12月15日、国立オリンピック記念青少年総合センター・セミナーホールにおいて、出版甲子園 第二十回決勝大会が開催されました。
出版甲子園は「学生の、学生による、学生のための出版コンペティション」です。出版業界と読者をつなぐ場として設立され、2004年から始まった決勝大会も今年で20回目を迎えました。
この日の決勝大会に進んだのは7企画。出版編集者・ライターなど18名の審査員とゲスト審査員・作家の三浦しをんさん等が見守る中、3度の審査を経て企画書を練り上げてきた7名が壇上で熱いプレゼンバトルを繰り広げました。
質疑応答では、編集者ならではの厳しい視点で「大学生がこの企画を立てる必然性は?」「読者対象はどこに置いているのか?」という基本項目を明確にしたり専門分野にも切り込んだ質問をしたりする審査員に対し、企画者の皆さんは思いの限りを尽くして真剣に応えていました。「出版」という同じゴールを目指す者同士の真剣勝負の時間はこの決勝大会のもうひとつの見どころです。
全員のプレゼンが終わると審査員と観客による投票が行われ、ゲスト・三浦しをんさんのトークショーを挟んで結果が発表されました。
第20回決勝大会で栄えあるグランプリ(1位)に輝いたのは、山口大賀さんの「ティラノの手は無限大〜“使い回し”の生き残り戦略〜」。「使いまわし」というコンセプトと企画の構成が高く評価されました。
そのほかの授賞者は下記のとおりです。
準グランプリ(2位)
牛谷雅さん「18歳、戦死した曽祖父を追う~日本軍最後の地上戦『占守島の戦い』の通訳官・牛谷功~」
3位
小林寛さん「社会は妥協によって作られる~意思決定と合意形成のための30の視点~」
ゲスト賞(三浦しをん賞)
後藤ゆうさん「『浪人生』、アラスカに住む。〜大学全落ちして、ギャップイヤーから米国名門大学に合格した話~」
※アメリカより、リモートにて参加
これまでに出版甲子園を通じて43冊の本が世に送り出されてきました。決勝大会の成績にかかわらず、今回の決勝進出企画も出版社からオファーがくれば、商業出版に向けて動き出します。
さて、出版甲子園実行委員会は、もうすでに第21回決勝大会にむけて企画募集を開始しました。皆さんも素敵な企画が思いついたらぜひ応募してみませんか。実行委員会の目に留まったら、次のグランプリはあなたが手にするかも!?
第21回出版甲子園募集要項(応募期間:2025年8月11日(月)まで)