「これからを生きる大学生へ、未来を創る人々へ」
〜本を読む人、読まない人、読書に興味がある人、興味がない人〜

全国大学生協連 大築 匡

Vol.12 部屋が片付かない理由

自分の部屋に本があふれている。おかしい。いったんは本棚に収まったはずなのに、いつの間にか床やデスクの上に本が積みあがっている。放置すればそのうち足の踏み場もなくなる。掃除機もかけられない。

そろそろ片付けないとまた家族から怒られるなあ……。だけど、いざ片付けようとすると途中で読むのをやめていた本の続きが気になりついつい読みふけってしまう。読み終えた本のお気に入りのフレーズを探して再読するのも楽しく、やめられない。本棚に並べるのにも、あの本の隣にはこの本を置きたいとか、変なこだわりが邪魔をして一向に部屋が片付かない。

そもそも、本が多すぎるのだ!定期的にブックオフに読まなくなった本を売っているはずなのだが、なぜか数日もすれば本が棚からあふれる現象が止まらない。表紙やタイトルに惹かれて買ったものの、冒頭の数ページしか読んでいない本がいくつあるのだろう。私の部屋は、読みかけの本たちの墓場になりつつある……。かと思えば、資格の勉強のために使い込んだ問題集や参考書は、書き込みしすぎて真っ黒になり、ボロボロに使い込んでおり、古本屋さんに売ることもできず、今後どう考えても読み返すこともないのだが、かといって捨てる気にはなかなかなれない。

こんなにも本を手放せずにいるのは、たぶん私にとって本が単なる「物」以上の存在だからだ。読み終わったページには、あの頃の私の感情や考え方が染み込んでいる気がして、うかつに捨てられないのだ。結局、部屋が片付くより先に、読書が進んでいく。私の部屋が片付く日は、たぶん永遠に来ない。