全国大学生協連 大築 匡
8月末に受験した資格試験は、自己採点の結果から見ても、今年も合格は難しそうでした。結果として、また1年間、挑戦を続けることになりました。今思い返せば試験対策に没頭するあまり、「暗記中心」の学習に偏り、「理解」をおろそかにしてしまっていたのかもしれません。頻出問題の答えを暗記すれば合格するというような簡単なものではなく、制度主旨への深い理解が必要で、それには制度がつくられた当時の時代背景や制度の沿革なども学ぶ必要がありました。また、幅広い一般知識を問う問題も出題されるため、それに対する対策も欠かせませんでした。働きながら勉強しているのであれもこれもと手を出すことは時間的にも困難ですが、それでももう少し教養の幅を広げ、暗記だけに頼らない思考力を身につけないと到底太刀打ちできないということがよくわかりました。そんなわけで、今年の夏もほろ苦い結果に終わりましたが、それでも勉強へのモチベーションにはつながったので、自分にとっては良い経験だったと言えるかもしれません。(無理やり前向きに考えれば……ですが。)
試験が終わったあと1週間はしばらく茫然と燃え尽きていましたが、封印していた趣味としての読書を再開しました。何も考えずに好きなSF小説を読めるのって、やはり良いな。何度も読んでボロボロになった時代小説の文庫本も、頭が空っぽにして物語の世界に没入できる気がして、自分にとって最高の癒しの時間になるな。
「何かのために読む」のではなく、ただ「読むことそのものを楽しむ」読書は久しぶりでした。
気分もリフレッシュして資格試験の勉強を再開しました。相変わらず基礎知識の確認、問題の反復演習の日々が続きますが、今回は、もう少し幅を広げて寄り道をしてみてもいいかな、と思っています。受験勉強と違って資格試験の勉強は何度でも挑戦できるのがよいところ。今回は努力が及ばず残念な結果になったけど、学んだ知識は無駄になるわけではないし、勉強をつづけたという経験そのものが自分にとっての財産になっています。今度は少しアプローチを変え、幅広い学習も取り入れてみようと思っています。自分なりに工夫しながら進めるのも、また楽しみのひとつです。あきらめなければまだまだ終わりじゃないのですから。