「これからを生きる大学生へ、未来を創る人々へ」
〜本を読む人、読まない人、読書に興味がある人、興味がない人〜

全国大学生協連 大築 匡

Vol.2 本との出会い、書店との出会い(期待感!)・・・

新しい本に出会ったとき、自分のアタマの中の本棚のどこに置くべきか、つい考えてしまいます。おそらく、自分が以前、書籍部で働いていたときからの癖なのでしょう。

書籍部の本棚にはたくさんの本が並んでいます。誰かに買われたり、補充注文品が入ってきたり、新刊が入荷したり、返品されたりして、本棚の中身は少しずつ変わっています。けれども、本棚全体のジャンルとしての統一感は変わることなく保たれています。並んでいる本の背表紙の色は様々なのに、その分野独特の雰囲気が棚全体から感じられます。

本には他の本とのつながりがあって、棚の中でのその本の居場所が自然と定まるようになっています。だから少なくとも自分は、本の並び方がなんか違和感あるな、と感じる本屋さんではあまり買いたいと思いません。そういう人は案外多いのではないでしょうか。

大学生協の書籍部だけでなく、どんな書店でも、本の並べ方に書店員のメッセージがこめられていると思います。この本の隣にあの本を置いてみよう、とか、誰かこの密かな仕掛けに気づくかなとか思いながら毎日たくさんの本を並べています。ピーク時間が終わってちょっとお客様が少なくなったとき、棚の整理整頓をしていると、売れてなくなった本や立ち読みされた本が何か、すぐわかります。立ち読みされた本は、帯がずれていたり、スリップ(本に挟まっているアレです)が飛び出ていたりしますからね。そうやって書店員も、お客様からのメッセージを受け取っています。自分の仕掛けに気づいてもらえたら、なんか趣味の合う人と会話ができたようで、嬉しく感じられました。

学生の皆さんにお願いです。
あなたのお気に入りの本屋さんを見つけてみてください。それが、あなたの大学の生協書籍部だったらなお嬉しいです。そして、この本を並べた人はどんなメッセージをこめていたのか、推理してみてください。ちょっとだけでもいいので、気になった本を手にとってパラパラとめくってみてください。何か面白い発見があるかもしれませんよ。