Essay 本のある場所 ー fm GIG ー

2025.11.15 Up

本好きの集う場所 ー fm GIG ー

 

「壁にある背の高い本棚に本がいっぱい詰まってるんだ!!」 
 この言葉を聞いてわくわくしない人は本好きとは言えないだろう。 

 本がいっぱいある場所として、皆さんが思い浮かべる場所はどこだろうか? 
 本屋? 図書館? 実は私が行った場所はそのどちらでもない。 

 私が訪れたのは京都にあるインターネットラジオ局、fm GIGである。 
 ラジオ局と、本。この二つを並べて語ることはあまりないが、このラジオ局には当たり前のように本がある。そして本棚には、だれもが知っている名作から出たばかりの新刊までみっしり詰まっている。そして、壁を見れば、著名な作家さんのサイン色紙もかざられている。まさに夢のような空間! 
 ちなみにこちらの本棚は、半世紀以上書店員をしている本のプロともいえる方が作り上げたものだ。

 そして、fm GIGの本との関わりは本棚だけにとどまらない。今年からは、独自の文学賞を創設したそうだ。その名も『京都短編ミステリー新人賞』。審査委員長は、あの島田荘司先生。すごすぎる。京都の小さなラジオ局から、世界に向けて文化を広げていく。夢いっぱいの取り組みだ。商業出版経験のない新人であれば国内外問わずだれでも応募できるようなので、是非応募してみてほしい。



 そしてこの場所は、本を愛する人々が集まる空間でもあり、定期的にイベントが開かれている。 
 その名も「関西本好き交流会」。  

 集まるのは作家、書店員、出版社、取次、司書、そして熱心な読者たち。立場は違っても、「本が大好き」という共通する情熱を持っている。 この交流会では、それぞれ垣根なく一人の本好きとして集い、本の交換を楽しんだり、語り合ったりするのだ。 
「新刊読みました?」
「この本が好きならあの先生の本もオススメですよ!」
「この本のよさについて語らせてくれ!!」
と、本好きたちの話はつきることはない。
 こんな風に語り合える場所があることが幸せだと思う。 
 
 本を読むのは楽しい。 
 でも、その楽しさを分かち合える人がいたらもっと楽しい。 
 読書は一人でできる趣味と言われるけど、こういう場所に行くと、一人で家にこもって読んでいるだけではまだまだ、甘いなと感じるようになる。 
 本を通じて人がつながり、笑顔が生まれる。 そんな世界が、少しずつ広がっていくといいなと思う。
 

今回 訪れた場所
fm GIG 
京都市下京区四条大宮町17 三虎第3ビル5階 

https://www.fm-gig.net

 

■筆者P r o f i l e
山原 和葉(やまはら・かずは)
同志社大学2年生。いずみ委員。

 ビブリオバトルに月2、3回行き、本関係のイベントに行きまくるアクティブ系本好き。本以外では特撮が好きで、イベントに行きまくるアクティブ系特撮好き。1日が50時間、1年が500日くらいあればいいのにと思っている。ちなみに運動は嫌い。


*本サイト記事・写真・イラストの無断転載を禁じます。

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