのフレーズも掲げましたが、実はこの文言は一貫して理事会で使用し、昨年の総会でも使わせていただきました。コロナ禍も3年目が過ぎようとしており、社会全体としても落ち着きを取り戻しつつあるとは思いますが、第8波で依然として気を緩めることができない状況であることはご承知のとおりです。他方、2月24日、ロシアのウクライナ侵攻によって世界情勢が急変しました。特に食料、エネルギーなどをめぐって不測の事態が発生するリスクに関しても、リアリティが増していると申し上げてよいと思います。

改めて振り返りますと、3年前のコロナ禍の発生とともにキャンパスライフが激変し、「キャンパスライフが消えた」とも表現されましたが、生協の役職員の皆さんを中心にコロナとの闘いがスタートしました。急変する業務関係への日々の対応、あるいは時間単位の対応というところから始まって、週間、月間、年間レベルでの事業の見直し、さらには中長期的にポストコロナを見据えた経営方針の検討も行われてきました。また、この状況下で大学生協連は緊急アンケート調査を実施するなど、学生生活の実態把握にも注力してまいりました。

2年目には「暮らしの危機」「学びの危機」「コミュニティ(つながり)の危機」を議論し、この3つの危機を社会に発信してきました。大学生協連としては、会員生協の経営状況と明日へ向けた取り組みを踏まえながら議論を積み重ねるプロセスを経て、昨年12月の第65回通常総会で「大学生協『再生』基本方針」を採択していただきました。この基本方針の目的は組合員の暮らし向上であることを確認し、そのもとで会員生協の経営再生と事業連合などがベースの大学生協事業再生を強調してきたわけです。総会では再生基本方針と並行して、学生委員の皆さんの思いのこもった「つながる元気、ときめきキャンパス。組合員をど真ん中に!」を大学生協の活動テーマとして掲げることになった次第です。

この流れとも関連しますが、大学生協の特徴は会員生協、地域ブロック、全国大学生協連の学生委員を中心とした“若者力”の発揮であることを強調したいと思います。コロナ禍のもとでのアンケートの実施と分析は社会への発信源という点で注目されましたが、この中心にあったのは若者たちのパワーでした。現時点で大学に在学中の皆さんは、最も多感で人格形成が急速に進む年齢でコロナ禍に向き合っておられます。1980年代後半に卒業した学生を「バブル世代」などと表現することがありますが、皆さんは将来「コロナ世代」と称される可能性もあります。ただし、コロナ禍で過ごした学生生活がバブル世代と違う点は、国境を越えて同じ苦労を体験されたグローバルな共通項のあることです。

非常に厳しい環境下で協同組合などの組織間の支え合いの大切さを実感したのもこの3年間でした。たとえば大学生協の「たすけあい奨学金」へのサポートです。「たすけあい奨学金」はコロナ禍の厳しい状況の中で支給枠を広げる措置をとってきましたが、基本的には寄付に支えられている構造です。本年も、コープ共済連とコープあいちから多額の浄財を寄付していただいたのをはじめ、多くの皆さんからさまざまな形で支援を頂戴していることについて、改めて大学生協連として感謝の言葉を申し上げたいと思います。

もう一つ例を挙げますと、多くの大学生協の食堂で使われているのは認定NPO 法人JUON(樹恩)NETWORKの割り箸です。私も福島大学の食堂ではJUON割り箸を使っています。ただ、コロナ禍で食堂の利用が激減し、非常に厳しい状況になりました。しかし、大学生協連からのいろいろなはたらきかけで大幅に回復し、割り箸の社会的効果である森林の保全、障がい者の仕事の確保に大いに貢献しています。私はJUON NETWORKの会長でもありますので、その立場からお礼を申し上げたいと思う次第です。

挨拶を結びたいと思います。私は理事会などの挨拶の中で、専門分野の経済学や農林業資源の領域の著名な方の言葉をときおり引用してまいりましたが、本日は経済学の始祖の一人、アルフレッド・マーシャルのケンブリッジ大学教授就任時の公開講義の一節をお伝えしたいと思います。これは私自身、過酷な状況下でも常に脳裏から離れない箴言です。
“Cool Heads but Warm Hearts.” (冷静な頭脳と温かい心情を持ち、彼らを取り巻く社会的苦悩と取り組むために、その最善の能力の少なくとも一部を進んでささげようと志し、力の及ぶ限り努力しないうちは、決して満足に甘んじることのないようにと決心した、そういう人たちの数を一層多くしよう)
経営についてはCool Head(冷静な判断)が必要ですし、たすけあいが大切だという気持ちの基にあるのはWarm Heart(温かい心)ですから、協同組合の理念とも通じており、ひいては人間社会のあるべき姿の表現だといってもよいと思います。

最後に、本日の総会を節目に任務を解かれる役職員の皆さんや退任される学生委員の皆さんに心から感謝の意を表します。本日の全国大学生協連通常総会が、ご参会の皆さんにとって実り多いものであることを祈念申し上げて、私からの挨拶を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

第66回通常総会
議案提案

全国大学生協連 全国学生委員会 2022年度学生委員長 角田 咲桜

第1号議案提案

全国大学生協連 
2022年度全国学生委員会 委員長 角田 咲桜

全国大学生協連 全国学生委員会 2022年度学生委員長の角田咲桜です。私からは第1号議案を提案します。

議案提案の前に総会議案の策定過程についてお知らせいたします。9月下旬に一次資料を会員生協に発送し、ユニブトークを開催しました。12月初旬に会員生協へ議案書等を配信し、主に書面議決ではありますが、今、全国総会を迎えることができています。今年名称を変更して初めて開催したユニブトークは、合計116会員生協330名の参加でつくり上げることができました。ありがとうございました。

MORE

第1号議案の提案に入ります。

まず、議案書に掲載はありませんが、第1号議案の位置付けについて提案します。これから提案する第1号議案は、全国の一つひとつの大学生協、事業連合、全国大学生協連に関わる全ての人の進むべき方向性を示すものです。第1号議案は3章で構成されています。2023年度の活動方針は第1章・第2章を踏まえて、第3章目指す方向性にまとめられています。

第1章
2022年度全国の大学生協の到達点
第2章
2023年度予想される社会の動きと私たちへの影響
第3章
2023年度全国の大学生協の活動方針

2022年度、私たちは「つながる元気、ときめきキャンパス。~組合員をど真ん中に! 組合員の参加と協同で、人がつながる・元気がつながる大学生活を創りだそう!~」をテーマに取り組んできました。続くコロナ禍で組合員の暮らしは多様化しましたが、一人ひとりの組合員をど真ん中に据えて、今の大学生協に必要なことを組合員と共に、組合員の生活を出発点に考えました。大学生協の取り組みや日頃の組合員とのコミュニケーションにたくさんの組合員のつながりや元気、そして笑顔がつくられたのではないでしょうか。

第1章 2022年度全国の大学生協の到達点

第1章は、2022年度の活動方針と、大学生協2030Goals、この二つの視点から2022年度を振り返っています。

活動方針への視点の振り返りの詳細な提案は省略させていただきますが、ぜひ議案書本体をご覧ください。

組合員をど真ん中にした大学生協再生の協議や、組合員がお店で間接的につながれる場をつくること、学生から学生へ健康で安全な生活を呼び掛ける取り組み、教職員と共に学生の学びを支える取り組み、社会的課題解決に取り組む学生団体と協力した取り組みなど、少しずつ大学の活気が戻ってくる中で、組合員の生活を出発点にした多くの取り組みで、たくさんの成長の場、つながれる場、元気になれる場がつくられました。

の写真は、第1章で取り上げさせていただいた取り組みの画像の一部になっております。この写真だけでも22年度の頑張りが伝わってくるのではないかと思います。皆さんもぜひ、大学生協のこの1年の取り組みの写真をまとめてみてくださると、2023年も頑張るぞ、という気持ちになれるかもしれません。
議案書本体では取り組みをより深めるために、ブロックニュースやセミナー等での報告動画、SNSでの発信を記載している取り組みもありますので、ぜひご覧ください。

次に、大学生協2030Goalsの視点で2022年度を振り返ります。
大学生協2030Goalsとは、大学生協がこれからも守りたい価値、そしてこれからの社会において想像したい価値などをまとめています。詳細は、大学生協連のホームページからご覧ください。議案書からもご覧いただけます。少し小さいですが、図のようにビジョンやGoalsがまとめられています。

下図は、方針とGoalsの関係性を示したものです。方針も大学生協2030Goalsも、目指す場所は同じです。2022年度の到達状況を振り返るために、第1章で取り上げた2022年の取り組みを、大学生協2030Goalsを基にマッピングしました。

方針1の取り組みは赤色の付箋、方針2が青色、3がオレンジ、4が緑色となっております。ここではビジョンの1に注目をして見てみます。ビジョン1は、つながりのプラットフォームとしての大学生協です。ビジョン1では、組合員と生協が親しみをもってつながれること、大学コミュニティのハブとして、全てのキャンパス構成員が活動に参加できる・つながれるようになっていることなどを示しています。
マッピングをして見えてきた成果としましては、22年度の大学生協は、会員再生計画の具体化や、組織委員会の活動を通じて、組合員のつながりをつくることができたということです。こちらのマッピングのシートを見ると、ピンク色の付箋が多くなっています。つまり、2022年度の活動方針1に関連した取り組みが多いということです。これは成果でもあり、展望でもあると思います。つながりをつくるプラットフォームとして、あらゆる場面で多くの組合員とつながることが大切です。2030年に向けて、組合員同士のつながりの中で心身の健康を支え合うことはできないか、つながりの中で学生の学びと成長をつくれないかなど、方針1に限らず可能性を考えていくことが2023年の展望として挙げられます。

第2章 2023年度予想される社会の動きと私たちへの影響

新型コロナウイルス感染症の影響で見ますと、今後リモートワークやオンライン講義など、コロナ禍で得た新しいライフスタイルを持ち合わせながら、withコロナの社会へと移行していくと予想されます。
また、平和と国際政治に関しては、今年の2月にロシアによるウクライナ侵攻という、平和を揺るがす大きな出来事が起きてしまいました。冒頭の生源寺会長の挨拶にもありましたが、平和を揺るがしただけでなく、私たちの暮らしにも大きく影響が出ています。その他社会の動きについては、議案書の本体をご覧ください。

第3章 2023年度全国の大学生協の活動方針

2023年度の活動テーマは、「つながる元気、ときめきキャンパス。~協同で広がる、組合員の元気!~」です。Withコロナの社会へと徐々に移行していくと予想される23年度。また、大学生協再生の具体化が進み、多くの実践やチャレンジがなされると予想される23年度。そんな年だからこそ、「人と人とのつながりで大学や大学生協、組合員の元気をつくろう」という思いをストレートに込めました。私たちは、人と人とが夢や願いを共有し、協同したときに、大きな力が、大きなパワーが生まれることを知っています。この協同に確信を持っていると思います。協同の力で組合員のより良い生活と平和を実現し、元気あふれる、笑顔あふれる大学生活をつくりましょう。

下図は、2023年度の全国の大学生協の活動方針です。4つの縦軸と3つの横軸があります。23年度の方針では、全ての大学生協の事業と活動で取り入れたい3つの重要な視点を決定しています。それが横軸です。この3つの重要な視点について説明します。

3つの重要な視点

①「店舗(購買・食堂)で運営に参加する」

現在の組合員の現状として、学内滞在時間が減少しています。大学に人は戻ってきましたが、空きコマをキャンパスで過ごすことが少なくなる、授業が終わったらすぐに帰ってしまうなど、大学での生活が短くなっています。運営参加の点で現状を見ますと、第57回学生生活実態調査の結果では、「大学生協の運営に参加してもいい」と回答した組合員は22.7%でした。第55回・第56回の調査からは徐々に増えています。大学生協の店舗にさまざまな役割を期待できるからこそ、もっと積極的に店舗を活用し、組合員との接点づくりをすることが求められます。だからこそ、この2023年度、大学生協らしいお店とは何か、今の大学の組合員にとってどのようなお店が求められているのかを組合員と協議し、行動しましょう。店舗から利用・運営参加を広げていきましょう。組合員の運営参加や組合員のコミュニケーション作りなども大学生協にしかできないお店作りで、組合員に選ばれる店舗をつくりましょう。また、店舗でもあいさつや組合員・組織委員会との日頃のコミュニケーションが関わる人の元気や成長にもつながると思います。

②「ささえあい、たすけあう」

7月に実施した、「届けよう、コロナ禍の大学生活アンケート」では、「“失われた大学生活”を取り戻したい」「集団で何かを成し遂げた経験がない」という学生の声が寄せられました。このように大学生活において、何か経験を求める声がとても多くあります。
大学生協の現状を見ますと、大学生協共済連が解散し、コープ共済連の下で大学生協の学生総合共済が新しくスタートしました。私たちの共済を組合員の参加と協同で発展させるために、日常時から、そして今まさに多くの会員生協で力を入れて取り組んでいます。共済は協同の想いを制度化したたすけあいの仕組みだということを再確認し、取り組んでいます。だからこそ、23年度「やってあげる」ではなく「一緒にやろう」という気持ちを大切にしましょう。「大学生協が何かをしてあげる」ではなく、大学生協のステークホルダーを生かして、人と人とをつないでいきましょう。一緒にやろうということを大切にすることで、組合員に協同体験を広げ、組合員のより良い生活と組合員の成長がつくられます。経験を求める声が多い中、今こそ大学生協の魅力が生かされる時だと思います。組合員の経験・成長を支え、「ありがとう大学生協」「これがやりたかったんだよ」「この経験ができて良かった」と言う組合員の成功体験を積み重ねましょう。

③「大学や地域と連携する」

大学はSDGsが掲げる地球規模の諸課題に対応しようとさまざまな取り組みを展開しています。また、18歳人口が減少し、生き残りをかけた大学間競争が加速化する中で、より地域に開かれ、地域社会の発展に貢献する大学づくりがすすんでいきます。大学生協に目を向けると、コープ共済連のコープ学生総合共済の共同引受を契機に、地域生協との連携が一層進んでおります。だからこそ23年度組合員の現状や学生支援の課題を一つひとつ大学に相談・提案し、大学で生活する人のためになる、頼りになる存在になりましょう。大学と大学生協と地域で連携し、地域社会の発展に取り組みましょう。そして、連携した取り組みで、大学生協の魅力を、大学生協のない大学にも広げていきましょう。大学や地域と連携することで大学生協は大学を通じて魅力をつくることができます。

これら3つ、「店舗で運営に参加する」「ささえあい、たすけあう」「大学や地域と連携する」が3つの重要な視点です。全ての大学生協の事業と活動に取り入れていきましょう。これらを取り入れていくために、縦軸の活動方針それぞれに3つに重要な視点ごとにどのようなことを取り組むのか、具体的な行動目標をまとめています。詳細な目標は、議案書本体をご覧ください。提案では縦軸を簡単にご紹介いたします。

活動方針❶「組合員が参画する場づくり」

組合員が利用参加し、自分たちの生活向上を実感できる大学生協づくりを進めましょう。

活動方針❷「健康安全」

組合員の生活実態を把握し、大学生協全体で組合員の健康で安全な生活を支えましょう。

活動方針❸「これからの学びと成長」

組合員の学び方や大学の学習支援について把握し、組合員が仲間と共に自己実現・成長する機会をつくりましょう。

活動方針❹「社会をつくる」

SDGsの達成に向けて、組合員の興味関心を出発点に、「知り・知らせ・考え・話し合い・行動する」きっかけをつくりましょう。

最後に、改めて2023年度の活動テーマと方針をお伝えし、第1号議案の提案とさせていただきます。
2023年度の活動テーマは、「つながる元気、ときめきキャンパス。~協同で広がる、組合員の元気!~」です。縦軸と、3つの重要な視点である横軸、その交わるポイントが多くなる取り組みを全国で取り組んでいきましょう。そのような取り組みが増えたとき、協同の力で組合員の元気がどんどんと広がり、大学に大学生協があって良かったと思う組合員が増え、自分自身の大学生活や今後の人生に希望に満ちた組合員が増えていくのだと思います。
そんな2023年度を皆さんと一緒につくっていきましょう。
以上で第1号議案の提案を終わります。ありがとうございました。

第66回通常総会
議案討論

立命館生協 専務理事 風折 昌樹

議案討論①

立命館生協 専務理事
風折 昌樹

議案全体に関して賛成の立場で、立命館2030Goals の取り組みを紹介させていただく発言をします。立命館2030Goals 策定過程においては、4つのことを大事にとりくんできました。①たくさんの組合員の声と参画でつくりあげること、②理事も監事も一緒につくる楽しい理事会運営ですすめること、③学生委員の元気を組織のパワーにすること、④職員にとっては未来の職場=職員と一緒に考え、つくりあげること。これらを進めていくことで、組織が少しずつ元気になっています。

組合員の声を集める場面では、「つながり」、「学び」、「健康・安全」、「大学への貢献」、「地域への貢献」の5つに分類し、アンケートへ協力を呼びかけることはもちろん、店内での直接ヒアリング活動、研究室・事務室訪問、学生委員から学長へインタビュー等もすすめてきました。健康・安全、食への興味関心は非常に高く、期待の声はもちろん、「生協いいね」という声もたくさん集まってきました。一方、SDGs や、社会的課題に関心を寄せている学生が多いこともわかってきました。「私達が、生協のお店で気軽にSDGsに参加できる場面をもっと増やしてほしい」などのリアルな声を理事会で共有しながら、「平和という視点も大事にしよう!」、「組合員が生協の運営に参画できることを知らせ、その場面を増やそう」と議論をすすめています。キャンパス毎の要望についても議論できる時間を確保することで、教職員理事監事と学生理事監事が一緒に議論できる、活発な理事会となっています。

学生委員や生協職員が、学び合い、一緒に考える場面づくりが組織の元気にもつながってきています。例えば、「学び」に関する事業という側面があったとしても、トークイベントという活動にすることで、店舗で組合員どうしがつながりを感じ、大学や社会にも貢献する活動となっていること。また、学内団体と協力しながら、食堂の残飯を肥料に変え、その肥料から育った野菜を購買や、食堂のメニューとして販売する活動もすすんでいることなど、学び合いながら、次の企画につなげています。まだまだ課題はありますが、方針に提起されているように、組合員はもちろん、自治会や大学職員との協力関係をより一層広げ、店舗を活用しながら、組合員の生活がゆたかになるようなとりくみをすすめていきたいと思います。

茨城キリスト教学園生協 専務理事 島田 祐一

議案討論②

茨城キリスト教学園生協 
専務理事 
島田 祐一

議案に賛成の立場から、特に第一号議案の中身を深めるような発言をしたいと思います。テーマは、「茨城キリスト教学園生協学生委員会の再興と再生」です。
簡単に当生協の紹介をしますと、1学年600人前後、組合員数2485人、供給高2億2000万。非常に小さい生協で、職員は私1名、後はパート職員で運営しております。キャンパス内にはこども園、中学校、高校もありますが、生協の組合員は教職員と学生です。

茨城キリスト教学園生協は1999年4月に2000人の署名を集めて設立しました。大学生協としての歴史は浅く、今年で24年目を迎えます。実は生協初代学生委員長は私、島田です。初代理事にもなったので、第1回理事会にも出席しています。当時のコメントを見ると、「生協は夢や希望の出発点。僕たちの生協がたんぽぽ のように親しまれる存在になるような活動をしていきたい」とあります。ひまわりのように伸びなくてもたんぽぽのようにグッと根を張って、ふわふわの綿毛で種が広がって花咲く、というようなイメージでしょうか。

私は1999年、大学3年生のときに生協設立準備会に関わり、生協設立後に生協学生委員会を立ち上げ、上級生が1名しかいなかったため、流れで委員長を引き受けました。その後2001年には信州大学生協、2012年には茨城大学生協で働きました。職員になって22年目です。
そして、2020年6月。いよいよ、母校の生協の専務理事になります。自分がつくった生協に自分が働くというのは夢だったのですが、待っていたのは誰もいないキャンパス。コロナ禍真っ只中の大学でした。オンライン講義で大学生はいない、学内のサークルは全て活動禁止、生協学生委員会も学内に入ってこられない。夢に描いていた母校の専務理事としての仕事とは大きくかけ離れたものでした。

対面授業の再開はその年の9月と早かったのですが、残った学生委員は3年生2人、2年生1人。3月に新入生歓迎会を実施予定でしたが、コロナ禍で中止になり、1年生はいませんでした。
それまでの生協学生委員会の活動は「春に新歓をやって部員を集めて、機関誌『おおみかウォーカー』(この名前を決めたのも初代委員長の私です)を発行し、新歓パンフを作って新歓をやって」というのが主で、学生委員以外が参加する企画はあまり行われていませんでした。
活動の再開を模索しましたが、機関誌を作るにもネタが無い、学内で交流会をやろうとしてもそのたびにサークル活動が禁止になる、新歓企画は(コロナ禍で)やっていいのかわからない、ということで2020年度は終了しました。

残ったメンバー3人に話を聞くと、「なんとなく楽しそう」で入った生協学生委員会だったので、連帯の場とも温度差を感じて、オンラインでもセミナーには参加したくないとのこと。結局活動が何も無いので、私と学生委員も疎遠になりました。
そうした中、学生委員会活動が休止中でも私やパート職員がいろいろとイベントをやっていました。お店を楽しんでほしいと、学園祭実行委員会と学食メニューバトル、学生NPO団体と「そう政治カレー」、パート職員中心に抽選会などをやっていました。学生委員会にやってほしいと思う活動を、私たち職員がやっていたという感じでした。
でも、私たちの願いは「生協学生委員会と連携して、店舗が盛り上がるような活動がしたい」、「自分が立ち上げた学生委員会を再興したい」というものでした。「自分がつくった生協学生委員会を自分が専務のときに途絶えさせたくない」という気持ちもありました。
そうこうしているうちに2022年になり、東京ブロック学生事務局の中で学生委員会の活動を盛り上げる重点支援の対象になりました。ブロック事務局や茨城大学の生協学生委員会の力も借りて、パソコン講座講習会での宣伝や焼きたてパン試食会、POP作成体験会などを実施しました。盛り上がったなというところです。

そしてついに、全員1年生、約10人のメンバーで生協学生委員会が活動を再開しました。最初の企画はポッキーとトッポのお菓子バトル。シール投票で、POPの作成や宣伝、集計なども学生委員がやりました。買ったほうは10円引きです。学生委員会活動が約2年数カ月ぶりに再会した瞬間でした。
活動再開後、夏休みにはいろいろなセミナーにも参加してもらいました。集い、全国共済セミナー、東京地区の共済推進委員会にオブザーバー参加。学園祭では豚汁屋をやったり、入学準備説明会では学生委員会を紹介する1分間のプロモーションビデオを作ったりしています。また、その説明会では“学生からの声”ということで、先輩から合格者へ入学までの心構えや、やっておいて良かったことなどのアドバイスも動画で制作してもらいました。

さて、茨城キリスト教学園生協にとっての再生は、24年前の設立趣意書に一旦戻って考えます。「誰かに頼んで営業してもらっているお店ではない」、「組合員が自主的に参加して教育・研究をよりよいものにする」。今日の第1号議案で提案されていることと一緒です。あらためてこれを軸にした運営を考えています。
まずは活動を再開した生協学生委員会が生協の運営に自主的に参加して、自分たちで大学生活や大学環境を充実してもらいたいです。以前の学生委員会活動は、ケーキバイキングや食生活相談などをやっていた年もあるようですが、なかなかほかの学生が参加するところまでいかなかった。学生委員会が店舗や学生委員以外の学生と距離があったのではないか、と思いました。そこで現在の学生委員会活動は「店舗と学生の参加を中心に」、まさに今再設計をしている真っ最中です。そのためにも今は学生委員会の認知度を学内で高めていく、部員を増やしていくフェーズの只中にいます。最終的には「生協を夢と希望の出発点として学生には成長してほしい」、そう願っています。

「茨城キリスト教学園生協の再生は生協学生委員会の再興の未来なり」。茨城キリスト教学園生協の再生は生協学生委員会の再興のその先にあります。次に発言する吉田委員長は、私としては非常に頼りになる相棒が来てくれたなと思っており、学生委員会も絆を深めながら、いろいろな活動をしていってほしいと思います。
私たちの活動が何かの参考になれば嬉しいです。以上、茨城キリスト教学園生協の総会発言でした。

茨城キリスト教学園生協 学生委員会委員長 吉川 範周さん

茨城キリスト教学園生協 
学生委員会委員長
吉川 範周さん

私がこれからやりたいことは、地域の他大学、近い所で茨城大学になると思いますが、茨城大学さんの生協と協同でイベントを行えたら楽しいんじゃないかなと、そちらを目指して、私が卒業するまでに実現させたいなと頑張っています。
また、先ほど10名部員を集めたという説明がありましたが、私が半ば無理矢理に引っ張ってきた部員もいるので、学生委員同士の意識の差がとても大きく、来年度はそちらの意識改革、並びに部会などへの参加、意識向上を図れたらいいなと思っております。

次に、生協学生委員になった理由と連帯に参加した感想を述べます。
まず、生協学生員になった理由は、都内や有名大学に通う学生さんには縁のない話だと思うのですが、地方の私立大学になりますと、普通に高校卒業後即入学というのが当たり前で、大学1年で20歳超えというのはなかなかいないのです。しかし、私は前に通っていた大学を辞めて現在茨城キリスト教大学に通っているので、今の時点で22歳、卒業時には25、26歳になり、ちょっと社会人としては遅れたスタートになってしまいます。その際にガクチカでアピールできるものがあるといいなと思っていたところ、ちょうどパンの試食会で来ていた生協学生委員会の事務局の方から「パイオニアになれるよ」と魅力的なお話を頂いたので、「よっしゃ、なろう」と思いました。全くもって最初からだったので大変ではありましたが、委員長をさせていただいております。

連帯の感想は、イベントなどもありますが、「他大学でやっているから自分たちもやろう」というのではなくて、それを参考にして自分たちで新しいイベントも作っていけたらなと思っております。先ほど言ったように実現可能かは分かりませんが、他大学とも連携して新しいイベントを行ってみたいというのがそれに当たります。そのためには、現段階で所属している生協学生委員会のメンバーは、組合員の声もちゃんと聞いて汲み上げなければいけません。その辺をアンケートなどもとりつつしっかりとまとめ上げたいと思っております。ありがとうございました。

討論のまとめ

全国大学生活協同組合連合会 専務理事 中森 一朗

全国大学生協連 専務理事
中森 一朗

立命館生協の風折代議員、茨城キリスト教学園生協の島田代議員と吉川さん、2生協から3名の方にご発言を頂きました。どうもありがとうございました。
昨年の大学生協連の総会では、再生基本方針を確認するというプロセスの中で、大学生協の再生とは何なのだろう、大学生協は再生しなければいけないのか、再建ではなくて再生なのか、そのような点を中心に議論しながら私たちは一つの方向に向かって確認をしてきたと思います。今回の総会ではその内容をより深めて、大学生協って誰のものなのだろう? 大学生協ってどんな存在であったらいいのかな? ということを本当にさまざまな角度から深める実践が全国で進んでいるのだと知り、改めて意を強くした次第です。

立命館生協の発言からは、実に多様な階層の方が元気に討論に参加していただいている姿をご紹介いただきました。学生委員の方や理事の方、大学の方も含めて、まさに自分ごととして大学生協のことを一緒に考えようという動きをつくっておられたこと、また生協職員の方が、現場の業務においては非常に大変な日々が続いているわけですが、それでも自分たちは学生にとってどのような存在であるべきなのだろうかと日々問い続けながら働いている。そうした取り組みを感じることができました。
茨城キリスト教学園生協の発言の中で心に残っているのは、「学生委員会を再建することで自分はパイオニアになれる」、いいですね、本当にそのとおりだと思います。コロナ禍で大学生活が激変してしまった中、自分たち学生委員会も含めて今までどおりの取り組みをしていれば学生のくらしが良くなるのだということは決してないんじゃないか、もっと学生のくらしをしっかりと見つめて、こんな取り組みをしたら茨キリの学生はもっと元気になれるんじゃないか、ということを具体的に考えていく。そのようにいろいろと考えることを通して、大学生協って誰のものだろうとか、大学生協ってどんな存在なのかなということを真摯に考えている姿をまさに感じることができました。

さて、会員再生計画を全国でつくろうと提起しています。これは、それぞれの生協が目の前の組合員との関係でどんな存在であるべきなのだろうか、どんな存在でありたいのだろうかということを全国の生協の皆さんに形にしてもらいたい、そういう思いで提起してきました。単純に経営が良くなる、経常剰余率が1%出るからそれでOKということではなくて、本当に組合員にとって私たちの存在がどうあるべきなのだろうか、そういうことを会員生協の皆さんには、これからも引き続き具体化していただきたいと思います。
大学生協連として次なる指針にしている「大学生協2030Goals」も、一つひとつの会員生協がどんな存在になりたいのだろうと考えることが積み重なり、お互いに切磋琢磨して高め合った結果として、「大学生協2030Goals」の中身が深まっていくのではないかと思います。以上、この1年を通じて、「大学生協って誰のものなんだろう」ということが本当に深まっていったと感じたのが一つ目のお話でした。

二つ目は、共済の推進についてです。風折代議員の発言の中から、学生の皆さんが共済セミナーに参加して、その後に立命館独自の共済学習会を作られたというお話を伺いました。私が感心したのは、学生さん自身が学生総合共済を、自分にとって本当に必要な制度だと腹の底から思っていることなのですね。「バイクで事故を起こして1ヶ月ケガで入院したら俺の学業継続終わりだな」というように、自分たちの学業継続を真剣に考えている学生さんが結構大勢います。学生総合共済がたすけあいの制度として、自分が加入することがほかの学生のくらしを支えているのだということが、本当に学生さんの中で腹に落ちている。だからこそ、「これはいい制度だから広げていこう」と、今全国で取り組まれているのです。それは議案提案のところで言いましたが、まさに会員再生計画につながるものだと思っています。組合員自身がいいものだと思って勧める、それが大学生協の底力です。そして、これから進めていく大学生協事業の再生も、そこにベースがないといけないのだと改めて思いました。
そういう意味でいいますと、大学生協共済連が解散しましたが、私たちはこれからもコープ共済連と共に学生総合共済をしっかりと推進していくこと、そしてそれを通じて日本の大学生のくらしをさらに良くしていこうとすること、さらにその学生が卒業後に社会人として地域に出ていって、その人たちのくらしも良くしていくこと。そういった発展方向をしっかりと意識して取り組まなければいけないのだと感じましたので、全国の皆さんにも提起したいと思います。

最後になりますが、2023年度の経営環境につきましては、まだまだ楽観できる状況ではありません。今大学生協連としても会員生協合計の2022年度決算見通しをまとめているところです。供給高は1380憶ぐらいまでは伸長するのではないかと見ていますが、事業剰余では引き続き若干の赤字。そして、助成金収入の減少含め経常剰余レベルでは15億程度の赤字、そんな見通しを今もっています。大学生協共済連の分配金もございますので、当期剰余では黒字見込ですが、経営構造の面ではまだまだ楽観できる状況ではない、そういった環境にあります。しかもコロナ禍も4年目ということで、2023年度は学生さんのくらしも、2020年度入学者を中心としてコロナ禍の大学生活をどうやってまとめていくのか、そういう年になるだろうと思っています。

まとめといたしまして、改めて組合員にとっての「大学生協は自分たちの組織だ」という思いを育むためにも、第1号議案で提起した、「店舗で運営に参加する」、「ささえあい、たすけあう」、最後に「大学や地域と連携する」、この3つの視点を大切にして、2023年度の活動を皆さんと一緒に進めていきたいと思います。
以上を表明いたしまして、大学生協連理事会からのまとめとさせていただきます。どうもありがとうございました。

退任代表挨拶

全国大学生協連 会長理事 生源寺 眞一

全国大学生協連 会長理事
生源寺 眞一

今期をもって退任いたします生源寺でございます。
私はユーザーとして、大学生協には随分助けていただきました。生協食堂でカレーライスが80円だった時代からです。その後は大学の教員も長く務めているのですが、これまでに地域生協や職域生協とのつながりはかなりあったものの、大学生協についてはもっぱらユーザーという立場でした。それが4年前、副会長を仰せつかりまして、大学生協連との本格的なつながりが始まりました。随分いろいろなことを学ばせていただいたことに感謝しております。逆にどれだけお役に立ったかということに関しては、いささか忸怩たる思いがあります。

本日の開会のご挨拶の中でも申し上げましたけれども、やはり印象的なのは、若い学生さんたちのパワーであります。全国学生委員会の委員長は、矢間君、安井君、角田さん、副会長だった時は小島君で、次期は高橋さんですね。この年になると人の名前を覚えるのがなかなか難しくなるのですが、学生委員長についてはしっかりと頭の中に入っております。印象が強かったからです。委員長以外の学生員ともいくつかのつながりがあり、それも私にとっては大変な収穫でありました。

最後になりますが、杉並会館の会長の部屋には賀川豊彦の「未来は我等のものなり」の揮毫があります。私は本日を持ちまして大学生協連とは少し距離を持つというか、離れるわけですので、特に若い皆さんに向けてこんなふうに申し上げたいと思います。
「未来は君たちのものなり」。この一言をもって退任の挨拶とさせていただきます。いろいろとお世話になり、ありがとうございました。

大学生協北海道ブロック 理事 大原 昌明 先生

大学生協北海道ブロック 理事 大原 昌明 先生

北海道ブロック大原です。本日総会が滞りなく終了できたということは、素直に喜びたいと思います。
私は、ずっと長いこと北星学園生活協同組合の理事長をやっておりまして、2年前に北海道ブロック選出の理事として全国の皆さんとお目にかかるという立場になりました。ただ、この2年間の私の心残りは、一度も杉並会館に行けなかったことでした。いつもこのZoomを通して皆さんのお顔を拝見し、議論を拝聴していた。まあ、Zoomの画面を通すとマスクはないのですが、ただその分やっぱり一方的に聞くだけ、あるいは一方的に話すだけということで、もう少し議論がしたかったですし、そのためにはやはり杉並会館に出向いて全国の皆さんとお話ししたかったなあというのが心残りです。
この2年間、共済連の解散という、それから全国の大学生協一つひとつの今後の在り方について議論する時間になりました。私も北星学園生協の理事からは退任しておりますけれども、今度は利用者として、もちろん出資者としての立場もありますし、利用者としての立場でなんとか生協を盛り上げていきたいと思っております。
今後どこかでまた対面で皆さんとお目にかかる機会があることを祈念して、退任のあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。

大学生協中国・四国ブロック 理事 松野尾 裕 先生

中四ブロックの松野尾です。私は1991年に愛媛大学に着任をして大学生協運動に教職員組合員として参加いたしました。それ以来ちょうど30年が経ちまして、今年3月に定年退職を迎えましたので、それを機に大学生協からも退くことといたしました。連合会では、全国教職員委員会活動に参加をいたしまして、その間教職員セミナーなど、高本先生はじめ皆さんと一緒につくり上げましたことが、私にとって大切な思い出として残っております。
私がなぜ大学生協運動に参加してきたのかということを思い返してみますと、やはり、大学の起源がそもそも学生組合にあるということにあります。中世イタリアのボローニャ大学が今日に続く大学の起源であると言われておりますが、そのボローニャ大学は自由に学びたいという学生が組合をつくり、そしてそれに応えようとする教員が教員組合をつくり、この学生組合と教員組合が合わさって大学の原型がつくられたと言われています。この大学の原点の姿を今日忠実に生かして活動しているのが、大学生協であると思います。私が大学生協運動に参加してきましたのも、私が大学人としてこの学生組合と教職員組合とが合わさって大学がつくられたのだという原点を忘れてはならないと思ってきたからです。
この大学生協が大学コミュニティの一員として大学にしっかりと根付いていき、願わくば将来、国立でも私立でもない、協同組合立の大学を日本にも作れるような、そういう大学生協の底力をつけていただければいいなあというふうに夢を描いています。
今日の総会では、まだまだコロナについて予断を許さないような状況ですけれども、それでもそれぞれの生協がさまざまな取り組みを始めているというお話を伺いました。大学生協がさらに連帯の力をつけていって、今後ますます発展していくことを心よりお祈りしております。
長い間お世話になりました。ありがとうございました。

全国教職員委員会 委員長(信州大学)高本 雅哉 先生

信州大学の高本と申します。今日が初めての方もいるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
私は全国教職員委員会の委員長を拝命してから4年間、全国理事を務めてきました。その4年の間に、今の4年生の方の学生の生活と同じで、コロナ禍が始まって、なかなか思ったほどの活動はできなかったのですが、なんとか今年9月に対面で全国教職員セミナーをつくり上げることができて、ほっとしているところでございます。
私が大学生協に関わったのは、1981年に大学に入学したときからで、その時はもちろん組合員だったわけですが、なにか楽しい所に近づいていくのが私の修正でございまして、そのうち学生委員になって、気が付いたらこんなところで退任の挨拶をしているということになっております。その間、多くの仲間の方とお知り合いになることができました。この全国教職員委員会の4年間は、なかなか対面ではお会いできなかったのですけれども、その前の普通の委員をやっているときから考えると、全国の多くの教職員の理事・監事をやっている方、それから多くの院生の方・学生の方、それから連合会、事業連合、それから会員生協のいろいろな専務さんを中心とした職員の方、何度もお会いすることもあれば、1回とか2回しかお会いできなかった方もいますが、非常に多くの方とお会いできて、いろいろと意見を交換できたことが楽しかったなあと思っております。今日も懐かしい島田さんが来賓として発言をしておりまして、本来だったら会場で聞きたかったところなのですけれども、残念ながらYouTubeを通しての拝聴ということになりました。
今後は一組合員に戻るわけですけれども、大学の教員は辞めた後もそこの大学の組合員に残ることが、恐らくどこの生協も可能だと思いますので、最後まで一組合員として大学生協には関わっていきたいなと思っております。直接ご挨拶申し上げない方も多数いるかと思いますが、この場をもちまして本当に4年間ありがとうございました。それから、何十年にもわたってお付き合いただきましてありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。

新任役員挨拶

全国大学生協連 新会長理事 武川 正吾

全国大学生協連 新会長理事
武川 正吾

ただ今代表理事、それから会長理事に選出していただきました武川正吾と申します。
大学生協に関しては、顧問、平理事、理事長、常務理事といろいろやってきましたが、それはだいたい10年ぐらいなのですね。ただ、学生の頃からの組合員歴を考えますと、先ほど数えましたら40年以上経っていまして、かなり長い時間だなあと思いました。その間に供給高は山あり谷ありという状況を繰り返してきたことを思い出しました。現在、ちょっと谷の時期にあたっているので、非常にプレッシャーといいますか重圧を感じているのですが、先ほどそれぞれの単協の方から学生委員会等々の活動のご報告を頂きまして、少し心を強くした次第でございます。
会長理事という仕事は大変な仕事で、うまくやっていけるかどうかちょっと自信がないところもありますが、どうか皆さまのご協力を得まして、無事に任期を全うできることを祈っております。
これからよろしくお願いいたします。

全国大学生協連 北海道ブロック 理事 芳賀 永 先生

全国大学生協連 北海道ブロック 理事 芳賀 永 先生

北海道大学の芳賀永と申します。このたび大原先生に代わりまして、北海道ブロックの代表として全国大学生協連の理事を務めることになりました。
御承知の通り北海道ブロック、特に北海道大学では非常に厳しい経営状態が続いております。私に与えられた職務といたしましては、経営の改善を目指しつつ、何よりも大学生協の理念に沿って組合員である学生、職員、大学の教員はもちろんのこと、生協の職員の皆さんの生活を改善し向上させるために力を尽くすことができればと考えております。とはいうものの、理事になったばかりで分からないことが多いのですが、関係者の皆さんの教えを請いながら1年間運営に携わっていく考えでおります。
どうぞよろしくお願いいたします。

全国大学生協連 中国・四国ブロック 理事 松本 一郎 先生

このたび松野尾先生の後任として、中四ブロックの代表理事として就任させていただきました松本です。
私は昭和40年生まれの57歳です。10年間民間企業で働いた経験もあります。今、私は島根大学に所属しておりますが、22年の教育研究経験を持っています。その中で、生協とも20年一緒に過ごしてきました。今、全国はそれぞれの会員生協の中で経営の大変なところもありますし、さまざまだと思います。微力ながら全国のために尽くしていけたらと思いますので、皆さま方どうぞよろしくお願いいたします。

全国大学生協連 理事 和田 寿昭(コープ共済連 代表理事理事長 兼 専務理事)

全国大学生協連 理事 和田 寿昭
(コープ共済連 代表理事理事長 兼 専務理事)

コープ共済連で理事長をしております和田と申します。ご存知の方も多いと思いますが、私は2011年まで大学生協連に在籍をしておりましたので、ちょうど11年ぶりにこの場に戻ってきたと言いましょうか、復活したというような感じです。
少し前まで大学生協共済連の理事もさせていただいていたのですが、大学生協共済連が2022年10月をもって解散した関係で、大学生協連とコープ共済連との連携強化のため、相互に理事を派遣し合いガバナンスにも相互に協力していくことになりました。このような連携を通じて大学生協の皆さんとコープ共済連を含めた全国の地域生協の皆さんとの連携強化を図っていきたいと思います。

地域と大学生協の関係について少しだけコメントさせていただきたいと思います。1960年代から1970年代にかけて、全国の大学生協が全国の地域生協の設立の支援を進めていました。こうした支援があって、その後地域生協は大きく発展してきた歴史があります。コロナ禍で大学生協が苦境に立った時に、全国の地域生協がそれぞれの地域の大学生協の支援に熱心に協力していただいたということを考えますと、それは創立当時の大学生協から支援を受けてきたというDNAのようなものが、大きな土台となっていたからではないかと思っております。
コロナ禍前までは、大学生協と地域生協は疎遠の状態が続いていましたが、コロナ禍での支援や連携を通じて関係強化が進み、また学生総合共済を中心とした連携がこれから始まりますので、改めて地域と大学との関係の一層の強化が図れればと思っております。

現在、地域生協は、組合員の高齢化が進んでおりまして、若年層の生協への加入や利用を求めています。大学生協を利用した学生の皆さんが社会に出ていっても引き続き全国の生協とのつながりを持っていただけるように役割を果たしていただくことに対して、全国の地域生協の大学生協の皆さんへの期待は本当に大きいものがあります。今回、学生総合共済から新社会人コースにつなげていくというときに、間違いなく地域生協だけでは接続は非常に難しい、大学生協の皆さんからいかに卒業生の方に地域を紹介していただき、学生総合共済から新社会人コースと継続していくことによって、いわゆる新社会人としての安心をしっかりとお届けする、そうした取り組みに地域生協の皆さんが大いに期待をしています。

2023年の新学期というのは、皆さんと一体となって取り組む最初の新学期でもありますので、ぜひとも成功をおさめながら、新たな取り組みとして発展させていきたいと思っております。
私が大学生協連の理事に再び就任させていただいたということは、地域と大学の連携をさらに強めていくための橋渡し役と自覚しております。さまざまな場面でまた皆さんと一緒に議論しながら取り組みを進めて参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

昨年開催しました全国大学生協連 第65回通常総会(UNIV.CO-OP総会特集号434)はこちらからご覧頂けます。

UNIV.CO-OP435 総会特集号TOPへ戻る