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全国大学生協連 会長 生源寺 眞一先生 ご挨拶 〜つながることの大切さ〜

全国大学生活協同組合連合会
会長理事 生源寺 眞一

現時点で終息の見通しが立たない新型コロナウィルス。大袈裟ではなく、地球社会の歴史に深い傷跡を残しかねない新型コロナウィルス。感染による命と健康への直接の影響は言うまでもなく、行動自粛や休業の要請などの感染防止対策による影響も人々の暮らしを直撃しています。むろん、キャンパスライフのさまざまな活動も例外ではありません。とくに本格的な危機管理対応に移行した3月から今日までの数十日は、卒業や入学や就活本格化の時期でもあり、大学生協も二重・三重の難局に向き合うことになりました。会員生協の皆さんのご尽力に、改めて謝意と敬意を表する次第です。

今回、このホームページにコロナウィルス特設ページを設けたことには、つなぐ組織としての大学生協連の姿勢を内外にお伝えする意味があると考えております。まずは大学生協の内部では、会員生協の具体的な取り組みを紹介し、共有をはかることです。例えば、学生委員が先頭に立って、キャンパス情報の動画配信を工夫する、あるいは、オンラインで新入生と先輩の交流の場を設けるといった活動から、若者らしいアイデアや頑張りが伝わってきます。創意を生み出し、広げるためには、会員生協間に良い意味での競争が働くこともあってよいでしょう。

外側に向けた発信という面でも、特設ページは重要な役割を果たすはずです。コロナに便乗という発想はダメですが、難題に誠実に向き合う姿勢が伝わることで、社会は改めて大学生協の価値を認識してくれると思います。また、外側というよりも、大学生協が連携・貢献すべき存在である大学との情報の交流が何よりも大切です。コロナウィルスについては、怪しげなものを含めて、情報の氾濫による混乱も否めません。そんな中で大学生協は、正しい知見を分かりやすく伝えることにも注力する必要があります。このような姿勢を母体である大学の関係者にも知っていただきたいと思いますし、ときには大学からの情報発信をサポートすることも、大学生協の役割のひとつであるはずです。

新型コロナウィルスへの対応は、互いに助け合うことの大切さを、したがって人と人のつながりの大切さを改めて教えてくれました。しかしながら、まことに皮肉なことに、濃厚な接触を回避することが厳しく求められています。つながりたくても、つながれないというジレンマがあるのです。ここは多くの会員生協の取り組みが物語るように、情報通信技術の活用で交流を生み出し、持続させることが必要なのです。けれども、あえて私見を申し述べるならば、やはり生身の人間として互いに接することこそが、人の社会を健全に成り立たせている基本だと思うのです。

しばらくは我慢しなければならないでしょう。それは、生身のコミュニティへの思いをつのらせる我慢の時間にほかなりません。一日も早く、みんなで肩を寄せ合う「つながる元気、ときめきキャンパス」が戻ってくることを祈るばかりです。

協同の価値観と理念で共通の運命を目指して

国際協同組合(ICA)会長
Ariel Guarco

これから世界の秩序が変わっていくのではないでしょうか。深刻な健康危機だけでなく、経済的、金融的、社会的、そして多くの場合、政治的な問題によって、社会の発展のための新たな道を模索し、切り開く必要があるでしょう。今、私たちが直面しなければならない主な論点は、その発展がどのようなものになるかということです。

人類は、人命を犠牲をともなう途方もないパンデミックに巻き込まれています。人間の行動が引き起こしている膨大な不平等と環境の不均衡があり、極めて脆弱な状況の中でこのような事態に陥っています。ごく一握りの人々が世界の半分に相当する資産を保有しています。世界の債務(ソブリン債、家計債、企業債)は、世界総生産の3倍以上に相当します。ブレーキのない直線的な生産と消費のスタイルでは、今後わずか10年で後戻りができない場所まで到達してしまうでしょう。

「廃棄文化」は今日、その限界を示しています。パンデミックは、私たちの脆弱性を浮き彫りにしており、2030年アジェンダで目指すと合意した経済的、社会的、環境的に持続可能な開発には、遠く及ばないことを示しています。問題は、私たちが文明としての道をどこまで捻じ曲げることができるかということです。

私たちの共通の故郷であるこの地球上には、開発のための他の方法があること、持続可能な開発はユートピアではないことを示す多くの経験があります。協同組合経済は、世界規模で10億人以上の組合員と世界の雇用人口の10%の雇用を生み出しました。トップ300の協同組合の売上高は、世界第6位の国の国内総生産に匹敵します。

健康危機から急速に経済的・社会的危機に転じたこの状況に対処するため、協同組合運動は積極的に関与しています。われわれは相互扶助を原則としている機関に訴えるところから協力がはじまります。これは相互扶助の原則が共通の問題に対応するための連帯行動をより効果的なものにしていると考えるからです。

今日、協力が緊急時だけのものではないことを社会に提案したいと思います。協力とは、パンデミックのような世界的な課題に直面しても、より公平で、よりバランスのとれた、そしてより脆弱性の少ない経済を構築するための代替的な方法です。

商品やサービスを可能な限り低コストで提供するためには、しのぎを削り、徹底的に効率化を余儀なくされた企業が必要になります。この競争の秩序と原理によって、企業を組織する資本家の利益をもたらします。

一方、協同組合の組合員は、ほぼ二世紀にわたって、別の道、すなわち「協同のパラダイム」を採用してきました。私たちは、共通のニーズを満たすために事業体を組織していますが、その順序原則は利益ではなく、相互扶助です。そしてその効率性でさえ、組合員、労働者、消費者または生産者が民主的な運営をしてきた結果です。

私たちの共通のニーズを効果的に満たすためのこの経済モデルが拡大されていくことによって、相互扶助と協力の強固な関係に基づた、あらゆる不測の事態に答えるために社会を形成することになります。より強靭で、より大きな社会資本に変換されることになります。これは、市民社会組織の強化とも密接な関係があります。

共通の利益を促進するための強力な国家の必要性がこれほど浮き彫りになっている今、これが古い国家対市場の議論にすぎないと信じている人もいます。わたしたちはそうは思いません。

これは、自由を追求する市場と平等を追求する国家の話ではありません。市民としての私たちのエンパワーメントこそ重要です。自由なサービスを国が保証する能力、また公平な条件の下で市場に参加することを保証する能力が求められます。市民のエンパワーメントは、協同主義のビジョンの中では、市民社会組織の構造に大きく依存しています。権威主義的な統制を頼らずに社会的な調整を行うことができるのは、自律的で民主的に組織された市民社会です。

各家庭のニーズに対応し、公権力の行使を統制し民主化する責任ある組織化された市民がいなければ、どんな監視システムも有用ではありません。また、経済権力の行使を民主化する市民社会組織がなければ、市場の機能は自由を保証するまでには至らないでしょう。

これは、教皇フランシスコがイースター(復活祭)の際の手紙の中で語られている内容と同じです。「この危機に、また人類の直面するその他の深刻な問題に取り組むためには、国家中心であろうと市場主導であろうと、テクノクラティック(技術官僚主義的)な枠組みでは不充分だと、諸政府に理解してもらうこと──それが私の望みです。これまで以上にいま、個人、共同体、人民が中心に据えられ、癒やし、労り、分かちあうために、まとまるべきです。」

国際協同組合(ICA)会長 Ariel Guarco
https://www.ica.coop/en/newsroom/news/towards-common-destiny-cooperative-values-and-principles

今こそ「つながりあい、語りあい、たすけあう」大学生協へ。

全国大学生活協同組合連合会
学生委員長 安井 大幸

全国の大学生の皆さん、大学生協に関わる皆さん、大変な時だからこそ「つながりあい、語りあい、たすけあう」ときです。世界中で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るって1年が経ちますが、変異株の感染拡大でまだまだ予断を許さない状況が続いています。コロナ前の日常は“非日常”になりつつありますが、一方で“日常”に戻りつつあるものもあります。それは、卒業式や入学式、対面の講義といったものです。この状況は、人と人とが「つながっていること」をリアルに感じられる場の必要性を示しているように思います。この状況を踏まえて、各地の大学生協でも感染防止対策をしながら、リアルとオンラインを駆使して大学生活を支える・支えあう取り組みを行っています。

現在、学生は「3つの危機(暮らしの危機・学びの危機・コミュニティの危機)」に見舞われていることが分かっています。感染拡大から1年が経とうとしていますが、依然として経済的に厳しい学生がいます。家計の急変やアルバイト収入の激減で、健康的・文化的生活が維持できない学生や学業継続が厳しいという声もあります。また、就職活動や資格試験、実習なども計画が変更となり、大学卒業後の未来が見えないという不安も日増しに強くなっています。ほかにも、食生活、メンタルヘルス、学業の不安など様々な生活課題を学生は抱えています。

こうした状況で、私たち大学生協ができることは何でしょうか。それは大学構成員の生活に真正面から向き合うことです。私たち大学生協の取り組みの原点は、大学構成員の生活の悩みや願いに寄り添い、構成員同士が事業を通じて、協同の力で、悩みを解決し、願いを実現することです。私たちは今、歴史の転換点の真っただ中にいます。今回の危機は、終息後も私たちの生活や価値観を大きく変えることでしょう。その中で、人と人とがつながる大切さを再確認し、協同に確信を持って、未来を描いていく仲間を増やしていくことが重要になります。生協運動の父である賀川豊彦先生の「未来は我らのものなり」は、人と人とが「つながりあい、語りあい、たすけあう」その先にあるはずです。今こそ、協同に確信を持ち、「つながりあい、語りあい、たすけあう」大学生協を作っていきましょう。