「これからを生きる大学生へ、未来を創る人々へ」
〜本を読む人、読まない人、読書に興味がある人、興味がない人〜

全国大学生協連 大築 匡

Vol.1 読書は心のリフレッシュ、日常に取り入れよう

読書の目的は日常の中の「癒しや楽しみ」だ、ということが、読書マラソンにエントリーしている大学生への意識調査でわかりました。これは、私が事前に予想していた結果と少しずれていました。多くの人にとって大学生の読書の一般的なイメージは「教養や自己成長」等の言葉と結びついているのではないでしょうか。もしくは、学生は大学での学問の入り口として読書をするのだから、もっと「勉強や学習」という言葉と結びつくのではないかと予想していた方もいると思います。しかし、このような見方は等身大の大学生の読書像とは少しずれているようです。

読書時間についても、1日1時間を超える人はさほど多くはありません。調査結果によると、読書マラソンエントリー者の半数は、1ヶ月に1、2冊のペースで1日30分未満の読書をコンスタントに続けている学生だと言えそうです。このことは何を意味しているのでしょうか。読書を続ける秘訣は、「癒しや楽しみ」を目的にして隙間時間に1日30分未満の読書を続けることだ、ということなのではないかと思います。

読書マラソンエントリー者の9割以上が小中学校のときに朝読書などの読書推進教育を受けていると答えています。朝読書は毎朝学校で始業前の10分間に生徒も先生もいっしょになって好きな本をみんな揃って読む活動です。

「みんなでやる、毎日やる、好きな本でよい、ただ読むだけ」これが朝の読書を続けられる秘密だそうです。

せっかく小中学校時代に身についていた読書習慣も、大学受験のため時間がなくて読書から遠のいた、という人もいるかもしれません。大学生になったら大学の講義や研究のために読まなければならない教科書や専門書も多くなり、読書を楽しむという気持ちになれなくなっている人もいると思います。読書はいろいろな趣味や楽しみの一つにすぎず、他に楽しいことがあるので読書に目が向かない、という人もいると思います。しかし、読書はあまりお金もかけずに気軽に始められる楽しみです。大学生だから難しい本を読まなければいけないという義務感からではなく「好きな本をただ読むだけ」でいいし、朝食後の10分や、通学電車の中などの隙間時間に1日10分~15分だけちょっとだけ本を読む。こんなことから読書を始めたらいかがでしょうか。